「戯言の部屋」

セピアス、戯言を語るの間

逝く年 生く年

2006-12-31 23:16:33 | Weblog

 お久しぶりです。セピアスです。
 今年も僅か1時間となりました。
 2006年は、自分の夢に対しては大変いい年でした。仕事が色々変わったり、なんだかんだはちゃめちゃしましたが、大切なことを学び大きく一歩前進出来た年であると胸を張って言えます。
 恋愛面では・・・激動の年でしたね。
 毎月なんらかあったやうな。
 12月も例にもれず。31日まで激動です。
 
 さて、来年は?
 いい年であって欲しいです。
 メンタル面でちょっと後ろ向き気味ですが、前向きに新しい年を迎えたい。
 ま、でも毎年の如く、波乱万丈となるでせう(;´Д`)y─┛~~ムッハ~

 プロバイダーから1月1日にサーバー設定変更しないと止まる、という通達を頂き設定変更しようとしたが、どう見ても説明と同じ設定にすでになっている。
 が、もしかしたら1月1日に止まるかも・・・しょえ~~~~。
 というわけで、31日は小説をUPする予定でしたがご挨拶に変更。
 1月1日にサーバーがきちんと接続されていたら、改めてご挨拶&小説をUP致しませう。

 戯言の部屋にいらっしゃって下さる皆々様。
 ありがとうございます。
 ゼピー共々感謝感激です。
 よいお年をお迎え下さいませ。
 戯言並びに企画モノ、来年こそはちゃんとやる(予定)なので、来年も宜しくお願い致します。

 皆様の上に沢山の幸福が降りそそぐ年となりますやうに・・・・。
 

夜の帳に沈むをんな

2006-12-26 00:08:27 | Weblog


 最近またゾロ夜遊びした病が・・・(汗)
 お洒落なレストランでのディナーでもいいし、ショットバーで酒をかっ食らってもいい。
 スパイシーなアジア料理でホットになってもいいし、クレイジーなクラブでクールな時を過ごすのもいい。
 とにかく。
 美味しいものを食べて、夜をじっと見つめたい。

 別に、精神的に不安定になってるとかぢゃないです。
 単に金が無いだけ。
 セピは金がないと、贅沢したくなるという困った習癖があります。
 貧乏な時に「たらふく食いたい」と想い、いざたらふく食べられるようになると「ん~また今度でいいや」と思う、まるで『山粥』のやうな困ったちゃんなのです。
 ほら、アレと同じですよ。
 試験前だってのに、なんでか漫画とか読んでしまうみたいな。
 ・・・・ちょっと違うか(微笑)

 幸か不幸か。
 明日から1月1日まで、飲み会ラッシュです
 望むと望まざるとに関わらず、毎日飲み会です。
 いやあ。たった5日間で、一体何人の人に「久しぶり~」と言うことになるんだか。
 忘年会シーズンですからねえ。
 今年一年にあったイヤンなことは、全て酒に流しましょう。
 もとい、水に流しましょう。

 飲み会幹事、忘年会場所を探していますが・・・。
 難しい。
 私の参加時間が分からないから難しい
 仕事が何時に終わるか不明なんです・゜・(ノД`)・゜・
 遅い時間になるならいっそ、二次会コースにした方が遥かに割安。
 しかも参加者(男性陣)はオールがいいとか仰るし。
 次の日も飲み会予定のセピには、辛いばかりです。

 でも、また演出バカな店をいくつか発見w
 これは是非とも行かねばね
 近いうちにレポート致しますよん♪


慟哭(ショートショートショート)

2006-12-24 23:49:48 | ショートショートショート


 街灯が燈る頃には、寒さが一段と増していた。
 物売り達の掛け声と、ベルの音。
 露天は暖かそうな蒸気をあげて、蒸しパンやらトウモロコシやら栗やらを売っている。
 とりどりのイルミネーションを施された町並みが、今日という日を祝う華々しい夜。

 足先から這い上がるようなこの寒さの中では、溜息も吐息も同じに見える。

 足早に過ぎていく雑踏。手を繋ぐカップル。数人の女子高生が、零れるような笑顔を浮かべている。
 軽やかに響く聖歌の音。
 例え信仰なぞなくとも、その美しさは目を楽しませてくれる。
 道端でサンタの格好をした人が、遠慮がちに煙草を吸う姿すら微笑ましく見える夜。

