南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

飛ぶ教室

2009-10-21 23:05:52 | 読書
心理学を学ぶある人から進められた本です。
1933年、ナチが政権をとった年に子どもたちのために、ケストナーが書いたドイツの児童文学です。
しかしドイツでは出版を禁止され、焚書の対象にされて、彼はゲシュタポに逮捕されてしまいます。
児童文学といってもむしろ現代の大人たちに読んでもらいたい本です。

舞台となるのはドイツの全寮制の学校です。
いきなりNY生まれのジョニー・トロッツ少年の可哀想な身の上話から入ります。

両親が離婚し、4歳のときジョニーは生活苦にあえぐ父親に、船の切符と10ドル札を渡されてドイツ行きの蒸気船に乗せられます。
父親は、船長に「ハンブルクでこの子のおじいちゃんとおばあちゃんが迎えに来ますからお願いします」と頼みます。
しかしハンブルクにいるはずのおじいちゃんもおばあちゃんも迎えには来ませんでした。
もう何年も前に死んでいたのです。
父親に騙された少年の悲しみは一生忘れないものとなりますが、親切な船長の養子となったジョニーは、寄宿舎でたくさんの仲間や素晴らしい先生にめぐり合って救われます。

このジョニーが主人公ではありませんが、寄宿舎を舞台に繰り広げられる人間模様に、ほんとうに心洗われる1冊でした。

好きな1節を紹介します。

「人生で大切なのは、なにが悲しいかではなく、どれくらい悲しいか、だけなのだ」

「心配するなよ。すごく幸せってわけじゃない。幸せだなんて言ったら、ウソになる。けどさ、すごく不幸でもないんだから」

飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫)
ケストナー
光文社

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八ッ場ダムが意味するもの

2009-10-20 17:35:10 | 政治

前原国交大臣がまるで弁慶のように仁王立ちでがんばっている八ッ場ダム問題。
50年かかっても出来ていないダムが、必要であるか否かは素人が考えても分かります。
もう工事は進んでいるから中止は出来ないの一点張りの理屈に、公共事業の特殊性が垣間見えます。

国家財政も危機的状況にあり、来年度の赤字国債発行は50兆円とも言われ始めました。
静岡県も来年度は620億円の財源不足に陥りそうだとの記事が朝刊にありました。
こうなってくると根本的に税金の使い方を変えていかないと、市も県も国も夕張状態になってしまいます。
それを象徴的に示しているのが八ッ場ダム問題ではないでしょうか。
ここで前原大臣が圧力に屈するならば、自民党政治との決別はできません。

政令市静岡でも様々な問題が起こりそうです。
これももう取り返しのつかないところまで進んでいる事業ですが、静岡駅前に新しく出来る再開発ビルの中につくられるという“新美術館”、費用は35億円と聞きました。
10年ほど前に駅南にあるサウスポット3階につくられたアートギャラリーを移設するとのことですが、35億かけなくとも10億円で素晴らしい芸術品を購入して、駅から15分の県立美術館に展示してもらうほうが100倍いいと思います。

東静岡駅広場にも多目的アリーナと称してグランシップに匹敵するような体育館兼展示場をつくる計画が着々と進行中とも聞きましたが、あのグランシップもある日忽然と現れました。
まるで潜水艦のような建物ですが、約700億円かかったといいます。
その外壁が剥がれ落ちているという騒ぎが起きました。
なんとその事実を5年間も県は隠していたとのこと、あきれてしまいます。
計画中に十分吟味しないとこんな羽目に陥ります。
多目的アリーナを仮に東静岡駅につくるとしたら、同様の施設であるツインメッセはどうするのでしょうか。

こんな凄まじい公共事業はそのまま放置して、民主党政権が実施する補正予算の停止に圧力をかけるような地方政治では、いくら地方分権が成ったとしても市民・県民は報われません。
税金を使う立場から、税金を払う立場に立った政治を心がけないと、有権者から見捨てられます。
自民党政治の2の舞を踏まないよう、地方議員のみなさんアンテナ高くしてお願いします。


