「戯言の部屋」

セピアス、戯言を語るの間

何日君再来(ショートショートショート)

2007-01-30 23:48:17 | ショートショートショート

 曖昧な時間の流れに漂いながら。
 風化しそうな思い出を手繰り寄せる。
 私の手を包んでくれた、優しい温もり。
 撫ぜるように触れた、唇の熱さ。
 砕ける程抱きしめてくれた、腕の力強さ。
 ともすれば夢だったのかと思える程、それは遠い記憶となってしまっているけれど。
 それでも耳を澄ませば、あの時の言葉が鮮明に蘇る。
再見ツァイツェン。」
 はにかんだ笑顔。
 背後に広がる空の、瑞々しい蒼さまでも。
 そしてあの人は旅立った。
 私を思い出の中に置き去りにして。

 唄を歌うようになったのは何時頃だろうか。
 唄を歌い、舞を踊り、人々の喝采の中に生きる舞踊手になりたいと、そんなはっきりとした夢を描いていたわけではないけれど。
 小さい頃から、気付くと私は音楽の中にいた。
 メロディーはそこかしこに溢れていて、いつも私に寄り添ってくれていた。
 しかしこの国では、唄が歌えるということは何程のものでもない。
 春を歌い、春を売り、女達は懸命に生きていく。
 そんな街だから。
 私は今日も、白い舞台の上で唄を歌う。
 見つめる男達は唄に耳を傾けるフリをして、じっくりと品定めをする。
 しんと光る瞳は、今宵の褥にふさわしい温もりを探している。
 一時の享楽に溺れて、ひたひたと迫る現実から逃亡する為に。
 ではその享楽こそ現実である私達は、どうすればいい。
 ただ目を瞑り、耳を塞ぎ、体をいいようにされながら、暗闇の中でじっとしているしかない。
 私は暗闇の中で、あの時の言葉を思い出す。
 美しい青い空が胸いっぱいに広がれば、このやるせなさを少しでも拭いとってくれるのではないか。
 瞼に広がる空に手を伸ばし、爪先まで蒼く染めようと試みる。

「阿片はやめな。」
 番頭は、眉を上げて私を見た。
 煙管に火を点けたまま、私は彼を見下げる。
 小さい頃虚勢されたという噂の番頭は、少年のようにか細い体で、声も心なしか高い。
 とても用心棒には出来ない風体だが、その分頭はいい。
 時折ぞくっとするような、怜悧な目をする。
「阿片は、すぐに体を悪くする。」
「いいの。」
 私はちりちりと焦げる煙草と、それを覆う甘ったるい桃の香りを思い切り吸い込む。
 煙は体に沁みこみ、くらくらとした陶酔感が私を襲う。
 なぜ、生きているのかとか。
 なぜ、ここにいるのかとか。
 どうして、こんなになってしまったのかとか。
 答えの出ない疑問符が、遠く遠く霞んでいく。
 番頭は肩を竦めて、売り上げの計算を続ける。
何日君再来ホーリーツィンツァイライ。」
 小さく、口ずさむ。
 口に出した途端に、涙が零れた。
 あの頃は―――――。
 そう、あの頃はまだこんな風になるとは思っていなかった。
 黄金色に揺れる麦畑の中で、いついつもでも愛や夢を語っていけると信じていた。
 山の頂に雲がかかる時、その黎明な風情に心を震わせ、雨が降れば沸き立つ土の香に酔いしれる。
 ただ自分が自分であることを、信じて疑わなかったあの日々。
 それが今は、こんなにも遠い場所に来てしまった。
 物理的にも、倫理的にも。
 再び会いたくても、もう彼には会えない。
 会うことは出来ない。
 あの頃と同じ笑顔は出来ない。私の笑顔は、ただただ男達を誘う為の笑顔に堕落してしまった。
 膝を抱えてぽろぽろと涙を流す私を、番頭は何も言わずに見守っていた。
 事情も聞かず、言葉もかけず、ただ見つめていてくれる彼の優しさが嬉しかった。
夜香華イエライシャン!」
 その時、奥から私を呼ぶ声がした。
 きっと、客が来たのだろう。
 客がきたと分かるやいなや、嘘のように涙がひいていく。
 哀しみも苦しみも、艶やかな微笑みさえ、生きる為には使い分けなければいけない。
 阿片でふらつく足を踏みしめながら、私は立ち上がり身づくろいをした。
 夜はまだまだ、これから。
 これから、始まるのだ。
 せめて昂然と顔を上げて、歩いていかなければ。
 崩れた化粧を手早く直し、私は魔窟へと身を浸していく。

「再見ツァイツェン。」
 ふと鈴が鳴るような声がして、私ははっと振り返った。
 偽者の絹のベールの向こうに、涼やかな眼差が私を見つめている。
 小さな机に座った彼の姿が、私の心にずしりと響いた。
 壊れたレコードの音が消える。
 女達の嬌声が消える。
 男達のドラ声が消える。
 霞む視界の中で、どうしてこんなにも彼だけがくっきりとして見えるのか。
 棚引く絹布の奥に鎮座する、少年の体を持つ彼。
 蒼く澄み渡った空のように、瑞々しい彼の眼差し。
 そんなはずはない。
 そんなはずはない。
 そんなはずはないのに。
 私は息をするのも忘れて、彼と見詰め合っていた。
 遠くで、私の名を呼ぶ声がする。
 行かなければいけないと思いながら、私の体は金縛りにあったように動けなかった。
 私達は、ただただ見詰め合っていた。
 極彩色の布の波に漂いながら。
 儚く苦い、昔の夢に酔いしれながら。
 ただただ、見詰め合うことしか出来なかった。 