 振り仰ぐ空。くすんだ闇を見上げながら、そっと瞳を閉じた。

 今日という日だけは、きっと人は優しい気持ちになれるのかもしれない。
 暖かい火に包まれて、ささやかに贅沢なディナーをつつきながら。
 目が合えば微笑あい、触れれば指を絡める。
 そして、優しく軽いキスを交わす夜。

 悴んだ指は、どんなに息を吹きかけても、赤く痛むばかり。

 おもちゃ箱をひっくり返したような灯と光の洪水は、きっと不幸などどこにも見当たらないような美しさなのだろう。
 部屋の明かりの数だけドラマがあるように。
 沢山の喜びが息を潜めているように見えるのだろう。
 どのショウィンドウの中にも雪景色があり、どの店の中にも黄金色の星が光る夜。

 立ち止まる。どうして、と呟く。それは誰かに。そして私に。

 雪が降れば、きっとこの街はさらに美しく映えるのだろう。
 精妙な雪に抱かれた街は、その輪郭を真っ白くぼかしてゆく。
 無垢な白銀は全ての音を吸い込んで、淑やかに世界を浄化してゆく。
 そして沈黙の深さだけ身を寄せ合い、抱きあって心を温めあう夜。

 私の目から零れ落ちた雫が、頬で躊躇いがちに氷になった。

 どうして。
 どうしてこんなにも独りなのだろう。
 私を大切に想ってくれる人もいるし、私が大切に想う人もいるのに。
 いつも寂しさは、ひたひたと忍び寄って背中から覆いかぶさってくる。
 どんなにどんなに声高に叫んでも誰にも気付いてもらえないような、そんな絶望的な孤独に冒されてしまう。
 いっそこの命を絶ってしまおうかと、乱暴なことすら考える。
 救われたいのに。
 助けを求めることは、まるで他力本願に思えて萎縮する。
 救われたいのに。
 助けてくれる人はどこにもいない。
 助けて欲しい人がいるのに。
 彼は私の不幸に気付かない。

 駅へと向かう人々の群れの中で、密やかにギターを掻き鳴らす少年を見つける。
 祝福の灯を燈す今日という夜に、彼が歌うのは失われた愛の詩。
 彷徨う人もいるのだ。
 幸せを見失って、ただ痛みのままに慟哭するしかないそんな夜。

 後ろ手を振った彼の、奇麗な後姿が瞼に浮かんで、佇みながら私は泣き続けた。
 この夜の帳があまりに濃密なので、ほんの少し窒息しそうになりながら。
 いつまでもいつまでも泣き続けていた。


呼び出し

2006-12-21 23:41:48 | Weblog


 昔営業時代の頃。
 2日続けて成績を上げられなかったりすると、所長に呼び出され部屋の隅で
「お前、本当に大丈夫なのか」だとか「明日どうするつもりなんだ」とかイキナリ「来週から出張に逝け」とか。そんな恐ろしい言葉をかけられることがありました。
 私はその恐怖の説教タイムが死ぬほど嫌いで、全然関係ない用件で所長に「ちょっと」と声をかけられ部屋の隅を指されただけで、条件反射のように胃がキリキリと痛んだものです。
 で。
 昨日、今の会社の上司に呼び出し。
 応接室にて炎の説教となりました。
 曰く、
「優先順位が分かってないし、質問をしすぎている。もうちょっと改善してくれ。」
とのこと。
 優先順位・・・。
 わかってないのは確かなんですが・・・。
 っていうか。
 分かるか~~~~い!!∑( ̄皿 ̄;; ンガァーーー!!!