輿石 東 参院議員来訪

2009-10-19 13:34:37 | 政治

民主党参院議員の輿石 東 氏が、連合静岡の事務所へ来ました。
民主党参院議員会長であり、小沢一郎、菅直人とともに、鳩山代表を支える三羽烏の一人です。
テレビで見る印象はずい分怖そうな感じですが、ホンモノは教師らしい理知的な感じのする方でした。
山梨県で小学校の教師をされていた方ですから当然といえば当然ですね。

来訪の目的は投票日が迫っている参院補欠選挙への投票促進活動のお願いです。
今回の補欠選挙では連合静岡として推薦はしておりませんが、投票促進や棄権防止については従前どおりの展開をしていることを説明しました。
各紙の世論調査を見ても民主党候補者が大きくリードしていますが、川端大臣に続き輿石参院会長までもが来静するほどの真剣さに心打たれるものがあります。

明日は浜松に鳩山総理が応援に入るとのこと。
16時10分“JR浜松駅北口広場”です。
総理になって初めての県内入りです、どうぞ近隣のみなさんは応援に行ってあげてください。
よろしくお願いいたします。


秋色の風景

2009-10-18 19:55:22 | Weblog

平日の散歩は早朝5時スタートですので、10月のシーズンからはほとんど暗闇スタートです。
お休みの日は出勤時間を気にしませんので、6時に歩き出します。
まだ日の出前。川の向こう側の山の彼方が薄く朝焼けし、おぼろげに赤く染まっています。
いくつか残っている稲刈り前の黄金色の田んぼと、土手のブタクサの黄色い花と、めっきり涼しくなった朝風に揺れるススキの穂・・・・。
刈り取って干しあげている稲穂の匂いと、かすかなキンモクセイの香りが、風に乗ってやってきます。
そのうちに遠い高き峰から、朝日を浴びた山肌が浮かび上がってきます。
何は無くとも“江戸むらさき”じゃあなくって、何は無くともこの“自然”が一番好きかもしれません。
今日も素晴らしい朝のスタートを切れました。

こんな秋の風景は“秀吉号”にもおすそ分けしなければなりません。
ちょうどいい具合に、参院補欠選の応援に、原口大臣と新党大地の鈴木宗男氏が静岡入りします。
二人の顔を見がてら遊んでこようと思い立ちました。

お昼に入ったお好み焼き屋はなかなか曲者のお店で、お好み焼きとお酒が楽しめます。
街頭演説は2時からですからたっぷり時間はありますが、財布には3千円しかありません。
マスターに頼んで3千円以内で飲み食いさせてもらえるよう交渉。
出てきたものは、「かき塩焼き」「味噌漬け豆腐」と「オリジナル焼きそば」。
飲み物は、“生中1杯”と“手取川あらばしり(大吟醸)1合”と“水道水3杯”です。
この中で初体験は九州産の「味噌漬け豆腐」、めっぽう旨い逸品でした。
特製の味噌に1年間漬け込んだという豆腐は、まるでチーズのような味と舌触りでした。
これで2980円、後ろ髪を引かれる思いで店を出て、街頭演説を聴きに行きました。

演説はやはり鈴木宗男さんが上手かったですね。
開口一番「私が本物の鈴木宗男です」、どっと聴衆を笑わせてくれます。
原口さんはだいぶお疲れ気味の様子でした。
それにしても来週の日曜日に迫った補欠選挙、なかなか盛り上がりません。
自民党候補者の事務所ものぞいてきましたが、ほとんど人がいませんでした。
どうなっちゃったんでしょうか?

“秀吉号”と二人、沈みかけている夕陽に向かってトボトボと帰りました。
今日もいい1日でした。感謝します、ありがとう。
また明日もいい日でありますように。


チャレンジド

2009-10-17 22:36:53 | Weblog

連合静岡第20回定期大会と20周年記念レセプションを無事終了して、後回しにしていたことにチャレンジしました。

ひとつはパソコンの無線LANを設定することです。
簡単そうですが、これがなかなか難物です。
じっくりと構えないとできませんから、素面でにらめっこ。
ところが解説書を読んでも、横文字やら数字の配列で目がチカチカしてきます。
面倒になって勢いで突き進みましたが、結果は無残です。
この問題はさらに先送りすることとしました。