観劇に感激

2007-01-27 23:50:27 | Weblog

 最近寝るのがとみに早くて、一週間近く更新をサボってしまったセピです。
 本日は、中華街に行って参りましたのでそのレポートなんぞをねw
 さて。
 今回の中華街のポイント
・屋台のぶたまんを食べる
・屋台の焼き焼売を食べる
梅肉ソースの骨つき鶏唐揚げを食べる
 ・・・食べてばっか(´з`)~♪
 最近の読書本が鴨志田譲の『アジアパー伝』シリーズばかりなもんで、「安く」「大衆くさい」「美味い」ものが食べたくって仕方ないのだす。
 だもんで今回は山下公園とか外人墓地とか、おされ~なところはショートカット。
 あくまで中華街にこだわって。
 美味いものを食べ、わき腹にくるようなお馬鹿☆なものを探すことがテーマでございました(その姿勢がすでにお馬鹿☆)

 ちょうど昼ごろについたので、まずは飯。
 中華街には、意外にも屋台がのし。
 以前クリスマスに来た時には、けっこうそこかしこに屋台があったんですがねぇ。
 そのかわり、そこかしこに店頭販売でぶたまんが売ってました。
 手作りの味が堪能出来る、でかいぶたまん¥330ナリ。
 はふはふ言いながらそれを食べつつ。
 けいこ姫の後輩くんがオススメのおかゆ屋「謝甜記」にGo。

 私がぶたかゆ、友人が牛もつがゆ、そして念願の骨つき鶏唐揚げ梅肉ソースwwwww
 かゆも美味かったのですが、なによりこの唐揚げ。

 人も殺せる美味さdeath (@∀@)

 からっと揚げた衣のぱりぱり感と、むっちりとした鶏肉だけでもイケるのに、全然酸っぱくないがコクがある梅肉ソースと相俟って、ジューシーでさっぱりとした一品に仕上がっています。
 ううう。書いているだけで、思い出しよだれが・・・。
 店の見た目小汚い食堂みたいな感じなんですが、20分近く行列に並んで待ったかいがありました。
 心の中で「好!好!」(←中国語で、意味は「素晴らしい!」)、と叫んでました
「いやあ~美味しかったねえ」
 
なんて友達と言い合いながら店を出て、店の入り口に置いてあったダンボール。


 レトルトかよっっっ 

 その後中華街をうろうろうろ。
 私のたっての希望により、京劇を観劇することとなりました。
 私、中国の古文書大好きなのです。
 で、中国の古文書の物語を劇にした、京劇も大好きなのですぅぅ!!
 今回横浜大世界というところで30分の京劇を見ました。
 ま、30分しかないので一幕一場くらいしか演ってくれないのですが。
 でもですね~~~演目が、大好きな『白蛇伝』
 これは蛇の化身の姉妹の物語で、姉の方が人間に恋をし夫婦となりますが、いろいろな邪魔が入りなかなか添い遂げることが出来ず、艱難辛苦の末に幸せになるという物語です。
 姉の白素貞の旦那が騙されて毒を飲み、彼を助ける為に白素貞が霊芝を取りに山に登り、そこで山護りの仙童と戦います。
 今回はその戦闘シーンのみでした。
←白素貞
 この『白蛇伝』は、白素貞の「何があっても負けない」という健気さに打たれる物語でもあり。
 基本京劇は男性のみなので、「美青年」が演じるということもあり。
 昔から人気の演目であります。
 この白素貞は大変やる気のない演技で、いい感じにシュールな戦いでした(皮肉)
 ちょっと心の中で「好」とは言えませんでしたが(笑)
 むしろ仙童の人の演技が素晴らしい。
 キレがあり、スピードがあり、指先まで神経を使った演技でした。

 そんな観劇に感激した一日。
 やっぱり中華街はいい。何時間でもいられる気がする。
 参拝もして、がっつり金儲けの神様にもお祈りしましたし。
 思い残すことはない・・・・はず。

 焼き焼売、忘れてた!(@д@)アイヤー

雪の街(ショートショートショート)

2007-01-21 09:19:57 | ショートショートショート

 その街は、不思議な静寂に満たされた街だった。
 一歩足を踏み入れると、まるで鼓膜が溶けてしまったんじゃないかと思えるような、奥深い静けさに抱かれる。
 それはこの街が、しんしんと降り積もる雪ですっぽりと覆われているからだろうか。
 見上げる空は、いつも灰色に染められているか、闇に沈んでいた。
 そして小さな宝石のような結晶が、絶え間なく舞い降りてくる。
 誰もが足を止めて、その幽玄な情景にはっと魅せられる。

 この街にきて五日たった。
 私は五日間、ずっと同じ酒場に通っていた。
 酒場といっても、小ぶりなテーブルがいくつかと、申し訳程度のカウンターのある小さな小さな酒場だった。カウンターの木目は、沢山の人の油と煙草の脂で黒ずんでしまっている。それでもちゃんと磨きこまれ、きちんと手入れがされているのが伺えた。
 この店はいつも、物静かな初老のマスターがいるきりだった。
 私はおなじみになっているカウンターの一番奥の席に座り、目の前の暖炉を見ながら安いウィスキーを飲んでいた。
 他に客は誰もいない。
 暖炉の木が爆ぜる音、マスターが食器を拭く規則的な音、コップにウィスキーを注ぐ音。
 ここにはそれしかない。
 それだけで、まるで十年来の行き着けの店のように居心地が良かった。
 黙って酒を飲みながら、私はいつも厳粛なピアノの調べに身を任せるように、たおやかな沈黙の中に沈んでいくのだった。

