内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

国際交流のためのお金の使い方について

2023-06-26 23:59:59 | 雑感

 ストラスブール大学は日本の二十数大学と交流提携を結んでいる。毎年それらの提携校にこちらの学生たちを一年間の交換留学プログラムの枠組みの中で多数送り出している。私自身が国際交流担当教員として今年受け持っている日本への留学生は十六名。この八月で一年のプログラムが終了し、多くの留学生は九月から修士課程に進学する。
 日本の提携大学はそれぞれに充実した交換留学プログラムをもっており、留学した学生たちからは概ねきわめて好評である。それだけ各大学の担当者たちが尽力しているということだ。こちらとしては感謝のほかはない。
 他方、国際交流にこれまであまり力を入れてこなかった、あるいは出遅れている日本の大学もある。そんな大学を対象に短期の日本研修企画に対して国がお金を出すプログラムがある。例によって諸方に迷惑がかからないように詳細は省くが、プログラムとしてどこまで意味があるのか疑問であるし、こういうプログラムに援助を申請しなくてはならない大学の国際交流のセクションは概して脆弱で付け焼き刃的であることが多い。
 日本の文化・社会・技術等について外国の大学生たちに今以上に広く深く持続的な関心を持ってもらいたいのなら、そして、それらの若者たちの中から将来日本で長く働きたいと思う人たちが多数出てくるようにしたいのなら、上記プログラムのような金をばらまくだけの安易な施策ではなく、やるべきことはほかにある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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