もうひとつの課題は無難に済ませることができました。
本来的には、昨年9月30日の結婚30年記念日です。
夕食に最近お気に入りの“辻むら”へ女房と二人で行きました。
話すことがあるようで無いようで、ただ淡々と美味い料理と熱燗を楽しみました。

NHK土曜ドラマ“チャレンジド”には間に合うように帰宅しました。
全盲となった教師が主人公のなかなかいいドラマです。
「障がい者は神からチャレンジという使命を与えられた人だ」、という意味の“チャレンジド”というタイトルのドラマです。

5体満足でも人間は完全無欠ではありません。
私も同様で、横文字や数字に弱く、記憶力もすこぶる低下しています。
お互いが助け合って生きているからこその社会だと、妻も理解してくれるはずです。

こんな私ですが、支えてくれている女房には心から感謝しています。
結婚35年記念日は決して忘れず、タイムリーに祝いたいと思います。謝々。


連合静岡第20回定期大会

2009-10-16 22:53:54 | ユニオン

連合結成20年の記念すべき大会が本日開催されました。
連合本部から山口副事務局長、静岡県から川勝県知事など、多くのご来賓にご臨席いただいたことをまず感謝申し上げます。
夜は20周年記念レセプションも行ないまして、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
夜のレセプションには飛び入りで川端文部科学大臣にも花を添えていただきました。

感謝・感謝の気持で迎えたこの定期大会と記念レセプション、この晴れがましい席に連合静岡会長として居合わせた感激に胸が震えてなりませんでした。
それとともに重責感に押しつぶれそうな感覚を覚え複雑な心境でした。

挨拶のなかで私は、“私たちのミッション”について触れました。
青臭い言い方ですが、私たちは「世のため 人のため」に生きています。
そしてそれを実践する手段として、労働者の自立と連帯を図る「労働運動」と、助け合い・分かち合いを標榜する「社会運動」を展開しています。
今年の大会でもいくつかの新しい提案をいたしました。

式典の中では、多くの人たちから様々なお言葉をいただきました。
これから進んでいく新たな領域で、どうしても必要なのはヨコの連携です。
そのヨコの連携とは、新しい人たちとの連携です。
実に面白い方々との連携も生まれそうな予感がいたします。

この20周年をひとつの区切りとして、これからもあらためてよろしくお願いいたします。


マスコミの報じ方

2009-10-15 12:47:40 | Weblog

マスコミからインタビューなどを受けるときは十分気をつけないと大変なことになります。
報道されてから、「うっかりしていました」・・・では済まされません。
テレビの報道番組などで2時間インタビューされて、ほんの2分程度面白いところだけをつまみ食いされた例も聞きました。
しかもそのケースは、記者の作為に満ちた(?)誘導質問に引っかかってしゃべった一言でした。

13日の定例会見で川勝知事が発言された内容が、センセーショナルに14日の朝刊に載っていました。
記事によると、「全国知事会は出席するに値せず。新連合結成を目指す」というものでした。
驚いて確認をすると、大騒ぎするほどの内容ではありません。
何日か遅れて、定例記者会見の発言内容が、県庁HP内の“ようこそ知事室へ”に公開されますのでお読みください。
情報公開しておいてよかったですね。

しかし多くの県民はHPなどは見にいきませんので、やはりマスコミを前にした発言には気をつけなければなりません。
さらに速やかに情報公開することとあわせて、記者会見の発言には気をつけるよう要請しておきたいと思います。


変えたくても変えられなかったこと

2009-10-14 22:03:53 | 政治

民主党政権になってから連日目まぐるしいほどの動きがあります。
これは決して民主党の人気取りなどではなく、これまで自民党政権下では成しえなかった事柄が一気に動き出した結果だと思います。

例えば昨日のブログで述べた羽田空港ハブ化問題でも、自民党政権下では成田空港の失敗を認めることになりますから、正直なところやりたくても出来なかったことでしょう。

鳩山首相の東アジア共同体構想も同様で、一番最初はマレーシアのマハティール首相が提唱しました。
しかし自民党政権下では対米追従で乗れずにマハティール構想は挫折し、次は中国がこの構想を日中主導で進めるよう提言してきましたが、小泉首相の靖国パフォーマンスで頓挫してしまいます。