「この街は、いつも雪が降っている。」
 ふと、私の口から言葉が零れ落ちた。
 この街には数回しか来てないが、いつもいつも街は雪に埋もれている。
「この街では、季節は冬しかないんです。」
 それまで黙っていたマスターが、機械のように動く手さばきはそのままに、顔だけこちらに向けて微笑んだ。笑うと目元に優しい皺が刻まれて、彼の暖かい人柄を表すような笑顔になる。
「春も秋も夏もないんですか。」
「ええ。」
 彼は小さく頷いた。
 首元の蝶ネクタイが苦しそうに皺に埋もれる。
「この街には、冬しかありません。それは、この街で人が死ぬと、雪が降るからです。」
「雪が降る?」
「ええ。」
 彼は顔を上げて、窓の外を見やった。
 つられて私も外を見る。
 しんとした闇は墨を溶かしたように真っ黒で、その中をふわりふわりと純白の雪を落ちてくる。
 ずっと見つめていると、むしろ自分が空へと登っていくような錯覚が起きる。
「昨日、街外れのご隠居が亡くなりました。死因は老衰。棺の中の彼は、うっすらと笑みを浮かべていました。」
「・・・・・。」
「彼はいつも穏やかに微笑みながら、辛いことも苦しいこともこつこつと乗り越えてきたのでしょう。いつもどこか伏目がちに俯きながら、この店で一杯のビールを飲んでいかれるのが好きでした。」
「・・・・・。」
「心の清い方でした。」
「・・・・・。」
「だから、今日の雪は殊更こんなにも清々として美しいのです。」
 マスターの話を聞きながら、私は目を閉じて祭壇に置かれた棺を思い描いていた。
 それはがっしりとした造りの白い棺の中で、中に小さな老人の体が横たえられている。
 胸の前で重ね合わせた手の平は、きっとこれ以上はないという程深い深い皺が刻まれている。
 街中の人が手向ける百合や薔薇の中で、静かに閉じた瞼の薄さ。しんと冷えた頬。まだ温もりを感じられそうなほど、唇だけが鮮やかに紅い。
 口の端をほんの少し上げて、老人は悠久の眠りにつく。
 それはまるで、お腹一杯になった子供のような満たされた笑顔で、葬列者達は「いい死に顔だ。」と頷きあい、生前の彼の人柄を褒め称える。
 弔いの鐘が、凍った空気の中をどこまでもどこまでの鳴り響いてゆく。
 雪景色の中に連なる葬列が、淡く霞んで見える。
 しっとりと沈むような風景もまた、舞い散る雪に埋もれていく。
「私達は、自分の行く末を知っています。」
 マスターは、きゅっきゅっと力を込めてグラスを磨く。
 彼の手は小さく、細いグラスの中まで器用に指を使って磨き上げる。
「誰もが、美しい雪になってこの街をすっぽりと覆うのです。音もなく、ひんやりとした小さな氷の結晶になって、この街の静かな営みを見守るのです。」
 暖炉で、また一つ木が爆ぜた。
 柊の燃える、精妙な香りが店一杯に広がる。
 店には、たっぷりとした沈黙で満たされていた。
 しかしそれは決して気まずいものではなく、むしろ心がほっこりと暖かくなるような、傷ついた心をそっと両手で温めるような優しさに満たされた沈黙だった。
 氷がぶつかり合い、カランと音を立てた。
 燃ゆる暖炉の火があんまりに暖かいので、私は胸が一杯になってグラスの酒をぐっと煽った。
「ずっと・・・ずっと旅をしています。」
 私の言葉を聴いているのかいないのか。
 マスターは何も言わず、グラスを磨いている。
「数年前、私は自分の娘を亡くしました。」
 彼は真摯な瞳でグラスを見つめ、僅かな曇りも逃すまいと磨き続ける。
 その姿にむしろ背押されて、私は安心して次の言葉を繋げた。
「通り魔の殺人です。ナイフで一突きされ、娘は悲鳴を上げる間もなく道端で息絶えました。まだ、十六歳です。これからあんなことしたいこんなことしたいと沢山の夢を思い描き、未来の可能性に瞳を輝かせている年頃です。」
 グラスから落ちた雫が、テーブルの上に小さな水溜りを作っている。
 私はそこに指先を浸して、浅く目を閉じた。
「なぜ、死ぬのが娘だったのか。なぜ、娘が見も知らない男に殺されなければならなかったのか。私はどうしても分からないのです。そりゃ、完璧な娘ではありませんでした。でも法に触れるような、人様に迷惑がかかるようなことは、一度もしたことがありません。明るくて朗らかで、友達も沢山いて、とても素直ないい子でした。」
 自分の手のひらが、小刻みに震えるのが見えた。
「あんなにいい子が、誰に助けを求めることもなく、黒く冷えた路上で死んでいったんです。お腹に刺されたナイフを抜くことも出来ず、段々と体が冷えていくのを感じながら、一人ぼっちで死んでいったんです。」
 マスターは磨き終わったグラスを棚に置いて、再び窓の外を見つめた。
 外には、相変わらずしんしんと雪が降っていた。
 それは小さな窓を埋め尽くさんとするように、後から後から降っていた。
「そんな残酷なことが、なぜ起こるのか。何がいけなくて、どうすればよかったのか。私はどうしても分かりませんでした。赤黒く淀んだ時間の中で私は、まるで悪夢の中で彷徨っているような気がしました。あのまま普通の生活を続けることなど、とても出来ませんでした。そして、混乱した頭を抱えたまま旅に出たのです。」
 パチパチと大きな音を立てて、薪の山が崩れ落ち、火の粉がぱっと中空を舞った。
 マスターはじっと窓の外を見ていた。
 灰皿に置かれた煙草の煙が、所在無げに煙を棚引かせる―――――。
「神さまに、愛される子供だったんですね。」
 ぽつりと、マスターが呟いた。
 え、と私はそちらに目を向ける。
 マスターは、目を細めて雪の軌跡を見つめていた。
 雪の向こうにある、何かを目を凝らして見つめていた。
「お嬢さんはきっと・・・神さまに、愛されすぎてしまった子供だったんですね。」
 マスターの静かな声が、ゆっくりと私の心の底に落ちていった。
 それは雪のように純白に煌きながら舞い落ちて、私の胸の奥にある小さな小さな泉に、ほんのささやかな波紋がもたらした。
 それは暖かな波となって私を包み込み、抑えようもない力で私を押し流していく。
 ずっと閉ざしていた扉が開かれ、私の中にやっと、静かな静かな哀しみの感情が満たされていくのを感じていた。
「私達は自分の行く末を知っています。誰もが、美しい雪になってこの街をすっぽりと覆うのです。貴方にもきっと、感じることが出来るでしょう。雪の中に、愛しい人の思いを見つけることが出来るでしょう。」
 しわがれたマスターの言葉を聞きながら、窓の外の白銀の世界に目を細めた。
 ひとつひとつの結晶が、つやつやと輝き広い海原を造り出す。
 罪も不幸も哀しみも喜びも、全てを浄化する美しさで。
 そこに、私は高い笑い声を聞いたような気がした。
 まだあどけない、未完成で青く透き通った笑い声。
 それは耳鳴りのように、私の耳にいつまでもいつまでも響き渡っていた。
 私は頬を濡らしながら、じっと耳を澄ましていた―――――。

