内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

遠隔授業開始前のリラックス・タイム

2020-11-24 20:43:28 | 講義の余白から

 遠隔授業に全面的に移行してから、この月曜日で四週間目に入った。もうほぼ間違いなく、ノエルの休暇までこのままだ。年明け一月四日以降の二週間が前期末の試験週間になるが、その期間についても、教室での試験が可能なのかどうか、まったく予断を許さない(今年三月以降、それ以前には考えられない頻度でこの表現を使っている)。
 先のことはわからない。それはいつでもそうだ。でも、今回ばかりは、「そのうちなんとかなるだろう」とは誰も言えない。いや、必ず「どうにか」なるには違いない。どうにもならないということは論理的にあり得ない。ただ、その「どうにか」の中身について、まったく想像ができない。
 こんな話はつまらない。わかっている。独りぼそぼそ呟いても無意味だ。もうやめる。
 遠隔になってから、毎回授業開始時間前にZOOMの機能を一応チェックしている。複数のPCを同時に起動し、一台をホストにし、他をモニターにして画面共有(特に音声の共有)に問題がないが確認している。
 ある日、授業開始一時間前にその作業をしていたら、思いがけず、学生が一人、「教室」に入ってきた(原則、学生たちがいつ入ってきてもいいように「待合室」は設けていない)。「先生、おはようございます」とチャットで挨拶してくる。「おはよう。早いね。まだ授業開始まで一時間もあるよ」と返す。「接続のチェックのためにアクセスしたら、教室が開いていたので、入ってしまいました。」「かまわないよ。このままいてもいいし、授業開始時間にまた戻ってきてもいい。」
 その学生が接続したままなので、それではと、YouTube で見つけた日本の紅葉の4K動画などを流しっぱなしにしておいた。すると、その学生が同じクラスの他の学生たちに連絡したのであろう、何人か授業前に「教室」に入ってきた。
 そこで思いついた。いつもこうしておけば皆早めに「教室」に来るのではないかと。当たりであった。先週はジブリ・シリーズ。ある学生から「先生、授業前にジブリを流すのは反則です」とリアクション。「まあ、そう言わずに。授業前にリラックスして、授業開始と同時に集中してね。」
 昨日月曜日には、Perfume のThe Best “P Cubed” を流していたら、授業開始二十分くらいに入ってきた学生が「先生はほんとうに普段から Perfume を聴いたりするのですか」と聞いてくるから、「大ファンだよ」と返事したら、「そんなところで先生と共通点があるとは驚きです」と返してきた。
 かくして、授業はいつもちょっとほぐれた雰囲気で定刻きっかりに始まるのである。