 今私は現在大きく5つの項目に別れた仕事をしてます。
 手貸/証貸/当専/商手/その他。ここが基礎です。
 さらに上記それぞれ、実行/内入/継続/回収/調達/割引/新規/解約等々作業があるわけです。
 皆みな操作方法が違う上に、それぞれにおいて必要書類があり、また必要書類の扱い方も違うわけです。ざっと計算しただけで、40種類~50種類の作業を覚えていかなければいけないわけで。
 似ていたり、全然違っていたり、作業毎にある「必要情報の取得」があったり・・・。
 とにかく整理するのが難しい
 ま、だからこそ、自分で自分の作業が心配で、人に聞きまくるわけです。
 さらに言えば、○月○日に処理をすると契約されたもので、先日付で出来るものと出来ないものとある。
 だから「優先順位」が生じるわけで。
 先日付で出来るものは、どんどん先にやっていかないといけないんですね。
 例えば明日処理をするものの準備より、明後日処理日で先日付で出来るものの方が優先なわけです。
 そういうことが、全然分からず、ただもう今日と明日のことでテンパイになっていました
 多分、金融の世界のセンスみたいなものが全然ない(当たり前だ。経験がないんだから。)ってのもありますが、この世界のルールっていうのを知るのに思った以上に時間がかかっているようです。

 で、あんまり辛くて、今日仕事中にこっそり泣いてしまいました

 いやー。
 仕事が出来ないのが辛くて泣いたなんて、営業以来ですなあ。
 でも泣いて分かりました。
 自分で思った以上に、ストレスが溜まっていたことに。
 泣いた後、物凄くスッキリして肩の力がいい感じに抜けました。
 理屈を知る・理解することが出来ても、仕事の感覚を身につけるにはどうしたって時間がかかる。
 不安に思っても「とにかくやっちゃえ!」と思うしかないのだな、とね。
 マニュアルを見たいけど、見てはいけない(←見すぎと怒られた)し、物凄い膨大な量(と今の段階で感じている)の知識は全然整理出来てないけど。
 やるしかないんですよね。本当、それっきゃない。
 
 ま、一応上司も「やる気は感じるんだけど・・・空回りしてるんだよなあ」と、やる気はかって下さってるので(空回りのところは聞こえないフリフリ)
 今現在の残り契約期間2ケ月の間に、成長していかんとね。
 でも先月意味不明だった商手と当専が、今はマニュアルなしで出来るし。
 半日かかっていたものが1時間で終わるし。
 来月の半ば頃には、今躓いているものがスイスイ出来るようになるでしょう。
 それで遅いのかもしれませんが・・・ま、やるだけやってみましょう。

 そんな、1日でした。
 年末・・・・。
 もしくは年明けあたり・・・。

 浪漫逃避行したいよう~~~~(←超溜まっている)


世にも奇妙な物語

2006-12-18 23:29:29 | Weblog


「世にも奇妙な物語」
 実は何気に好きなんです。
 昔の「世にも奇妙な物語」の方が面白かったような気がするなあ。
 もうず~~~っと特番でしかしないですよね。で、絶対ちょっとコミカルな話&怖い話&ちょっとイイ話の組み合わせなんですよね。
 怖いっても、何だかその・・・冴えがないっていうか。
 セピが昔の話を思い出し、ちょっと「これはいい!」と思った話をピックアップ。
 ビデオやDVDに収録されているか分かりませんが、見る機会があったら見てみて下さい。

○いい話
1位 嘘八百屋
 確か主演は西村知美。
 あるお店にやってきて「嘘を売って下さい」と言うところから物語は始まります。
 で、これまた店主がいかにも老獪なおじいさんでして。
 鷹揚に笑って、嘘を売ってくれるわけです。
 で、場面変わってホテルのラウンジ。
 西村知美が、男性に「好きな人が出来たの。だから別れましょう」と言うんです。
 その時のですねー、真摯な西村知美の表情がいい!
 
ぐっときます。
 確か、不倫相手かなんかだったような(曖昧)
 で、西村知美はラウンジを飛び出して街を歩くんですが、その時に雨が降るんですね。
 で、店のおじいさんが
「嘘をついても大丈夫。雨が降れば、雨がついた嘘を洗い流してくれる。」
と言ったことを思い出すわけです。
 雨がやみ、濡れた顔で見上げると、空に虹がかかっている。
 少し切なそうに、でもほっとした表情で西村知美が笑う・・・・そんな話でした。
 なんかねえ、凄く心に残るいい話でした。