派遣に求める人間性

2007-01-18 23:09:51 | Weblog


 私が一番初めに入社した会社は、派遣社員がいませんでした。
 二番目に入社した会社では、とてもフレンドリーで楽しい派遣社員の方がいて、今でも時々お酒を飲みに行ったりします。
 三番目に入社した会社は、殆どが学生かバンドマンでした。
 派遣社員という感じがあまりしない。
 でも仕事意識は高く、むしろ皆で頑張んないと会社がいい加減なので乗り切っていけないよね、な感じでした。彼等とも今でもご飯を食べに行ったり、悩みを相談しあったり、いい友達です。
 さて。
 現在の会社は派遣社員として入社。
 まあ、当たり前といえば当たり前ですが、派遣社員は派遣会社と契約をしているわけで、派遣元と契約をしているわけではない。
 決まった条件で決まった賃金で仕事をするわけです。
 契約社員は、その会社自体と契約するわけなので、大分会社の都合に左右されるところがありますが、派遣社員はその点寧ろ左右されてはいけない。契約条件以上のことは、基本的には「いけないこと」なのです。
 そして、時給が高い分かなりのレベルの仕事を要求されます。
 通常の社員のように「育てつつ使える人材にする」というスタンスで雇っているわけではなく、「すぐに使える人材」として雇っているわけで。たとえ「未経験者」であろうとも、社員の2倍3倍の成長スピードが要求されます。
 と、セピは認識しております。
 で、 殆ど派遣の経験がない私でしたので、入社後、今までの会社との違いに吃驚しました。
 まず、個人的な人間関係を築くような機会がない。
 仕事の終わる時間はマチマチですし、何しろ今まで一緒に仕事をしたことがないくらい、真っ直ぐ正直な性格の先輩方ばかり(←これは派遣に限らず。たまたまそういう会社だった)。
 腹黒い私には、ちょっと様々な発言やらブラックジョークを控えないといけないくらいです(笑)
 例えば飲みに行ったり、ご飯を食べにいくってことがまったくない。
 それは社員の方に対してもそうで、仕事時間以外に話したりご飯を食べるってことが皆無。
 
 で、先日かなり重要な問題が勃発しました。
 それは、営業の外回りの仕事をフォローする女性スタッフが起こしたミスで、かなり遅い時間になって発覚。大問題となり、上司が青くなって対応に努めていました。
 といっても、私達派遣社員には何も出来ないもので、仕事はすべて終わり時刻は定時をとっくに過ぎた時間でした。
 私は先輩に
「帰ってもいいんですかね~?」
と聞き、先輩が
「いいんじゃない?」
と言い、で二人とも帰りました。
 翌日。
 上司が朝礼ミーティングで
「二人とも、同じ課で問題が起こっているのに先に帰るってのはないだろう。」
と怒られました。
「帰るなとは言わないけど、皆で助け合ってフォローしあいながら仕事を進めていこうっていつも言っているでしょう。私は私というスタンスでいる人とは一緒に仕事が出来ないと思う。」
とのこと。
 むむ~どうでしょう。
 上司の言いたいことは分かる。
 チームプレイとしての助け合いの精神や、課で起こった問題はたとえ自分が起こしたものでなくとも、自分の問題として捉えよ、ということはよく分かる。
 これが社員や契約社員なら帰りませんでした。
 しかし派遣社員で、契約上の時間を超えていて、且つ仕事が終わっている状態で、果たして帰らざるべきなのか?
 そこに「上司が頑張っているから、せめて私もここにいよう。」という人間性を求めてもいいものか?
 多分、人それぞれの価値観によると思います。
 しかし、シビアに契約上での問題とすると、帰ることは間違いではないと思うのです。
 それを非難する権利は派遣元にはない。
 ただ、そこで帰ることで人間関係が難しくなる可能性は大いにある。
 何を選択するか、職場でどういうスタンスでありたいか、ということによるのでしょうね。

 今まで、「人間関係も含めて給料をもらっているので、自分が居心地のいい人間関係を築くことも仕事のうち」と考えてきましたが。
 派遣というのは、そういう人間関係を「仕事上不都合が生じない程度」で構わないものなのです。
 それ以上は、個々人の判断に委ねられる。
 で、職場での深い人間的な付き合いが時間的にも条件的にも難しい上に、「高いレベルの仕事をしてもらう為にここに来てるんだからね。ただ仕事するだけなら、パートでいいんだから。」という言い方をする上司。
 しかも、仕事で19時過ぎると(ちなみに定時は16時40分)「早く帰れ」と言われる。
 どこか、矛盾があるように思いませんか?
 派遣会社としてのプロ意識と契約の徹底を求める一方で、「問題が起きた時は、たとえ自分の問題じゃなくとも時間が定時をすぎていても、せめて見守る気持ちを持て」というのは、あまりに都合がいいのでは?

 この話を友人にした時の、彼の返答。
「その上司、単に『大変ですね。頑張って下さい。』って言ってもらいたかっただけなんじゃないの?」

 そ こ か よ !! ガ━━(゜Д゜;)━━ン!
  


嵐の前の静けさ

2007-01-16 23:31:21 | Weblog

 今月ないし来月にかけて。
 沢山の戦争が勃発します(草の根レベル)
 戦闘的なのは好まないセピとしては、大変面倒。
 しかししょうがない。
「男には、戦うべき時がある」(by明日のジョー)
 ・・・アタシ、女だったわ(汗)

Warning Warその1
 前の職場から源泉徴収が来ない~~~~!!
 確か確定申告は来月か再来月。
 どーすればいいのやら。
 ったく、いーかげんなんだから。
 だから潰れるんだあああ!!(╬◣д◢)ムキー!!

