牡丹の花は開き始めた時からほんのしばらくの間が見頃で、写真のようにいっぱいに開いてしまうともう終わりに近づく。牡丹園では、専門の職人さんが花がしおれてきたなくなってしまう前に剪定をしてしまうので、花の真ん中に種子が育ち大きく裂けて黒い種子が露出するまで観察することはできない。「花後の剪定」は花の少し下の部分で全部切り取ってしまう。花びらがしおれたり散ったりした後、種子が大きく露出した写真はウェブサイトで検索するとたくさん出てくるが、一見してとても不気味な姿をしている。
この写真を撮っていた時にも、近くで職人さんが咲き終わった花の剪定にとりかかっていた。花の見頃は本当に短い。春先のコブシやモクレン、桜などなど、目を楽しませてくれる花たちもあっという間に見頃が終わってしまう。ひんぱんに見に行く余裕などとてもないので、いちばんの見頃の時に写真を撮ることができればこんなにラッキーなことはないと思う。
毎年いろいろな花を撮りつづけているが、ブログにアップしたりハードディスクに長く保存する花の写真はそのうちほんのわずかだけの幸運に恵まれた瞬間の記録である。
[参考]:牡丹の品種はとても多く品種名が書いてなければまったく見分けがつかない。この白牡丹はいろいろ調べた結果では「天衣(てんい)」ではないかと思う。