2位 おじいちゃんの恋文
 孫の名前と年齢で文通していたおじいちゃんが、いきなり文通相手に「逢いたい」と言われてどうにか若返ろうと頑張る話。
 鏡の前で、ジーパンをむりくり履いてピースをして、「こんなんぢゃ駄目だああああ!」と落ち込む姿が、物凄く可笑しい。
 で、どんなに頑張っても駄目だから、しょうがなく自分は老人なんだよーんと告白しようと思った矢先に、事故にあってしまい自分の肉体は意識不明なんだけど心は孫の体に宿るんですよね。
 で、文通相手と楽しく過ごすんです。
 帰ってきて、おじいちゃんの心は自分の肉体に戻り、天に召される。
 場面変わって文通相手の女の子。
 今日は楽しかったな・・・という顔で部屋に座り、ふっと顔を上げる。
 そのまま俯いた時に、なんと老婆になっている
 そう、文通相手も孫の名前と年齢で文通していて、今日という日に心が孫の体に宿っていたのです。
 で、彼女も同じく幸せそうな微笑を浮かべたまま、天に召されるという話です。
 これもマタ、心に切なく楽しく残るいい話でした。

○怖い話
1位 見たら最期
 これはヤバい。
 本当にヤバい。
 多分、今まで見た怖い映画やドラマの中でも一番怖かったかも。
 いやあ、有り得ない。思い出しただけでも、鳥肌がたってきます。
 日本人形の撮影をしていたクルー達が、撮影を終えて映像チェックしていたら奇妙な少女が映っていることに気付くんです。で、その映像をチェックしたクルー達や、農家のおばさんとか、次々死んでいくっていう話なんですけど。
 もう素晴らしいのが演出ですね。
 特に主人公の二人が、慌てて車に乗るラストシーン。
 ハンパじゃない怖さです。
 でまたこれはですねー、ストーリーテラーのタモリがいい味出してるんですよ。
「これであのビデオを見た人間は全て死んでしまったのだから、安心なんでしょうか」
とタモリがプロデューサーに聴くんです。で、プロデューサーが
「いやどれぐらいの単位の人間が見ているのか見当もつかない」
と応えるんですね。
 ってか、それって・・・・視聴者の私達のことすか!?
 いやー。怖かった。ぜひ見られるものなら見て頂きたい。

2位 急患
「世にも奇妙な物語」でこれをやって、数年後にリメイクのような形で映画「感染」が上映されました。
 でも、個人的にこちらの「急患」の方が遥かに怖いと思います。
 時間が短い分、一体何がなんだか分からないのですが、その分からない感じが「混乱の中にひたひたと忍び寄る恐怖感」を倍増させていて、見ていて背筋が寒くなってくるんです。
 主役は近藤マッチ。
 佐野史郎の駄目医者ぶりもいい感じです。
 通常では絶対考えられない「急患」なんだな、というのが一度も件の患者を映さずに演出しているのが、またゴイスーw
 やっぱりホラーは、演出勝ちってのが大きいと思うんですよねえ。


 私の好きなホラー作家、高橋克彦の作品も存外放送されているんですよね。「幽霊屋敷」とか。
 後、私の好きな監督岩井俊二の作品とかも何気にあるんですよね。「ルナティックラブ」とか。
「世にも奇妙な物語」の続編みたいな感じで「if もしも」って番組があったんですけど、こちらにも岩井俊二監督の作品「打ち上げ花火見るか?横から見るか?」ってのがやってましたねえ。
 こういう単発ドラマに岩井俊二監督を使うのって、物凄~く贅沢な気がする。

 また1話から順番に見ていきたいなあ。
 絶対忘れちゃっていた名作ってのが、あると思うんですよねえ。 


暮れゆく街(ショートショートショート)

