
私の知る君の 一体どれくらいが真実なんだろうか
もし全てが本当だとして
それが氷山の一角ならば 一体どこまで
踏み込むことが許されるのであろうか
嘘をつくという技術は 真実をぼやけさせる
心を偽る為に嘘をつき
心を守る為に嘘をつき
心に防波堤を作る為に嘘をつく
全てを理解してあげたいと 望んでいるのではない
ただそこに 確かにある苦しみの輪郭をなぞり
ほんの少しでも安らぎとなりたいだけ
もし触れてもいいと 言ってくれるのであれば
でもきっと 本当に手を差し伸べてもらいたいのは自分自身
辛さから目を逸らす為に 他人の苦しみに身を投ずる
そして感じる痛みは 私の痛みではないと
自らに言い聞かせている
でもじゃあどうしたいのと言われたら
言葉につまってしまう
私の真実こそがぼやけているのか
それとも ぼやけた真実でいたいのか
そうして思いはループを描き
始まりへと戻っていく