内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

ストラスブール初仕事始め

2014-09-01 15:54:32 | 雑感

 今日がストラスブール大に赴任して初めての仕事始め。日本語の責任者として関わる学部の新入生向け全体オリエンテーションに前任者と共に出席する。この学部は、二つの外国語を並行して同じレベルで学ぶことを原則とする学部で、フランス各地の大学に同様な学部あるいは学科がある。それらの共通名称は、 « Langues étrangères appliquées »、略称 « LEA »である。日本の大学には同様の趣旨の学部がないので日本語には訳しにくいのだが、カリキュラムの中身を考えれば、「実践外国語学部」とでもなろうか。学部卒業後に仕事にすぐに役立つ言語学習とそれに伴う必要知識の習得というのがその主たる目的である。
 前任校では、二〇〇六年の英語・日本語コースの開設準備からその責任者に任命され、八年間ずっとその役職にあったので、上記のようなLEAの基本的な方針はすでによくわかっている。前任校では、英語+スペイン語/ドイツ語/日本語/中国語の四つのコースがあるだけだったが、ストラスブール大では、英語あるいはドイツ語+十の言語のコースがある。英語・日本語コースは多くの日本語初級者を受け入れるので、日本語の授業は他の言語の倍の時間数の履修が必修とされている。
 というわけで、またしてもLEA英語・日本語コースの責任者になってしまったわけである。同コースの学生数は三学年合わせて約百数十名、前任校より若干少ないくらいだろうか。しかし、私にとって両校での立場の決定的な違いは、前任校では、八年間の間に日本語関係の授業はすべて担当したことがある(日本経済についてのテキストも読みました)のに対して、ストラスブール大では、このセクションの授業はまったく担当しなくていいということである。どうしてそういうことになるかというと、日本語の授業は他の先生たちの担当で、私が講義を担当する日本古代史、日本文学史(上代・中古・中世)は、に日本学科日本語専修コース(Langues, littératures et civilisations étrangères=LLCE)の学生たちのみに開講されているからである(こちらは三学年で二百名ほど)。
 LEAの運営には英語・日本語コースの責任者として関わるが、授業は一切担当しないというこのような特殊な立場は、日本現代文学が専門の前任者である現学科長にとっても同じだった。このような立場だと、実際の学科運営に関わる負担も前任校に比べれば格段に少ない(はずである)ので、それだけ自分の担当する講義と自分の研究に集中することができるわけで、それだけでも私には有難いことだと今のところは思っているが、果たしで蓋を開けてみるとどうなるか、それはこれからの「お楽しみ」である。











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