2006-12-17 01:30:28 | ショートショートショート


 唐突に、私は愛を失ってしまったことを感じた。
 それは夕暮れのカフェテラス。
 彼といつものように早めの夕食をとっている時だった。
 数日続いた雨が止み、空は雲ひとつなく晴れ渡っていた。
 テーブルのパエリアはまだ十分に暖かく、夕日を浴びたサフランライスは艶々と黄金色に輝いていた。 降り始めた夕闇にランタンが淡く滲み、食事をとる人々の談笑する声がたおやかな時間を醸している黄昏時。
 どこからどう見ても、完璧な夕食だった。
 なのに。
 一陣の風が砂の城を崩壊させるように、私の心の中から愛が消えてしまった。
 私は混乱し、戸惑い、心を落ち着けように深く深呼吸した。
 テーブルの上のワインを飲み、注意深く心の闇をまさぐってみる。
 暗闇の中で手の伸ばし、どこかにあるだろう暖かな血脈を探してみる。
 二人の出会い、幸福なランチ、密やかな眼差し、果たされなかった約束、果たされた約束の喜び、初めてキスを交わした時に肩越しに見えた、瑞々しい空の色―――――。
 記憶は何一つ、色褪せることなくそこにある。想いや光や匂いまで。
 手に触れてその輪郭をなぞったり、抱きしめて確かな重みを感じられそうな程、鮮明に思い描くことが出来そうな程に。
 けれど。
 それらの思い出を包んでいた筈の、優しい感情だけがすっきりと抜け落ちていた。
 たまたまかもしれない。
 私は口の中で呟く。
 これは、ただの錯覚かもしれない。少し疲れていたとか。他に気がかりなことがあるせいだとか。
 そんな、一時のものかもしれない。
 胸の中にみるみる広がる暗雲を押し隠し、私は彼に明日の予定を聞こうとした。
 が。
「別れましょう。」
 実際に口をついて出たのは、自分でもぞっとするほど冷酷な響きを持つ言葉だった。
 彼はパエリアをほおばったまま硬直した。
 次に自分の皿に目を落とし、そうして上目遣いに私を見た。
「・・・・何を突然。」
「別れましょう。」
 私は、壊れた機械のように同じ言葉を繰り返した。
 雑踏が、少しだけ遠くなる。
 鼓動が、少しだけ早くなる。
 体温が、少しだけ上昇する。
 私達の間には、たっぷりとした沈黙があった。
 私達はただ見詰め合っていた。
 彼は、まるで難しい数学の問題を出されたように眉根を寄せていた。
 パエリアだけが、幸せそうに湯気を立てていた。
「つまり――――。」
 彼は落ち着こうとしてか、ゆっくりとナプキンで口元を拭った。
「この関係が嫌になったってことか。」
「そうじゃないの。」
 私は少し息を乱しながら、首を振った。
 私は、私が彼と同じくらい混乱しているということを、どうにか彼に伝えようと必死になった。
「自分でも、どうしてだか分からないの。貴方に不満があるとか、他に好きな人が出来たとか、そんな風に確かな理由があればいいのだけれど――――ただ、これ以上貴方と一緒に居られない。それだけは確かなの。」
「分からない。」
「そうよね。ごめんなさい。」
 私は小さく俯いた。
 夕空に煌く一番星のように、彼の薬指の指輪が、きらりと光っているのが見えた。
 それは、初めから決められた約束のようなもの。
 でも、別に構わなかったのだ。
 ずっと好きだったから。
 私を抱きよせ彼の腕に包まれる時、私は確かに幸福だった。
 でも――――。
 彼と私が出会った時から、一緒にいられる時間は決められていてたのだろうか。
 自分達では手が届かないような圧倒的な力で、私達の幕引き定められていたことなのか。
 分からない。
 まるで事故のように、唐突に飛来した別れ。
 それがどれだけ彼を苦しめるか分かっているのに、私の心は恐ろしい程しんと冷えていた。
「さよなら。」
 立ち上がって、彼に最後の言葉をかける。
 彼は、ぼんやりとした眼差しでただ私を見つめていた。

 天上は、すっかりと夕闇に包まれていた。
 私は足早に町並みを歩いていく。
 途中、一度だけ振り返った。
 雑踏の中から、彼の姿が小さく見えた。
 薬指の、黄金色の煌きが見えた。
 それがあまりに美しくて、私は切なさで一杯になる。
 さよなら。
 もう一度呟いて、彼の手の届かない場所へと私は足を踏み出した―――――。


