内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

ラ・ボルド病院訪問記(1)

2024-04-02 23:59:59 | 雑感

 昨日午後、日本からいらっしゃったM先生ご夫妻とオーステルリッツ駅で合流し、4時16分発のTERでロワール地方の古都ブロアに向かった。復活祭の連休最終日ということとそれゆえに本数が通常より少なかったこともあったのか、電車はほぼ満席であった。
 定刻の午後5時49分に到着。駅には、ラ・ボルド病院(Clinique de la Borde)の医師L先生と一昨年からブロワにお住まいのT先生が迎えに来てくださった。明日も病院でお目にかかるT先生とは簡単な挨拶を交わしただけでお別れし、L先生の車でご自宅に向かった。30分ほどの道のりの間、ロワール地方のなだらかな美しい風景を嘆賞した。
 先生のご自宅は、Cheverny という村にあり、病院まで車で15分くらいのところに位置し、周囲にはブドウ畑が広がり、すぐご近所にはロワール地方最小の可愛らしいお城がある。樹齢数十年から百年を超える木々に囲まれた広大な敷地の中に、その最も古い部分はルネッサンス期に作られたご自宅はある。ここに5泊6日3人でお世話になる。こうしてブログの記事を投稿できていることからわかるように、先生宅で問題なくWIFIに接続できた。
 今日は朝食後10時過ぎに先生の車で病院へと向かった。今回の旅の目的は、精神医療の世界でその名を世界に知られた病院をM先生ご夫妻が見学することであり、私は通訳として同行した。この同行の話が決まったのは1月末で、そらから病院について俄勉強をはじめたら、私自身この病院の運営のされ方とそれを基礎づけている創立者の思想に強く引きつけられてしまった。残念ながらさして「予習」をする時間はなかったのだが、見学初日である今日、豊かな緑に包まれた5ヘクタールの敷地の中に点在する各建物(病棟という言葉は相応しくない)を自由に見学し、医療スタッフ、ケア・スタッフ、患者さんたちと言葉を交わし、いくつかの会議に陪席させてもらい、それだけでとても言葉に尽くせない未曾有の経験をすることができた。
 あまりにも多くのことを今日一日で見聞きし学んだので、それらがまだ頭の中で整理できないままで、すぐに言葉にすることはできないが(それに、ただ頭の中で整理しただけのことなど大した意味は持ち得ないとわかってはいるが)、この滞在の「痕跡」をこのブログにリアルタイムで残しておきたい。