Warning Warその2
 12月頭。
 携帯の電源の減りが異様に速いので、ショップに持っていきました。
 1週間後、基盤をとっかえてもらうも直らず。
 12月21日再度持ち込み。
 年明けショップに行ってみるも、まだ直ってないとのこと。
 そして本日までショップから連絡が来ず。
 イラついて本日特攻しました。
 で、ショップの店員さん曰く、
「メーカーは『バッテリーに問題はないので、基盤を変えました。』とのことでした。本日メーカーがこちらの店舗に発送したそうです。」
ですって。
 は!?( ゜Д゜)ポカーン
 何を言うとんのじゃ、ワレ?
 基盤を変えたけど直らなかったんでしょーが。
「メーカーは『環境や使いかたによっても電池の減りが早くなります。』と言ってました。」
とショップの店員とどめのヒトコト。
 おいおい。
 朝電車に乗るまでに5分。
 昼休み中10分の利用で、会社出るころに電池が使い切っている状態なんですけど?
 一体どのような悪環境なんだー!!
 しかも代替機の方、なんの問題もなく使えているし。
「確かに環境や使い方によって電池の減りが違うでしょうが、僅か15分の利用で使い切るっていうのは有り得ないでしょう。当てはまりませんよ。」
と、私にしてはキツイ言い方で反論。
「そうなりますと、機種変更か同じ機種のものにお取替えとなります。でも、こちらの店舗は小さいので、出来れば違う店舗にお客様の方で在庫を確認して行かれた方が・・・。」
ですって。
 アンタ、今逃げたね。 ( ̄皿 ̄)
 他の店に押し付ける気だな。
 ま。本日は、ともかく今週末には戻ってくると分かったので、一時休戦。
 今週末、大戦を起こす予定であります(勿論件の店で対決☆)

Warning Warその3
 職場の先輩との、冷たい戦争。
 とりあえず、普通に話しかける私にしかめつらするの止めてもらえないかなあ・・・。

 そんなこんなで。
 どうも1月末から2月は、嵐の悪寒・・・もとい予感がします。
 ブログで随時中継予定。
 乞う、ご期待 (;´Д`)y─┛~~ムッハ~

バトン

2007-01-13 15:59:52 | Weblog


 もうかれこれ一年近く戯言をのたまっておりますが。
 ブログでバトンを渡されたのは初めて。
 mixiの方では何度かやっているんですがねー。
 mixi暦はこのHPとほぼ同じくらい。
 というか、戯言の記事の「裏話」的なスタンスで、ゼピーがmixi日記を書いています。
「本日のささやかな不幸 orz」シリーズとか。
 実はmixiだけのオリジナルシリーズなんかもあっちゃったりして。
 興味ある人はぜひ遊びに来て下さい。
 戯言の部屋以上の戯言しか書かれてませんけど(笑)

 さて。
 今回は、蓬生さんから頂いたバトンです。
 というわけで、心をこめて「好きだけど使い道に困っていた写真」をUPw
 では行ってみますか~~~ o(☆∀☆)o

*始まりの合図 
 銅鑼の音(しかもちょっと中華風)

*身長は?
 157.3センチです。
 但し、この数値を出したのが高校生の時。
 現在伸びてるかもしれないし、縮んでいるかもしれません。

*身長に比べて体重は多いほうと思いますか?
 たいじゅうってナニ?それは食べられるもの??(´ з `)~♪

*体型はどうでしょうか?
 ぽっちゃり
 悪いか!!(逆切れ)

*髪質はどうですか?また好きな髪型は?
 コシがあって真っ黒。
 くせ毛なのでストレートあててます。
 攻殻機動隊の少佐↓みたくなりたくて前下がりボブにしたが、

 NANAの影響でみんな黒髪前下がりボブにしているので、ほんの少し世の中に納得がいかない。

*目について語ってください
 自分の目はそれほど好きではナッシング。
 でも多分、目に表情がある方ではないかと思います。

*顔についてどう思いますか?
 鼻筋だけは通ってます。
 会話に筋を通すのも好き。
 道筋はよく見失います。

*誰に似てると思いますか? 
 母親しかり。父親しかり。
 芸能人しかり。
 似ていると言われたことがありません。
 ちなみに姉と二人で買い物に行くと、店員さんに「お友達でショッピングですか~?」と言われます。
 私は一体誰の子なんだ!?
 そもそも人間の子なのか!?(多分)
 
*好きなものを沢山あげてください
 一回の記事で収まりきらなくなるので、ここは蓬生さんの書き方に習って参りましょう。
1.漫画・アニメ
 最近の流行は、西原理恵子シリーズ。
 腹黒いギャグが溜まりません。
 青年誌系では『無限の住人』とか『ベルセルク』とか『ケロロ軍曹』も好きです。
 マンガ家として好きなのは奥瀬サキ・内田春菊。
 古典系では、つげ義春。手塚治虫先生。『ブラックジャック』『火の鳥』は全巻持ってます。
 少女コミック系では、岡田あーみん(←少女コミックにあるまじきギャグ満載w)
 鈴木 志保の『船を建てる』とか・・・絵はカワイイ系でも描かれている内容のシャープさとセンスに脱帽。
 漫画だけでかなり沢山になってしまったので、アニメは割愛☆
2.小説(シリーズ)
 最近の流行はゲッツ板谷の怪人シリーズw
 東野圭吾の加賀刑事シリーズ&湯川物理学者シリーズ。
 島田荘司の御手洗潔シリーズ。
 というか、シリーズもので読んでいるのって何気にミステリーだけかも・・・。 
3.小説(作家)
 ジャンルごとに違うなあ・・・。
 まずはお約束、イムサK。
 ホラー:岩崎志摩子、高橋克彦
 エッセイ:さくらももこ
 純文学:夏目漱石、坂口安吾、芥川龍之介、太宰治(森鴎外は嫌い)
 海外作家:J.D.サリンジャー、ダニエル・キイス、リチャード・ブローティガン
4.音楽
 ワールドミュージックが好きです。
 有名なところだとEnya、bjork。
 マイナーなところだとEnigma、アディエマス。
 邦楽であれば、有名なところだと矢井田瞳や椎名林檎。
 マイナーなところだと、おおたか静流や谷山浩子ですかねぇ~。
 もう、挙げ切れません(涙)
5.海外ドラマ
 ニューコンテンツ作成w
「フルハウス」から見ているマニアです(堂々)
「ビバリーヒルズ高校白書」から始まり・・・。
 青春白書も全巻持っている馬鹿ちんです(照)
 他には「アリーmy Love」「Frends」「Sex and the City」
 最近の流行はやっぱり「CSI:マイアミ」
「マイ・ネーム・イズ・アール」や「Huff」も何気に面白い。
 さり気無くチェックしているのが「チャーリー・ジェイド」なり。