そうそう

2006-12-16 00:01:23 | Weblog


 見てきました。
 映画「SawⅢ」
 ってか、オープニングのあまりに痛い映像に五臓六腑がきゅっとなりましたとも。
 今回の映画はⅠとⅡを見てないと、最後のオチがちょっと分からないかもしれませんねえ。
 しかも、続編がなさそうな感じです。
 Sawのいいところ。
 あの構成力と「Seven」と「Cube」のアイノ子のようなストーリー、そしてラスト演出だったんですが・・・・その点ではⅢは絶望的な作品になってました(辛口)
 だってだって!
 まずストーリー。残虐性があまりに前面に出すぎている。
 残虐性を演出することに凝るあまり、ストーリーがちょっとないがしろ。
 ラスト5分のタネ明かしで「うおおおおおお!!」となるはずが、ラスト30分前からオチが分かってしまうというていたらく。
 嗚呼、もうこりゃ続編があっても劇場で見ないぞ、という出来でした。ムカぷん。
 でも、きっとDVDは買うでしょう(買うんかい)
 一緒に見に行った人は私よりスプラッタが苦手くんなので、オープニングで二人悶えてました。
 いやんな時って、人って語彙が貧弱になるんですね。
 私はずっと、「ファック」「ジーザス」「痛い痛い痛い」と呟き続けてました。
 ってか、オマイは何人だっつーの!

 今見に行きたいのは「敬愛なるベートヴェン」↓です。

 まあ、ぶっちゃ毛、ベートーヴェンの恋愛譚はどうでもいい(←シドイ)
 私が見たいのは、ラスト10分の第九です。
 第九が生まれるその過程の、ベートーヴェンの狂気的な精神力・創造力に圧倒されつつ、最後の第九を聴いて感動!間違いないって気がする。
 クラシック熱が最近なおや高まってきていることですし。
 こちらも見に行く予定でごんす~www

 そうこう言っているうちに年の瀬。
 年明けにはお正月映画ラッシュがやってきますねえ。
 今年は何があったっけ?ああ、「スパイダーマンⅢ」とか?
 これまた劇場で見てしまうんだろうなあ・・・と思う、セピなのでした~~~。


芙蓉の華(ショートショートショート)

2006-12-14 00:29:38 | ショートショートショート

 いきなりインスピレーションが湧いて出来上がった物語。
 こういう雰囲気の小説をUPすることがあまりなかったので、たまにはどうかな~~~と思いまして。
 ただ、これは「ショートショートショート」の長さぢゃねえ
 明らかに原稿用紙10枚~15枚はあんだろー、という感じ。
 でも、自分的に結構好きな色合いの世界なので、全文をそのままでなくリンクを張る形でUPすることに決めました。
 ↑の写真をクリックすると表示されます。 
 
 ではでは。
 妖しい芙蓉の世界へで~~~~すwww

トムヤムクン☆デビュー

2006-12-12 01:24:37 | 召しませ


 この前の土曜日に、かねてからの希望通りアジア飯を食べに行きました。
 セピはイタリアンであれ和食であれフレンチであれ、何でも大好きですが。
 最近「アジア飯」及び「あんまりメジャーじゃない国の飯」熱が高まっています。
 理由は簡単。
 漫画家 西原理恵子さんとライター ゲッツ板谷さんに、めっちゃハマっているから(単純)
 で。
 ど~~~~してもアジア飯が食べたくて食べに行きました。
 っても、上野アジアンキッチン
 
 めっちゃ初級編やん!(;´Д`A ```

 そこで、トムヤンクンデビューをしたのでした~w
 適当に選んだメニューでしたが・・・。
・ナシゴレン
・エビのマヨネーズ和え
・チリポテト
・トムヤンクン
 ・・・・エビ率高っ!
 いやあ、その。大好きなんです、エビが☆てへ。
 辛いのは好きだけど実はそんなに得意ではないセピですが。
 トムヤンクン、存外いけました。濃厚なスープなので、確かに辛いけど美味~い
 アジアンキッチン・・・やるなあ。

 ところで。
 ここで突撃質問。

 世界三大スープを述べよ (✿ฺ´∀`✿ฺ)ノ

 セピはず~~~~っと。
「フォン・ド・ヴォーとトムヤンクンとツバメの巣のスープ」だと思っていました。
 っていうかさ・・・・・。
 ツバメの巣のスープってのは・・・。
 単に珍味ってだけで、三大スープではないんでは???
 どこで間違えて覚えたんだ、セピよ!!orz
 っていうか、姉ちゃんの造る得体のしれないスープの方がよっぽど珍味だから!(ハリウッド映画で、死にぞこないのエイリアンの腹から出てきそうな液体でした)
 気を取り直して。
 三大スープ。
・「ブイヤベース・ポルシチ・トムヤンクン」
・「ブイヤベース・ボルシチ・ふかひれスープ」
 
