たびびとの写真帳

*小さな旅の思い出写真集*

旅先・散歩中の心に残る写真が中心です。
旅の思い出・滝・風景・花の写真など。

「梅ヶ瀬渓谷」の台風被害ーII

2019年12月19日 | 千葉県

 梅ヶ瀬渓谷入口から大福山(標高292m)山頂への一車線の山道を慎重に上がって行った。幸い下りの車と一台も出会うことなくなんとか無事に頂上直下の狭い休憩場所までたどり着いた。この大福山山頂を中心として、小湊鉄道「養老渓谷駅」まで5.4㎞、「月崎駅」まで8.4㎞の深い房総の山中を歩くハイキング道が整備されている。またこの地点から断崖のような急斜面を降りていくと、梅ヶ瀬渓谷最深部の「旧日高邸跡」まで下ることができる。ところがここにも下り道入り口にはロープが張られ、「この先階段崩落・キケン・立入禁止」の掲示が出ていた。けっきょくこの日は梅ヶ瀬渓谷には台風被害でまったく立ち入ることができなかった。深い渓谷道や断崖の崩落事故となれば、残念ながらこれから相当長い期間立ち入ることはできないだろう。


 この休憩場所の隅には、写真のような高さ2メートル以上はありそうな立派な石造の顕彰碑が建てられている。明治18年にこの地に入り、大正4年80歳で没するまでこの奥深い地に理想郷をつくることを志し、地元の村の振興や県内各所からの多くの青少年が寄宿して学ぶことができる「梅ヶ瀬書堂」を建てて尽力した偉人日高誠實(ひだかのぶざね)の顕彰碑である。
(***梅ヶ瀬渓谷最深部の書堂などの建物があった「旧日高邸跡」地と渓谷沿いの紅葉風景など今回は撮影できなかったのですが、昨年の紅葉最盛期の11月28日に訪れた時の写真を、昨年12月1日と2日の更新記事に載せてあります。お時間がありましたらどうぞご覧ください。)



 休憩場所の向かいの坂道をすこし上ると大福山展望台がある。さすがにここは台風の風当たりが猛烈だったのだろう。道脇の木々は根こそぎなぎ倒されたままになっていた。大福山の標高は292mでも、この展望台からは東西南北ぐるりと遥か彼方まで房総の山々や海岸線などの絶景を見渡すことができる。
[参考]:千葉県(房総)の最高峰は標高408.2mの嶺岡山系愛宕山で、これは全国都道府県の最高峰の中で最も低い。



 
山頂付近でゆっくりと時間を過ごしてからまた慎重に坂道を下って養老渓谷方面へ向かった。


「梅ヶ瀬渓谷」の台風被害ーI

2019年12月17日 | 千葉県

 千葉県内で養老渓谷と並ぶ紅葉名所として知られる「梅ヶ瀬渓谷」入り口手前で「マユミ(真弓)」や「カラスウリ(烏瓜)」の秋色撮影を楽しんだ後、梅ヶ瀬渓谷の台風被害の様子を確かめたいと思い、さらに奥へと向かった。駐車場手前の渓流沿いの一車線の狭い道に入れるかどうかがポイントだったが、心配していたとおりに入り口にはロープが張られ、「崖崩れのため危険・立入禁止」の表示が出ていた。ここから最深部の「旧日高邸跡」までは何度も沢を渡りながら歩く約3kmの渓谷道になっている。
 







せっかくここまで来たので途中で倒木や土砂崩れなどで引き返すこともあるかもしれないが、上方には民家も何軒かあることだしひょっとしたら走れるかもしれないとも思っていた。大福山頂上に通じる」約3㎞の一車線の山道をゆっくりと辺りの様子を見ながら走ったが、道脇の樹林が深くて心配していたほどの被害は見られなかった。幸いなことに何ヶ所か車を停めて辺りの紅葉を撮影することもできた。