*嫌いなものを沢山あげてください
 食べ物:蕎麦(嫌いというよりアレルギー)、フルーツ。
 それ以外:傲慢な人。女性蔑視をする人種。しつこい勧誘&キャッチ。

*涙を流す(流しそうになる)ものは?
 結構いつでも、心が動かされると泣きます。

*自分の心に響いた話は?
 映画「マイ・ルーム」
 後さり気無く、「北の国から」シリーズで毎回泣いてます。
 
*一日で一番好きな時間は?
 小説を書いている時。
 妄想している時。
 わき腹にくるお笑いを見たり聞いたりした時。

*自分ってどんな人に見えると思いますか?
 明るくてフレンドリーな感じ?(でも実際は腹黒い・・・キヒヒ)

*さぁこのバトンを受け取る七レンジャー!!
赤レンジャー:七犯さん(受け取ってくれ、アツイ想いを!)
橙レンジャー:ちょっとさん(果たしてこの記事に気づくのか)
緑レンジャー:コボさん(mixiにUPで可!ウシシ)
黒レンジャー:HShChさん(だって黒って言ったら・・・)
桃レンジャー:けいこ姫さん(mixiにUP可。桃色といえばチミ)
白レンジャー:Mashaさん(mixiにUP可。スピリチュアルに応えてくれ)
青レンジャー:もういないから~。適当に転がしておきます(涙)

 存外面白いですねえ
 ありがとうございました、蓬生さん。
 近いうちに私から、返り討ち(=バトン)が来るのでご用心をww


両思いな私達

2007-01-11 23:42:45 | Weblog

 先日、親友けいこ姫から夜電話がありました。
 曰く。
「ちょっと声が聞きたくなって。」
 
 私は彼氏かよ! ヽ(´~`; ォィォィ

 しかし本当に私が男だったら、間違いなくけいこ姫にプロポーズしていることでせう。
 一応断っておきますが、私は女性に対しては完全にノンケです。
 ただなんとなく、女性を前にすると男らしくあろうとする傾向があります。
 自分の中の男性的な部分がさざめくのでせうね。
 けいこ姫とは以前、偶然知らずに同じ人を好きになったことがありました。
 その男性を巡って彼女と張り合って、彼女と私の関係に罅を入れるより、私は黙って見守る方を取りました。しかし二人が別れる頃には、私の片思いも終わっていました(苦笑)
 その彼とは全然連絡を取っていませんが、けいこ姫とはあの頃以上に親友です。
 結局、彼への恋心よりけいこ姫への愛情の方が上だったんだな、と思います。
 そんな女友達がいることが誇らしいです。

 以前にも書きましたが。
 愛情と友情は、心理学的には同じ感情だそうな。
 お互いの気持ちのベクトルが、お互いに向かっている感情だそうです。
 そして友情と恋愛感情を分かつものは、「障害」があるかどうか。
 私とけいこ姫の間には「同性」という「障害」があるため、恋愛感情に発展することはありません。
 それでも愛情という点では、きっととても深いところで繋がっていると思います。
 
 そんな女友達がいるということが、私をとても幸せにしてくれる。
 ちょっとさんといい、七犯さんといい、中学時代からの親友といい。
 私の周りにいるのは、本当にいい女ばかりです。
 彼女達の存在は、暗闇の中で私を導く光のようなもの。
 心の闇すら払いのけ、温もりと勇気を与えてくれる。
 そんじゃそこらの恋愛感情では勝ち得ない程の、深い愛情で結ばれた関係なのです(笑)

( ゜Д゜) Zoo

2007-01-09 23:10:53 | Weblog

 それは日曜日の友人との会話。
「今上野動物園にいるパンダって、何て名前だっけ?」
「トントンかフェイフェイじゃない?」(注:正解はリンリン)
 全てはこの会話から始まりました。
 実はセピ。
 生まれて初めて動物園に行ったのが大学生の時
 20歳を過ぎて初めて象を見ましたよ。
 ハナコはデカい。
 これは筆箱も潰せるね、と思ったものです(←馬鹿)
 で、成人の日を利用して。
 生まれて初めて麒麟を見やう!という計画を立てたわけです。
 いかんせん、吉祥寺動物園には麒麟がいなくて。
 本物見たことがなかったんです☆てへ。


 まずはパンダの檻にて。
「パンダってさー、ユーカリの葉しか食えないんでしょう!?(嬉々)」
 しばし沈黙する友人。
 おもむろに・・・
「ユーカリの葉しか食えないのはコアラでは?」
 パンダは笹ですからー!!
 やっぱり大人になるまで動物園に行ったことがないと、知識が混濁するネ!(言い訳)


 続きまして、コンドルの檻にて。
「歌わなきゃ!歌わなきゃ!!」
 オマイはサイモン&ガーファンクルかっつーの!


 さらに、麒麟の檻では。


 ( ゜Д゜)ポカーン

 いやあ。デカい。
 長い。
 目が優しい(というか眠そう)
 麒麟は凄いね。
 コクとキレが一段と冴え・・・ってビールかよ!


