内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

明日より編みはじめる「ことばの花筐」(私家版撰文集)

2024-08-05 14:54:29 | 雑感

 一時帰国のたびに日本語の書籍を買いこんでは重量制限ぎりぎりまでスーツケースに詰め込み、それでも積み残しが出たときは国際スピード郵便で送るということ長年繰り返してきました。しかし、今回の帰国では最小限の購入にとどめました。研究教育上の必要の有無にかかわらずどうしても紙版で読みたい本、研究教育上すぐに必要とされ紙版しかない本、この二つの基準いずれかを満たし、かつ二つのスーツケースの重量制限内に余裕で収まる程度、言い換えると、二つ同時に難なく引いて歩ける程度までとしました。
 このような重量規制を自主的に課すことにしたのは、帰国前、何語であれ今後本は極力購入しないと決心したからです。現在の蔵書だけで読む本に死ぬまで困らないと、甚だ遅まきながら悟った次第であります。新規購入本のなかに新しい発見を求め続けるよりも(それはそれで尽きせぬ楽しみではありましょうけれど)、すでに手元にある本でまだ読んでいない本、ただ時の必要に応じて部分的に読んだだけの本、斜め読みしただけでいつかちゃんと読もうと思っている本、すでに読んだがまたじっくりと読み直したい本などだけで、もう一生困らないだけの本は所有しているのです。
 それらの本の読書記録をこのブログに記していこうと思います。ただ、書評めいたものを書こうとすれば余計な力が肩にはいってしまうし時間もかかりましょう。それではきっと長続きしないと思われます。自分の身丈に合った続けやすい形を少し思案してみましたが、よいアイデアが浮かぶわけでもなく、印象に残った一節を摘録し、それに一言コメントを加えるという、この上なく在り来りの撰文形式がよかろうという無難な結論に至りました。
 というわけで、「ことばの花筐」と題して明日から不定期で私撰アンソロジーを蝸牛の歩みのごとくゆるやかに編んでいきます。趣味ですから急ぐ理由はまったくありません。撰文基準は特に設けず、ただその日読んだ本から印象に残ったことばを摘んでいきます。ただ、小家の庭いじりの域を出ないとはいえ、同じ本からの摘録が何日も続くと選ぶ当人も読んでくださる方々も飽きてしまうことでしょう。そこは適宜少なくとも目先を変えるくらいの工夫はするつもりでいます。といっても、選ぶご本人の生来の狭量と偏愛は如何ともし難く、種尽きれば、以て瞑すべし、です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