たびびとの写真帳

*小さな旅の思い出写真集*

旅先・散歩中の心に残る写真が中心です。
旅の思い出・滝・風景・花の写真など。

牡丹の種子

2015年04月29日 | 写真




 牡丹の花は開き始めた時からほんのしばらくの間が見頃で、写真のようにいっぱいに開いてしまうともう終わりに近づく。牡丹園では、専門の職人さんが花がしおれてきたなくなってしまう前に剪定をしてしまうので、花の真ん中に種子が育ち大きく裂けて黒い種子が露出するまで観察することはできない。「花後の剪定」は花の少し下の部分で全部切り取ってしまう。花びらがしおれたり散ったりした後、種子が大きく露出した写真はウェブサイトで検索するとたくさん出てくるが、一見してとても不気味な姿をしている。

  この写真を撮っていた時にも、近くで職人さんが咲き終わった花の剪定にとりかかっていた。花の見頃は本当に短い。春先のコブシやモクレン、桜などなど、目を楽しませてくれる花たちもあっという間に見頃が終わってしまう。ひんぱんに見に行く余裕などとてもないので、いちばんの見頃の時に写真を撮ることができればこんなにラッキーなことはないと思う。

 毎年いろいろな花を撮りつづけているが、ブログにアップしたりハードディスクに長く保存する花の写真はそのうちほんのわずかだけの幸運に恵まれた瞬間の記録である。

 [参考]:牡丹の品種はとても多く品種名が書いてなければまったく見分けがつかない。この白牡丹はいろいろ調べた結果では「天衣(てんい)」ではないかと思う。

「濃溝洞窟の滝」 (千葉県)

2015年04月28日 | 写真









 「濃溝(のうみぞ)洞窟の滝」:千葉県君津市山あいのこの滝は、一枚目の写真のように文字どおり洞窟の中を流れ落ちている。

   実は自然の滝ではなく、房総に数多い「川廻しの滝」といわれる人工の滝で、その昔、山あいの蛇行している沢沿いの断崖に

洞窟を掘って流れをまっすぐに変えて農業・林業用地を拡張したものである。

 今ではその「滝」も周りの自然の中に溶け込んで趣ある風景として目を楽しませてくれている。

その生い立ちからして落差もスケールもそれほどではないが、毎年何度かたずねてみたくなる魅力を備えている。

 二枚目の写真は、その滝前で撮影を済ませてから沢を渡渉で下り、200m ほど下流の変化に富んだ沢の姿をスローシャッターで撮影したものである。右上の部分では勢いのある水が岩盤のくぼみから跳ね上がって、滝でいえば「ひょんぐり」のような楽しい姿を見せてくれている。実は更にこの直下ももう一段急な部分が続いている。その下まで降りていくのはとても無理なので残念だが、もし側道があっていちばん下から見上げて撮影できれば「渓流瀑」の分類で立派な「滝」になりそうだとここを訪れるたびに思ったりしている。  (2015/4/22 撮影)

 *[参考]:君津市笹の山あいのこの滝へたどりつくのは初めてだとなかなか難しい。いちばんわかりやすいのは、君津市道の駅「ふれあいパークきみつ」にナビをセットして久留里街道R24を走り、この道の駅に着けばあとはもうすぐ近くで、その約1.5km先の道の右脇に立ち寄り湯「濃溝温泉千寿の湯」の大きな看板が見えてくる。その隣の駐車場が「清水渓流広場駐車場」=「濃溝の滝」入り口駐車場となっている。よく整備された広い駐車場で、そこからは平坦な林間の道を5分も歩けばもう滝の水音が響いてくる。

  **道の駅「ふれあいパークきみつ」電話番号: 0439-39-3940

 

 

 


「豊英大滝」- II

2015年04月25日 | 写真











「豊英大滝」の岩盤は複雑な形状で流れ落ちる水の表情も変化に富んでいる。雨の後で水量が多いときはいろいろとアングルを変えて撮影を楽しむことができる。この日の水量は房総の滝の標準からすれば中程度で、広い岩盤全体に適度に水が流れていた。年間を通して露出した岩盤部分も多いので、春になると緑色の苔が目立ってきてこれもまた趣を添えてくれる。

 この滝のように三脚を立てる位置がいくらでもあり、一つの滝でもいろいろと印象の異なる写真を撮ることができるのはとてもありがたい。ただし滝下周辺はとても足元が不安定で、滑り止めブーツで気をつけて動かないと怪我をしたりカメラを壊してしまうことがある。滝下では時間を忘れて過ごすことになりけっこう長い時間撮影を続けることが多い。

 一方、滝が断崖を越えた彼方にあって展望台から撮影することもあるが、そんな場合はたくさん撮ってもどれもほとんど同じアングルの写真になってしまうので短い時間で切り上げて次の撮影場所へ向かうことになる。


「豊英大滝」 (千葉県)

2015年04月23日 | 写真

         



