内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

常に輝く陽の光 ― 説教「高貴なる人について」(二)

2016-08-30 11:00:34 | 読游摘録

 「高貴なる人について」の中で離脱の経験と魂の解放作業とを説明するための神の像の第二の暗喩は、第一の暗喩での神の現前の恒常性を引き継ぐ形で導入される。それは恒常的に輝く太陽である。たとえ眼はいつもそれを知覚しないとしてもである。

Le soleil luit sans interruption, cependant, quand un nuage ou un brouillard s’interpose entre nous et le soleil, nous ne voyons pas sa lumière. De même quand l’œil est faible, malade ou voilé, il ne perçoit pas la lumière (Maître Eckhart, Traités, traduction et introduction de Jean Ancelet-Hustache, Éditions du Seuil, 1971, p. 147).

 つまり、人が必ずしも陽の光を見ないのは、眼と太陽との間に入り込んでくる外的障害のせいか、あるいは、眼それ自身の弱さか病による。いかなる場合でも、太陽そのものを非難してはならない。
 魂の解放のための離脱は、それゆえ、魂と神との間に入り込んでくるすべてのものを、外部世界においても内面世界においても、消滅させることである。























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