マユミ(真弓)の木

2019年12月14日 | 植物・花

「マユミ(真弓)」:ニシキギ科の落葉低木。紅葉や実を鑑賞するために古くから庭木や盆栽として親しまれてきた。国内では沖縄を除いて全国に自生する。マユミの枝は柔軟性に富みよくしなるために弓の材料となった。「真弓」の「真」には「最高の」の意味があり、高級な弓材として用いられてきた。5月になると淡い緑色がかった小さな白い四弁花をたくさん咲かせる。秋になると葉は美しく紅葉し、ピンク色の実をたくさんつける。そのピンク色の実の殻がはじけると中から真っ赤な種子が顔を出す。
 関東ではいちばん遅い紅葉の名所として知られる房総南部へ車を走らせた。小湊鉄道「養老渓谷駅」のすぐ先で線路を渡り、養老渓谷と並ぶ紅葉の名所「梅が瀬渓谷」へ向かった。途中の道脇に高さ3mくらいのピンク色の実に包まれたようなマユミの木を見かけて車を停めた。今までにこんなにもたくさん実がついている木を見たことがないほど実が鈴なりになっていた。



 
殻の中から真っ赤な種子が顔を出していた。


[参考]:マユミの花


すぐ近くの藪の中には赤い「カラスウリ(烏瓜)」の実が垂れ下がっていた。
これもまた晩秋から冬へと向かう季節を実感させてくれる貴重な植物だと思う。

ウリ科カラスウリ属のつる性植物。赤い実は鳥が好んで食べることから「烏瓜」と名づけられた。
夏には純白の花びらの先にまるでレースを広げたようなとてもきれいな花を咲かせる。

不思議な二階建てトンネル

2019年12月12日 | 千葉県


 千葉県市原市と大多喜町にまたがる養老渓谷周辺は、関東でも見頃が最も遅い紅葉の名所として知られている。台風15号、19号によりこの地域も大きな被害を受けた。地元の観光協会に問い合わせたところ、養老渓谷温泉郷と更に奥の粟又の滝方面への道は工事中で一車線交互通行になっていたり通行に注意を要する場所もあるが開通はしているということで、昨年の秋以来久しぶりに出かけてみることにした。
 小湊鉄道養老渓谷駅前を通過し、まずは温泉郷の途中にある「二階建てトンネル」に立ち寄って見ることにした。これが三度目の訪問になる。SNS投稿記事の写真が話題を呼んで、今では観光バスも立ち寄る「名所」にもなっている。断崖を掘りぬいて奥の川沿いの「隠れ湯の宿川の家」に通じる全長115mのトンネルで、入り口には「向山(むかいやま)トンネル」の標識が出ている。写真のように昔ながらの素掘りのような暗く狭いトンネルを歩いていくと、前方に見えてくる出口がまるで「二階建て」のような不思議な造りになっている。
 




 幅は狭くて小さい車でもすれちがうことはできない。この「二階建て」の訳はなかなかわかりにくい。調べてみると、昔は上の出口(穴)だけであったが、昭和になって(昭和45年3月竣工)、車でも通行できるように坂になった素掘りの道を平にして出口の下を掘りぬき新しい出口を造ったという。この新しい部分の23mは手前のような素掘りではなく金属とコンクリートで仕上げられている下の段のトンネルになった。そしてその部分(23m)は「共榮トンネル」と名づけられた。トンネルを出て振り返ると、こちらの出口には「共榮トンネル」という標識が出ている。一つの短いトンネルに名前が二つあるのも極めて珍しい。初めて訪れる人はバスガイドさんの説明を聞いてびっくりするのはまちがいない。




 トンネルを抜けるとすぐ左手川沿いに「隠れ湯の宿川の家」がある。その川にかかる橋の上から見た上流の紅葉が台風でもほとんど傷んでいなくて養老川の水面にもきれいに映りこんでいた。

成田山公園散策 12/5

2019年12月07日 | 写真

 千葉県内で指折りの紅葉名所として知られる成田山新勝寺大本堂裏手一帯に広がる深い木立に包まれた成田山公園を散策した。実はこれが今年初めての紅葉風景撮影で、ゆっくり時間をかけて園内を歩き回った。気候温暖な房総の秋景色は例年12月初旬ごろが見頃になるが、ここでも11月下旬頃に色づき始めて師走上旬には見頃を迎える。園内各所の紅葉・黄葉は期待通りの美しさで、時間の経つのも忘れて夢中で撮影を続けた。


































 国道51号成田街道沿いの駐車場に戻り空を見上げると、北西からの強い寒気の流れ込みを告げる雲が空いっぱいに広がっていた。
いよいよ本格的な冬の寒さが続くようになるだろう。