 最後のシメは・・・バクです。

 実はセピ・・・・。
 大学に入るまで・・・・。
 
バクって空想上の動物だと思っていました

 心優しい友人が、「実在するんだよ。」と教えてくれた時に思わず言った言葉。
「ええ!?奴らどうやって夢を食べるの!?」
 嗚呼。
 馬鹿丸出し・゜・(ノД`)・゜・

 そんなバクを一目見たかった。
 感動しましたねえ。
 この特徴的な顔。
 なるほど、悪しきものを嗅ぎわけ、夢を食うといわれてもおかしくないやね。
 ジュゴンよりよっぽど信憑性があるがな。

 ってな感じで、はしゃぎまくっておりました。
 子供の頃に動物園に行ったってのが殆どだと思うのですが。
 その時の感動を大人になっても忘れないって人はなかなかいないんでないかと。
 しかもメディアのお陰で、家にいながらサバンナを満喫出来る昨今。
 動物って凄いなあ!という、そんなありきたりな感動を大人になって出来た私は、とても幸せな人だと思いました。
 麒麟なんて、知識なしで初めてみたら宇宙人に見えますから~!!

 そんな、大変有意義な休日でしたw

抱負だけは豊富

2007-01-08 03:41:26 | Weblog


 皆様お久しぶりです。
 更新をサボりまくっていたセピアスです。
 年末12月29日から1月3日まで、ほぼ全日オールをやってしまいました☆
 遊びすぎだ~!!
 しかしですね、遊びすぎというよりナンだか、色々なことに巻き込まれたり悩んだりって感じの年末年始だったんです。
 だもんで、帰ってきたらバタン☆きゅう
 全然PCに触れませんでした(言い訳)

 元旦に
 
ドラマチックと
 いふことは
 その一年が
 ドラマチックと
 いふことかいな

 7・5調にまとまっちった☆ 諦 (´ー`*) 観

  ところで初詣
 皆様は行かれたのでせうか。
 よく意外と言われますが、セピは初詣行かない人です。
 別に人ごみが嫌いとかぢゃないんです。
 セピ姉とセピと、二人とも1浪しているんですけども。
 二人とも学生の時御参りして受からず、浪人の時御参りしなくて受かったから。
 なんか運気吸い取られてんじゃないの?みたいな感じで(完全に逆ギレ)なんとなーく足が遠ざかっているんですよねぇ(後はやっぱりマンドイ☆)
 大学が巫女バイトを募集していた関係上、年始はあえて「大吉」を多くするとか。そんな話聞いてしまうとですねえ、うう~んどうかなと。
 にも関わらず年始に「凶」を引いた女ですけど。

 orz

 今年は年始、久しぶり~な方にお会いできて嬉しかったです(殿の憂いを含んだ眼差しがチェクシーでしたよ~~~ノシ)
 まだまだ久しぶり~な方にお会い出来そうな1月ですわ。
 今年はネットワークが広がる年なのかもしれませんね。
「セピに紹介したい人がいる」という話がチラホラ。
 嬉しい限りです☆てへ。
 友達百人出来るまで頑張りませう(絶対無理)
 
 さて、恒例「今年のテーマ」
 今年は・・・

 今あるものを大切にする

 ですw
 今身近にいてくれる友人や、今担っている物事。
 そういう自分の「生きている財産」と呼べるものを大切にする年に致します。
 去年が冒険しすぎたので、今年はちょっとしっとり参りたいなと。
 とかいって、多分今月から波乱モリモリだと思いますけどね。
 (;´Д`)y─┛~~ ムッハ~

 では。
 頑張っていきまっしょい♪


カウントダウン(ショートショートショート)

2007-01-07 23:49:52 | ショートショートショート

 年末のカウントダウンを一緒に過ごそうと、彼女は両手一杯に食材を買い込んで現れた。
 真っ赤なマフラーが、寒さのせいで透き通るような白い頬にとてもよく似合っている。
 僕は十分に温めた部屋の中に、彼女を招き入れる。
 仄かなフレグランスの香り。
 それは、僕にとって幸せな時間の始まりの合図だった。

 世界に自分と似ている人は3人いるという。
 しかしそれは見た目だけではないのかもしれない。
 僕と彼女は出会った時から、確かな絆を感じていた。
 想うことも、感じることも、ふとした仕草さえ、僕達は似通っていた。
 まるで二つの鐘が響きあうように。
 僕達の心はぴったりと寄り添い、重なりあっている。
 例えば彼女の手に触れただけで、その時彼女の心に思い浮かんだものが僕の瞼にありありと浮かべることが出来る。
 そんな風すら、思うのだ。

 栄養士の彼女は、実はパティシエの僕より料理が上手い。
 お互い創意工夫という点では負けないが、彼女の方が数段緻密に考えられた料理を作る。
 シンプルだけど、濃厚な味わい。
 料理は掛け算だ。
 食材とスパイスを掛け合わせ、一つの芸術を作り上げる。
 この日も彼女は張り切って、僕の部屋のキッチンを占領している。
 ひらひらと動くエプロンのリボンを目で追いかけながら、僕はゆっくりとワインのコルクを抜いた。

 彼女と知り合って、ほぼ1年近く経とうとしている。
 僕等はいつも穏やかに日々を過ごしてきた。
 目が合えば微笑みあい、触れ合えば手を繋ぎ、会話の端々でキスを交わす。
 たおやかな春。小麦色に輝く夏。しっとりと夜に沈んだ秋。
 そして僕達の冬は、氷で出来た食卓を思い起こさせる。
 ミルクも、コーヒーを注ぐポットも、降りそそぐ日差しさえ。
 完璧に凍りついた、幸福な食卓。
 口の端をあげたまま凍りついた笑顔は、どんなに日差しが降りそそいでも形が崩れることはない。
 しんと冷えた、幸福な食卓。

「乾杯をしましょう。」
 出来上がった料理の前で、僕達は密やかにグラスを鳴らす。
 灯る蝋燭の炎。
 壁に揺れる二人の影。
 暖かいオレンジ色の光の中で。
 彼女は麗しく微笑む。
 丹精な料理はやはり緻密な味付けがされていて、僕は喉に詰まりそうになって水を飲む。

