内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

なんとか無事にたどり着いた大晦日にプラトンの『クリトン』を読む

2021-12-31 15:24:52 | 雑感

 今年も、無事にというか、やっとというか、もうというか、大晦日を迎えました。今年もまた世界中コロナ禍の一年ではありましたが、個人的には比較的平穏に過ごすことができた一年でした。昨年同様、今年も風邪一つ引かずにずっと健康でいられたことはほんとうに幸いなことでした。
 今年の四月までの約十一年間、年間二百数十回通い続けてきた水泳でしたが、通っていたプールがかなり混むようになり、モチベーションが下がって休みがちになってしまいました。これではいかんと五月十五日から一日一時間ほどのウォーキングを始め、それが七月からはジョギングになり、今日までの七ヶ月半、二百三十一日間で運動を休んだのは五日だけ、十月十七日から今日までの七十六日間は連続運動記録(うちウォーキングは七回のみ)を更新中です。ここまでジョギングにはまるとは、始めたときには自分でもまったく想像できませんでした。この間の総走行距離は優に2000キロを超えています。
 おかげで、体脂肪率は、五月には18%台だったのが、今日の計測では11,6%まで下がり、週間平均でも12%台をキープできるようになりました。体組成計のその他の数値もすべてきわめて良好で、このことだけでも、いいことのあった一年だと言うことができます。来年も、なにはともあれ、走り続けたい、そう単純に願っております。
 今年最後の読書はプラトンの『クリトン』となりました。きっかけは、「忠義」(角川ソフィア文庫版では「忠誠」と訳されているが)がテーマとなっている渡戸稲造の『武士道』第九章 The Duty of Loyalty に『クリトン』からの引用があるからです。皮肉を込めて言えば、新渡戸の牽強付会は、この箇所に限ったことではなく、『武士道』の至るところでそれこそ確信犯的に実行されており、それをいちいち批判しても不毛なだけので止めておきますが、『クリトン』そのものを再読するきっかけを与えてはくれたことには感謝したいと思います。
 忠義あるいは忠誠については、別途注意深い考察を要しますが、『クリトン』に表明されている正義に基づいた遵法精神といわゆる日本的忠義あるいは忠誠とはまったく別物で、新渡戸も実はそのことに気づいていたことが同章の終わりまで読むとわかります。それはともかく、今年の「締め」はプラトンの味読と相成りました。
 皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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