たびびとの写真帳

*小さな旅の思い出写真集*

旅先・散歩中の心に残る写真が中心です。
旅の思い出・滝・風景・花の写真など。

「シモバシラ」の花

2015年09月29日 | 写真



「シモバシラ」(霜柱):シソ科シモバシラ属の山野草。別名「雪寄草」。瞬間的に純白の花を霜柱に見立てたのかと思ったが実はそうではなくて、冬に入り枯れてしまったこの草の茎の根元から霜柱ができて氷の華のような美しい姿になることからこの名がつけられたという。

 東京都墨田区東向島にある都立庭園「向島百花園」内を散策中に見つけたのだが、初めて見る花でその白さが際立っていてとてもきれいに見えたので低い姿勢で何枚も撮り続けた。そのうちに小さなセセリ蝶が飛んできて花に止まって蜜を吸い始めたので更に夢中で花と蝶を連写した。小さなセセリ蝶にはいろいろな種類があってひと目で見分けることはなかなか難しい。普段よく見かけるセセリ蝶は「チャバネセセリ」で、体色は明るい茶色で黒い斑点が見られるが、この蝶は黒に近い濃い茶色で白色の帯と斑点が鮮明で美しく、これまで一度も見たことがない種類の蝶だった。

 帰宅後、ウェブサイトの「セセリ蝶図鑑」を何種類も調べた結果、この蝶は「ダイミョウセセリ」ということでほぼ間違いないのではないかと思う。「大名セセリ」の名は、その白い模様が戦国大名の家紋のように見えることからだということである。初めて見る花と蝶を一度に撮影することができたのはとても幸運だったと思う。

にらみ合い

2015年09月26日 | 写真




 蜂のすぐ右上に小さな小さな昆虫がいるのが見えますか。お気に入りの「ネコノヒゲ」の花を夢中で撮影していた時、偶然に蜜を求めて花に止まった昆虫同士のにらみ合いの場面に遭遇して連写した一枚です。この直後に、蜂が前脚を伸ばして小さな昆虫を威嚇し追い払ってしまいました。

 「ネコノヒゲ」:シソ科の多年草で草丈は約50cmほど。インド、マレー半島原産。開花期は6月から11月ごろまでで、純白の花のほかに薄紫の花も時々見かける。シベが長く伸びてまるで猫のヒゲのように見えることからこの名がつけられた。 英名 "cat's whiskers"

「豊英大滝」再訪

2015年09月23日 | 写真

 

「豊英(とよふさ)大滝」再訪:二段になっているこの滝の上段の滝つぼはけっこう広くて適当な深さもあり、夏場は水遊びの家族連れが大勢やってくる。川上には人里もなく大自然の中の滝で水もきれいだ。下段も巨大な一枚岩が滑り台のようになっていて子どもたちは楽しく遊んでいる。

 先日訪れた時は気温も高く日曜日だったのでたくさんの水遊び客が遊んでいた。秋雨が続いて水量も安定しているので、もう一度ゆっくり撮影しておきたいと思い先週末に再度でかけてみた。さすがに気温も下がってきたせいか今回は人影もなく、予想通り水量も房総の滝にしては豊かだったので、時間をかけて撮影を楽しむことができた。滝前の木の枝が風に揺れてなかなかタイミングは難しかったが、粘り強く風が止むのを待ってシャッターを切った。

*フォトチャンネル「滝の写真集-I」は画像が100枚となり容量がいっぱいになったので、この写真を一枚目として「滝の写真集-II」を作成します。


初秋の彩り

2015年09月20日 | 写真

       今が盛りのヒガンバナの朱色が散歩道の脇の池に映りこんでいた。

 

 「カリガネソウ」(雁金草):花の形を雁が飛ぶ姿に見立てたという。また「帆掛草」(ほかけそう)の別名もある。花の臭いが独特で切花や店先で見かけることはない。

 

  落葉高木「カツラ」の葉が秋色に変わり始めている。やがて樹木全体が見事な黄金色に包まれる。

 

           赤花・白花の「 ヒガンバナ」と「カリガネソウ」の競演

          「シュウカイドウ」(秋海棠)の花が目に鮮やかに映る。

 

      