 「豊英(とよふさ)大滝」:久しぶりに千葉県内のお気に入りの滝を撮りにでかけた。この滝は、君津市豊英「清和県民の森」の奥深く、「房総の秘境」ともいえる山中にある。千葉県内では奥養老渓谷の「粟又の滝」とともに規模の大きな滝である。一般的に房総の滝は、雨の後でないと水量が少なく岩肌がほとんど露出していることが多い。これまでに何度も足を運んでそれはよくわかっているので、数日間雨模様の天気が続いた後にでかけてみた。

 山道を走っていると新緑がとてもきれいで、ところどころで車を止めてしばらく目を休めたくなる。この写真も、画面いっぱいに滝の姿を入れたいが季節感が出ないので、上部にまだ新緑の木の葉を入れて撮影してみた。水量がこのくらいあって新鮮な緑の葉があれば、四月の中旬ごろに雨の日の後でかけて撮影したものだということが一目でわかる。

 実はこの滝の魅力の一つ(自分だけで勝手に決めている)は、「ひょんぐり」(滝の水が上にはね上がっている部分がある)が見られることである。全国にそれほど数は多くないが「ひょんぐり滝」としてよく知られる滝があるが、この滝の場合はそれがとても小さくておそらくだれも気付かない、あるいはそうは思わない程度の「ひょんぐり」が最上部(木の葉の間)に見られる。自分だけでそう決めて楽しんでいるのだが、それを「強調」するために、いつも二段になっている滝の中段に上がり、上の大きな滝つぼに落ちないように気をつけながらこの真横のポイントで三脚を立てて撮影している。

 房総南部の山あいは「ヒル(蛭)の宝庫」としてよく知られていて、夏場は「山ビル」がとても多い。5月ごろから10月ごろまでは、山に入るときには十分に注意しなければいけない。といっても簡単には防げないので特に用事がない場合は近づかないほうが無難だと思う。

 そういうわけで、この滝の写真を撮りにでかけるのは毎年新緑の頃と晩秋の紅葉の頃である。                                      (2015/4/18 撮影)


春のカメラ散歩

2015年04月21日 | 日記



   孟宗竹林の中にタケノコ(筍)発見。奥に見える青い花は「ツルニチニチソウ(蔓日日草)」。




 
 「ムベ」の花。アケビ科でよく似た実をつけるがアケビのようには裂けない。ともに食用になる。





 「一輪草」:「二輪草」と違い花茎が一本だけだがよく似ている。青い花は「タチツボスミレ」。





 「オキナグサ(翁草)」:「幻の山野草」といわれ絶滅危惧種。花後の綿毛が老人の頭のように
  見えることからこの名がつけられた。キンポウゲ科。九州・四国・本州に分布する。




  
 「イカリソウ(碇草)」:花びらの形が船の碇のように見えることからこの名がつけられた。
  濃淡紫色の花が多いが、白に近い色の花やまれに黄花も見かけることがある。

一面の芝桜 (千葉市)

2015年04月17日 | 写真








                  写真撮影:2015/4/16


 千葉市若葉区富田町「都市農業交流センター」の広大な敷地の中で、春になると一面の鮮やかな芝桜を楽しむことができる。千葉県内では市原市にあるテーマパーク「ドイツ村」の芝桜がよく知られているが、この富田町の芝桜は千葉市内の中心部から車で20分程度の場所にあり、4月初旬ごろから5月上旬ごろまで一般開放されている。

 芝桜広場も広い臨時駐車場も無料開放されていて、天気のよい日には平日でも多くの人が訪れている。芝桜そばの芝生広場ではシートを広げてグループや家族で軽食を楽しむ姿も多く見られる。のどかな陽春のひとときを過ごすのにありがたい場所である。

 *アクセス: やや場所がわかりにくいので、「カーナビ」利用がおすすめ。

  千葉市若葉区富田町 711-1   [電話番号]:043-226-0022        

アケビの花

2015年04月14日 | 写真



 今年もアケビの花の写真を記録できました。子どもの頃に友達や愛犬と一緒に野山を駆け回り、アケビ、キノコ、栗、など見つけるのがとても楽しみでした。

 自宅近くの植物園に一株だけアケビの木があり、毎年4月になると花が咲くのを楽しみにときどき散歩で確認しています。アケビは雌雄同株で、赤い大きな花が雌花で白い小さな花が雄花です。望遠レンズを通して見るととても魅力的な姿だといつも感心させられます。

 「アケビ(木通)」:アケビ科アケビ属の蔓性の落葉低木。日本原産で花期は4~5月。

 遊び心で雌花を二つ、木漏れ日の丸ボケの中に入れて撮影した一枚。
                    2015/4/12(日) 撮影 千葉市都市緑化植物園にて

「ムスカリ」の花満開

2015年04月12日 | 写真










 千葉市中心部でJR千葉駅北口から徒歩15分程度のところに位置する千葉公園付近にムスカリの群生地がある。千葉公園体育館の向かいの林の中といえばわかりやすい。まるで林の中に青いじゅうたんが敷き詰められたようで美しい。毎年4月になるとカメラを持った人が多く集まる。

