「貴方は右手、私は左手。」
セピの親友の言葉です。恩師とちょっと違うか?いや、恩師だな。
彼女は中学2年の時に、帰国子女として私の学校に転校してきました。
9月1日。
それが私と彼女が出会った日。そして二人だけのアニバーサリー。
当時あまりに排他的な私が、彼女を一目見て、彼女は私の親友となるべき人だと確信しました。というか、彼女に対して何も感じないでいることは出来ないと思いました。
まだ自己紹介もしてない。
ただ教壇に佇む彼女を見ただけで。
私と彼女は全然性格が違います。
私は(かなり)おおらか。彼女は実は繊細。
共通の趣味はあるとは言えど、考え方も今までの人生も、180度違うといってもいい。
それでも彼女といると、違う鐘の音が絶妙なハーモニーを奏でるように、ぴたりと合わさってひとつの音楽を作っているような・・・そんな気持ちにさせてくれます。
初めて会った時から、彼女は私にとって唯一無二の人でした。
そして「運命」や「奇跡」があるんだと信じさせてくれたのも、彼女です。
まるでプロポーズをするように、私達はきっとずっとこの友情を築いていくんだね、と確信を持って彼女が言ってくれた言葉。
あの時の風景も、香りも、彼女の笑顔も、全部克明に思い出せる。
そんな言葉を言ってくれる人と出会えたことを、本当に幸せだと感じました。
そんな彼女も、今年結婚します。
繋がれていた彼女の左手は、今大切な男性に導かれて、家族という幸福の中へ飛び込もうとしています。
一抹の寂しさを感じながらも、でも私は多分彼女と同じくらい喜んでいます。
私の右手はいつだって彼女を求めているし(その手を取ってくれる誰かが現れるまで)
例え、違う場所で違う人と違う生活を築いても、私達はやっぱり繋がっている。
いつだって9月1日は、私達二人だけのアニバーサリーなのです。