「コボタンヅル」(小牡丹蔓):キンポウゲ科センニンソウ属。関東から中部地方の日当たりのよい山地で樹木にまきつきながら繁殖し、晩夏から秋にかけて「センニンソウ」に似た純白の小花を木を覆い隠すほどたくさん咲かせる。

 

 「シロシキブ」(白式部):「ムラサキシキブ」(紫式部)のほうがよく見かけられるが、同じ姿の白い実もまた美しい。


棚田の秋

2015年09月16日 | 写真

 

 

 

 

 南房総鴨川市山あいの大山千枚田などの棚田では、毎年8月下旬ごろから9月中旬ごろにかけて収穫作業が行われる。休日には県外からも多くのオーナーが集まり、地元農家の指導を受けながら昔ながらのすべて手作業での刈り入れと「はさがけ」が行われる。この「はさがけ」は、刈り取った稲穂を一定期間乾燥させるためのものだが、地方によっていろいろ異なった「形」で稲穂の束が架けられていて、旅先で見かけたりすると楽しいものだ。写真のような形が全国的にいちばん多く見られるものではないかと思うが、中には一本の太い柱に下からどんどん高いところまで積み上げられる形のものも見かけたことがある。そして最後に最新型の機械を使っての脱穀作業が行われ、この年のオーナーによる作業はほぼ終わることになる。

 不思議なことに、毎年収穫作業が終わるころから田んぼの畦道などに赤いヒガンバナが咲き始める。大山千枚田の畦道脇に赤い彼岸花より先に咲くピンクの「リコリス」を一株だけ今年も見つけて、刈り入れ作業がまだ済んでいない田んぼを背景にして一枚撮影した。 (2015/9/6 撮影 )


初秋の「豊英大滝」(千葉県)

2015年09月14日 | 写真

 

 

 

 千葉県君津市豊英(とよふさ)山中の「豊英大滝」の撮影にでかけた。この滝へは年間何度も通っていて、この時期には滝の周辺に「タマアジサイ」(玉紫陽花)が咲いていることがわかっていたからだった。午前中の早い時間に到着してあちこち移動しながら撮影を続けた。一枚目、二枚目の写真では、左端にタマアジサイを配して撮影した。

 休憩しながらのんびりしていると、水遊びの準備をした子供連れの人たちが次々と現れてにぎやかになってきた。夏休みに悪天候続きで遊び足りなかった子どもたちをここで水遊びさせるために連れてきたのだろう。

 三枚目の写真でわかるように「豊英大滝」は上段と下段に分かれているが、上段の滝つぼは大きくてプールのような気分で楽しむことができる。この滝の上流には人里もなにもなく大自然の中の滝で水に汚れはない。そして下段の滝は信じられないほど巨大な滑らかな一枚岩の斜面をゴムボートや浮き輪などを使って滑り降りるとこれまたとても楽しいので、子どもたちにとってはうれしい遊び場になる。この場所までやってくるのがちょっと大変だが、「清和県民の森」入り口の案内看板を見ればよくわかる。一度経験すると毎年遊びに来たくなるのではないかと思う。三枚目の写真左端にも、沢の中の巨岩に根付いた今が盛りの「タマアジサイ」の花を入れて撮影した。      (2015/9/6 撮影)

 

 


秋雨に打たれて

2015年09月11日 | 写真

      「ショウキズイセン」(ヒガンバナ科)と「カリガネソウ」(青いつぼみ) 

 

           「シロバナマンジュシャゲ」(ヒガンバナ科)

 

         記録的な豪雨による大災害に心が痛みます。

       心よりお見舞いを申し上げます。

 


小湊鉄道「飯給駅」(千葉県)

2015年09月08日 | 写真

 

 

 千葉県市原市五井駅と夷隅郡大多喜町上総中野駅を結ぶローカル線「小湊鉄道」は、 沿線に紅葉の名所「養老渓谷」などもあって、休日を中心に観光客やハイキング客、カメラマンなどでにぎわう。全国各地のローカル鉄道の存続のためには、鉄道会社と地元住民の長年にわたる多大な努力が払われてきたことはよく知られている。小湊鉄道に関しても、各種のイベントや各駅地元住民の環境整備などの努力が続けられている。