「ムスカリ」:ヒヤシンス科(あるいはユリ科)ムスカリ属の多年草。草丈は10-30cm。花期3-5月。地中海沿岸から西南アジアに約40種が分布する球根植物で白花もある。

 花の姿がブドウの房をさかさまにした形に似ていることから、英名では「ブドウヒヤシンス grape hyacinth」という。
 
   *花言葉:「夢にかける思い」「気品」「悲嘆」など。

ふと足が止まって

2015年04月09日 | 写真

         



 去る4月4日の日曜日、東京都内新宿御苑での撮影会で苑内を歩き回っていたとき、ふと散策路脇の古木の節穴の中に咲いているスミレをみつけて立ち止まり、何枚か撮影した中の一枚。

 自然にここに住みついたのか・・・それともどなたかが植え付けたものなのか・・・

  どちらにしてもとても居心地がよさそうで・・・

 気持ちのやすらぐひとときでした。    (**写真のスミレは「タチツボスミレ」)


思い出の写真⑤ 「足跡」

2015年04月07日 | 写真





 時々蔵出しで思い出の写真をアップしています。去る1月25日に、栃木県那須塩原市ハンターマウンテン塩原スキー場で初滑りを楽しみ、翌日奥日光で雪景色を撮影するため車を走らせました。予想外に雪が少なかったのですが、「竜頭の滝」中間部より上には残雪が多くおもしろい景色が広がっていました。

 この写真は竜頭の滝中間部の激流の真ん中に巨岩がせりだし、そのために水流が二股に分かれている部分になります。右側が上流です。その巨岩の上には大量の雪が積もっていて、ふと見ると・・・なんとそこには小動物の足跡が点々と残されていました。足跡は左上から右端へ向かい、そこで引き返して戻っていったように続いています。

 想像をめぐらすと、その小動物は水が飲みたくて激しい水音が響くこの滝へ近づき、思う存分水が飲みたかったのでしょう。しかしその流れはおそろしく激しくて岩の上から水辺へ身を乗り出してもとても届きそうになく恐怖心もあってしょんぼりとあきらめて引き返したのではないでしょうか・・・。

 帰宅してからしばらくは、この足跡を残した動物の正体をつきとめようとしてウェブサイトなどで「小動物の足跡」のページを次々に徹底的に調べてみました。どうしてもはっきりとはわかりません。ただひとつ、きわめて近い足跡は見つけました。その特徴は、足跡がほぼ一直線になっていることです。どうやら一直線の足跡を残す小動物は、キツネの仲間のようでした。でも正解かどうかはわかりません。

 スキー場でリフトの上からしばしば見つける足跡はウサギのものだとすぐにわかるのですが・・・これはそう簡単ではありませんでした。楽しい思い出です。

花筏 (東京・千鳥ヶ淵)

2015年04月05日 | 写真





 2015/4/4(土): 東京都内で撮影会があり、千代田区の桜の名所「千鳥ヶ淵」へ向かった。都内でも人気の高い桜の名所ということはよく知っていたが、不思議なことにまだ一度もでかけたことがなかった。ソメイヨシノが満開になったとたんに天候が悪化し、前日の3日はまるで台風のような強風が吹き荒れた。「花散らし」にしてはあまりに早すぎる。せめて今日5日の日曜日まではゆっくり花見を楽しみたかったのに・・・。さらに週間天気予報では今週前半は広く雨模様で、火曜日からしばらくは冬に逆戻りのような寒さになりそうだ。

 昨日だけは雨は降らずにすんで幸いだったが、風は冷たく今にも雨になりそうな空模様は一日続いた。武道館ではA大学の入学式が行われていて千鳥ヶ淵までの道は身動きできないほどの混雑ぶりだった。千鳥ヶ淵公園はそれでも花見客でにぎわっていた。桜は前日までの強風でかなり散ってはいたが、まだあちこちにきれいに咲いている場所もあった。

 「花筏」で特に有名な千鳥ヶ淵だけあって、水面にはまるでピンクのじゅうたんのように花びらが浮かび、風に吹かれてきれいな模様を描いていた。撮影場所を確保し、ねらいを定めた位置にボートが入るのをじっと待ってシャッターを切った。曇り空で日差しがなかったのが残念だが、なんとか初訪問の場所での記録写真を残すことができた。

スミレの花

2015年04月02日 | 写真








 「スミレ(菫)」: 日本に約60種が自生している。それらの変種も何十種もあり、細かく考えると何百種類ものスミレがあることになる。もっとも多く見かけられるのは「タチツボスミレ」の仲間だといわれるが、他の種でも似通っていてなかなか正確に見分けるのは難しい。

 野辺の小道の脇にひっそりと咲くその姿は、いつ見てもこの上なく愛らしく心をひかれる。

  <花言葉>: 「思慮」 「思い」 「奥ゆかしさ」 「控えめな美しさ」など。

      
   「春の野に 菫つみにと 来し我そ  野をなつかしみ 一夜寝にける」 山部赤人 

   「山路きて なにやらゆかし 菫草」  松尾芭蕉  
                                            ( 2015/4/2 撮影 )