 彼女と僕は、昔・・・そう前世で双子だったのかもしれない。
 時折そんな風に考える。
 こんな風に価値観や物の見方が同じ人間を、僕は見たことはなかったから。
 まるで鏡を見るように。
 彼女と一緒にいると、彼女を通して僕自身を見つけることがある。
 蹲り、ぼんやりと虚空を見つけている小さな僕。
 その一瞬僕と彼女の境界線を見失い、僕ははっとする。
 目の前にいる彼女に触れて、そこにいるのが確かに僕ではないと確かめずにはいられなくなる。

 美味しい夕食の後。
 おもむろに彼女は、小さな箱を取り出した。
「プレゼント。」
 少し、はにかんだ笑顔で僕に差し出す。
 時計は、午後11時45分を指していた。
「プレゼント?何で?」
「いいから!」
 彼女はにこにこと笑って頬杖をつく。
 僕も笑いながら、真っ赤なリボンを解いた。
 真っ白い箱の中に眠っていたもの。
 それは黒く鈍い油脂的な光を放つもの。
 その凶暴なフォルムに、僕の笑顔が凍りつく。
 彼女の変わらない笑顔があんまり幸福そうなので、僕は悪い夢を見ているような気持ちになった。
「これは・・・。」
 ごくりと、喉を鳴らず。
 震える指先に、冷たい感触が這い上がってくる。
「トカレフ。」
 愛らしい唇が、無邪気に言葉を奏でた。
「そのトカレフで、死んでくれない?」

 どうして・・・・。
 僕の胸の中で、疑問符がくるくると円を描いている。
 それは暗い闇に、はらはらと降り積もってゆく。
 足跡のない、どこまでも続く純白の雪原。
 驚きが潮が引くように消え去った後に残されたのは、そんなしんと冷えた時間だった。
「分かっているでしょう。」
 彼女は、ゆっくりとワインを煽った。
 紅い唇から、ほうっと重い溜息が零れる。
「貴方のことはとても好きよ。こんなに分かり合える人は、きっと誰もいない。心からそう思うの。」
 潤んだ瞳が、優しく僕と包んでいく。
「でも私達はあんまりに似すぎている・・・だから、一緒にいることは出来ないの。」
「どうして。」
 からからに渇いた喉から、低い声が漏れるのをまるで他人事のように聞いた。
 彼女は、まるで見たこともない程の慈悲深い顔をして、僕の顔を覗き込む。
「だって・・・私達はまるで鏡のように、醜いところを露にしてしまうのよ。貴方と一緒にいると、まるでずっと自分が責められているような気になるの。自分への醜さに、吐き気がしてくるの。」
 彼女の、形のよい眉が小さく歪む。
「私達の愛は、まるで憎しみ合うような愛なの。」
「君は僕に・・・。」
「だからもう、どちらかが死ぬしかないのよ。」
「死んでと望むのか・・・。」
「そうして、幸せなカタストロフを迎えられるのよ。」
「それが君の望みなのか・・・。」
 カタストロフ・・・。
 僕は俯き、手の中にあるトカレフを見つめた。
 きちんと装填されたトカレフはつやつやと輝いて、終焉を語るにこれ以上ない美しさだった。

 僕と彼女は出会った時から、確かな絆を感じていた。
 想うことも、感じることも、ふとした仕草さえ、僕達は似通っていた。
 まるで二つの鐘が響きあうように。
 僕等はいつも穏やかに日々を過ごしてきた。
 目が合えば微笑みあい、触れ合えば手を繋ぎ、会話の端々でキスを交わす。
 彼女と僕は、昔・・・そう前世で双子だったのかもしれない。
 時折そんな風に考える。
 こんな風に価値観や物の見方が同じ人間を、僕は見たことはなかったから。
 まるで鏡を見るように。
 彼女と一緒にいると、彼女を通して僕自身を見つけることがある。
 それは、汚わいを含み穢れるままに穢れた醜い姿。
 彼女の中に飼う僕は、すなわち僕自身の本質でもあった。
 僕は彼女を愛し、同時に彼女の中の僕を憎んだ。
 愛する為に一緒にいるのか、憎しみ合う為に一緒にいるのか。
 その境界はいつしか曖昧な陽炎になり、輪郭を失った想いは深く深く交じり合い、僕らを狂気へと導いていく。
「君を、愛している。」
 僕は顔を上げて、彼女にそう告げた。
 彼女は、分かっているというように小さく頷いた。
「愛していることは間違いないのに。」
 僕の背後のTVで、カウントダウンが始まる。
「それでも・・・お互いに出した結論は、同じだったんだな。」
 僕の目から、涙が零れ落ちた。
 その軌跡を目でなぞりながら、彼女ははっと自分の喉に手を当てる。
 驚く口の形のまま、彼女は僕を見た。
 僕はありったけの慈悲深い顔をして、彼女に微笑みかける。
 大丈夫。
 すぐに、楽になる。
 そういう薬を選んだから。
 愛しい君が、せめて苦しまずに逝けるように。
 彼女の形のよい繊細な指先が、ぶるぶると震えながらワイングラスを掴む。
 それは空しく手の中で砕け、彼女は大きく息を吸うようにのけぞった。
 胸をかきむしり、見開いた瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちる。
 何かを言わんとしているのか、ぱくぱくと口を動かしながら、僕に向かって手を差し伸べる。
 僕は泣きながら、彼女の額に黒い銃口を押し付けた。

 夜を振動させる銃声。
 しんしんと冷えつく無音。
 ゆっくりと棚引く硝煙。
 彼女の体をかき抱き、僕は淋しく絶叫する。

 除夜の鐘が、遠く聞こえる。
 それは始まりの音なのか。
 それとも終わりの音なのか。
 僕が殺したのは、確かに彼女だったのか。
 それとも、僕は僕自身を殺したのか。
 何もかもが混沌とした時間の中で、僕は浪々とした鐘の響きに耳を澄ませていた。
 その美しさだけは、胸に刻みつけようと瞳を閉じながら―――――。