 一枚目、二枚目の写真右端には「飯給(いたぶ)駅」の素朴な駅舎が見える。沿線の多くの駅は無人駅だが、それらの駅では周辺の草刈などの整備や歳末イルミネーションなどの飾りつけなど、いつ訪れても鉄道利用者へのあたたかい配慮が感じられる。飯給駅などは線路脇に水田があり、田植えや稲刈りの時期、また駅のホームや線路脇の見事な桜の古木が満開になり、千葉県の県花である菜の花が咲く早春の頃などには毎日のように多くのカメラマンが集まる。

 9月に入ってからただ一日だけ雨の心配のなかった6日の日曜日に、稲刈りが始まっているのではないかと思って飯給駅まで出かけてみた。写真のように駅前の田んぼ脇には毎年地元民の協力で作るたのしい案山子が10体以上並べられる。列車が近づく時間になるとカメラマンが集まってくる。ローカル駅前稲刈り風景を撮るのが楽しみになっていると思う。残念なことにこの日は稲刈りはまだ行われていなかった。近辺の様子からするとおそらく次の週末から日曜日あたりになるかもしれない。

 


「タマアジサイ(玉紫陽花)」

2015年09月06日 | 写真

 

 

 

 「タマアジサイ(玉紫陽花)」:ユキノシタ科アジサイ属の落葉低木で樹高は1m~2m程度のものが多い。山間部の谷間や渓流沿いなど湿気の多いところに自生する。福島県南部から本州、四国、九州に分布する。一般のアジサイと比較すると花期がはっきりと異なる。タマアジサイはガクアジサイやヤマアジサイなどのごく普通に見られるアジサイより約一ヶ月遅く咲き始め、8月下旬から初秋の頃に盛りを迎える。10月に入っても花が見られることがある。

 タマアジサイの花は、開いてから見ると普通のガクアジサイとよく似た姿をしていて、薄紫色の両性花と白色の装飾花を咲かせる(写真一枚目)が、その蕾は一枚目の写真の奥に見えるような丸い形をしている。その丸いつぼみが二枚目、三枚目の写真のように徐々に開いていく途中の姿は他の種類の紫陽花とはまったく異なる。

 このようにきれいな玉のような丸い蕾が特徴であることから「玉紫陽花」という名がつけられた。

                           (2015/9/5 南房総山間部にて撮影)

 


花と昆虫

2015年09月04日 | 写真

            

 

<一枚目>:「ニチニチソウ」と「キアゲハ」

 「ニチニチソウ(日日草)」キョウチクトウ科ニチニチソウ属。露地植えでも鉢植えでもとても育てやすい花で花期も初夏から晩秋ごろまでと長く楽しめる。花の色は白、ピンク、紅色など。咲いた花は3~5日でしぼむが、盛りの時期には毎日絶え間なく新しい花を咲かせることから「日日草」の名がつけられた。

「キアゲハ」はアゲハチョウの仲間で体色が黄色がかっていることからこの名がつけられた。春から晩秋にかけてよく見かけられる。

 

<二枚目>:秋の七草があちこちで見かけられるようになってきた。特に小さな花が無数に咲く「オミナエシ(女郎花)」には昆虫がいつも群がっている。「ハナアブ(花虻)」が蜜を吸う様子はとても勢いがよくて花粉まみれになっていることが多い。


「ワタ(綿)」の花

2015年09月01日 | 写真

                   「白ワタ」の花

 

                   「青ワタ」の花

 

 「ワタ」(綿):アオイ科ワタ属の落葉低木で世界中に約40種あるといわれる。その花もいろいろで、上の写真の「白ワタ」、「青ワタ」のように一見まったく別の植物かと思われる花もある。一枚目の「白ワタ」の花は子どもの頃にもよく見かけた記憶があるが、二枚目の「青ワタ」の花はめずらしいのではないかと思う。

 ほかにも「酔芙蓉」の花のように、花の色が白からピンク色にだんだんと変化するものもある。酔芙蓉は「一日花」で、朝方白い花が夕方にかけて徐々にピンク色に染まり、やがてしぼんでしまう。ワタの場合は「二日花」で、一日目は純白で二日目にはピンク色に染まるという。

 「ワタ」は「木綿」や「植物油」の原料として古来人間の生活にはとても役に立つ植物であった。ワタの花が終わり、その実からは白い「綿毛」が顔を出してまるで初雪が降ったように一面が白くなったのを覚えている。    (千葉県佐倉市国立歴史民俗博物館付属「くらしの植物苑」にて)