今日、「日本の文明と文化」の前期最後の授業でした。今学期全十二回の授業の内訳は、対面七回、遠隔五回。
普段通り、まず日本語ワンポイント・レッスン。前回に引き続き、本多勝一の『日本語の作文技術』から一部抜粋して、文章の書き方を学ぶ。今日は第三章「修飾の順序」の要点を示した。文の構成要素はまったく同じなのに、わかりやすい語順とそうでない語順があるのはなぜかという問題がテーマだった。学生たちも興味を持ったみたいで、いつにもまして反応が良かった。問題点をアクティブにヴィジュアル化するためにパワーポイントには毎回かなり工夫を凝らす(この準備に結構時間がかかる)。このブログでお見せできないのが残念だ。
通常の段取りでは、日本の文明・文化を理解するためのキーワードのコーナーが次に来るのだが、今日はカット。授業の最後に二週間後の試験について説明する時間を確保するためだ。本日のメイン・ディッシュのパワーポイントは、百人一首と競技かるたと『ちはやふる -結び-』についての説明。その後、この映画の後半を鑑賞させる。
そして、またパワーポイントに戻り、今日の課題を提示。「千年以上も前に詠まれた和歌が、今も私たちを、しかも国を超えて、感動させるのは、なぜでしょうか。」八百字以上、上限なし。締め切りは十二月二十三日、クリスマスイブの前日までとした。年内の授業と試験が終わるのが十八日金曜日。その後、落ち着いて書いてね、という「親心」である。
さて、「真打ち」の学期末試験である。あからさまにここには書けないが、超重量級の問題である。約十頁の日本語のテキストを予め読ませ、問題に答えさせる。テキストは今日与えた。問題とは、触覚と倫理との関係である。ここまで書けば、慧眼なる読者はどのテキストか、もうおわかりであろう(な~んか、上から目線で、感じ悪い言い方)。
普段の小論文と違って、長さに厳しい縛りを掛けた。千字以上千二百字以内。それ以下でも以上でも減点の対象となる。ただ長々と書けばいいというものではないからだ。決められた字数内で、どこまでバランスよく議論を展開できるかが問われる。辞書その他すべて持ち込み可。インターネットで検索したっていい。そんなことをしても、二時間でまともな答案が書けるような甘っちょろい問題ではないのだ。今日から二週間、与えられたテキストをしっかり読み込み、自分の頭で考え抜き、自分の意見を論理的に展開できるようになっていなければ、合格点は到底望めない。
学生諸君、この取り組みがい十二分の課題と試験問題が君たちへのちょっと早めのクリスマス・プレゼントです。どうか受け取って欲しい。