の二説あるみたいですね。
 個人的には、あのふかひれのナンとも言えない「まったり感」こそ、世界に誇れる個性だと思うので、ややふかひれスープに軍配がありか!?と思いますが。
 しかして。
 もし「ブイヤベース・ポルシチ・トムヤンクン」だったら、世界三大スープを制覇したことに!キャーwww
 って、もしかして普通に生きていたらとっくに制覇しているモンですか?(照)

 次回のお食事紀行。
 ミャン飯(ミャンマー飯)かギリシャ飯と参りましょう。
 久しぶりにペルシア料理を食べにも逝きたいwww
 水煙草をくゆらせながらね。(;´Д`)zd゜゜゜ムハー


苦リス増す TwT パーティー

2006-12-09 03:42:28 | Weblog

 大手町のなんじゃら公園にて。
 ホテルから料理をチャーターして行われた、会社のクリスマスパーティ。
 ま、思った程つまらなくはなかった。
 外がよく見える席で、奇麗な噴水を堪能しつつ。
 ワインを水のように飲んでいましたが ε- (´ー`*) フッ
 やっぱり思ったとおり、料理は素晴らしかったです。
 黄金色のスープが運ばれてきた時、「ほほう、美味そうなコンソメスープw」と思いつつ飲んでみると。

 フォン・ド・ヴォーだった!(;´Д`A ```

 フレンチのフルコースだってのに。
 コンソメしか浮かばない自分の育ちの貧しさがいたたまれません(涙)

 さて。
 見事プレゼントを贈る相手に「社長」を引いたセピ。
 社長、わざわざ私に
「セピアスさんが贈ってくれたんですね。二脚も有難う御座いました。大変嬉しいです。」
と、森本レオそっくりな調子で仰った。
 すいません。多分社長のご自宅にあるワイングラスの中で一番安いワイングラスかとは思いますが、大切にしてやって下さい。お願い致します。
 で、私宛のプレゼントはというと。
 私のリクエストは「キャンドル」でした。
 今時分、ロフトだろうがハンズだろうが大中だろうが、どこにでもキャンドルなんざ売っている。
 でっかいのを買えば簡単に¥3000なんて飛ぶし、ちっちゃいのでも¥500くらいから売っているので、比較的買いやすかろうという心遣い。
 で、実際に頂いたのはコチラ↓
←左側は手袋型の袋
 このキャンドルですね、ビニールの袋に綿と一緒に入っていまして。
 申し訳ないですが、ぱっと見一瞬

 大人のおもちゃ? (☉ω☉)
 と思ってしまった自分の感性がイヤンな感じでした
 でもねえ、ちょっとそんな感じに見えるんですよう。
 マジでびっくりしましたから。
←拡大写真
 頂いておいてナンですが・・・。
 も、もうちょっとそのう・・センスのあるキャンドルを頂きたかった・・・なぁ。
 こりはその・・・なんつうか・・・。
 バクレツに不味そうなアメリカのガムの入れ物みたいぢゃないでぃすか(←シドイ)
 例えばさ、

 ↑こんな感じで色々あるじゃないでぃすか。 
 ま、まあいいわ。
 せっかく頂いたものだし。愚痴は言わんとこ(って、言ってるし)
 むしろくださった方が、よく休憩室で一緒になるが挨拶しかしたことないけどお互いに顔は見知っている方でびっくりしました。
 休憩室での私の指定席の向かいがその人の指定席で、いつも彼は寝こけているんです(笑)
 パーティの後わざわざ私の所に来て、
「これも何かの縁だと思うので、宜しくお願い致します。」
と仰った。
 いやあ。
 言いに来て下さらなかったら、一体どの人なのか分からないところでした☆
 よかった。よかった。

 ま、そんなこんななパーティでした。
 美味しかったし、奇麗だったし、予想以上に楽しかったです。
 またやってほしいなあ。

 プレゼント交換がなければね ヽ(`д´)ノケッ