世界のマネーフローを見てみるとよく分かりますが、米ドルが大量に売られて主要通貨に対して大きく値を下げています。
もはやドルが世界の基軸通貨として、単独で存在し続けることは否定されはじめました。
ドルを大量に保有している資産家たちはその行き先を求めて世界中をさまよっています。
とても危険な兆候があらわれていますから、○○○がらみの投資商品で遊んでいる人たちは逃げるタイミングを間違えないようにしましょう。

国では政権交代によって前政権の垢をそぎ落とそうとしていますが、静岡の川勝県政では、取るに足らない静岡空港にまだまだ足を取られています。
斉藤-石川県政の負の財産をいつまでも背負う必要はありません。
早いうちに静岡空港問題には決着をつけて、前へ進んで欲しいと願います。
少数与党ではありますが「平成21」も政策集団のプライドをもって、川勝知事とともに命がけで頑張ってくださいね、頼みますよ。


羽田国際空港化大賛成

2009-10-13 18:03:16 | 政治

前原国交相が12日の記者会見で羽田空港の24時間国際ハブ空港化構想を表明しました。
羽田空港はこれまで成田空港との競合を避けるために、国内線に特化(国際チャーター便は除く)した空港でした。
それでも現在は3本の滑走路で年間発着回数は約29.6万回、年間利用者数(08年)は約6675万人と世界第4位の空港です。
今後はさらに需要増大が見込まれたために国や東京都が拡張事業を行い、2010年10月には2500Mの第4滑走路が完成する予定です。

自民党政権では第4滑走路が完成したら、騒音問題で成田が閉鎖している深夜早朝時間帯(23~6時)に限って、国際定期便を解禁する予定でした。
しかし新滑走路が完成すれば、年間発着回数は現在の1.4倍(年間40.7万回)まで対応できますから、昼間も国際線の利用が可能となります。
利用者からすれば、羽田空港から国際線が利用できれば大変便利になります。
東京モノレールを利用すれば浜松町からわずか16分、470円で空港駅まで行けます。
成田空港となると、成田エクスプレスでも1時間、運賃も3110円かかります。
国民こぞって大喜びのはずですが、事はなかなか複雑です。

まずは成田空港。
ここでも2010年3月に完成する拡張事業がありまして、国際線発着回数を年間2万台増やす計画でした。
なんとチグハグな計画なのかあきれてしまいますが、これで国際線が羽田に移管されれば、成田空港の経営には大きな影響が出てしまいます。
ですから千葉県と成田市は大反対です。

そして橋下知事の関西空港。
海を埋め立ててつくられた24時間国際空港の関西空港は、巨額な借金で喘いでいます。
関西3空港と呼ばれる、「関西空港」「大阪伊丹空港」「神戸空港」がそれぞれ客を奪い合っている状況下で、さらに羽田空港がハブ化したら関空の客が奪われてしまいますから必死です。
関空もハブ化するようにしてくれなければ、大阪府の負担金を納めないとまで言い切りました。
しかし、一時は廃止も考えた伊丹空港の存在こそ、冷静に考えなければならないと思います。

巨大なハブ空港が、この狭い国土に何箇所も必要な訳がありません。
年間発着回数が12万8千回の関空は論外だし、深夜は飛べない成田も国策として真剣に考えて欲しいと思います。


2年半も経った“秀吉号”

2009-10-12 17:45:49 | Weblog

酔った拍子にインターネットオークションで購入した折りたたみMTB「秀吉号」。
「彼」と初めて会ったのは、2007年5月のことでした。
当時「彼」とドライブしてもほんの2~3台くらいしか他のサイクリング車と会いませんでしたが、最近は大変な数となりました。
しかも競輪選手と間違うばかりのフル装備の人たちばかりです。
ブームというのは恐ろしいものですね。

ブームといえば地産地消型“グルメ”も最近のブームです。
そんな1軒が隣村の足久保にあると聞いて、午後3時過ぎから“秀吉号”で探しにいきました。
民家を改造した1軒屋で、予約しないと入れないお店らしいのですが、休日は女性客中心にして一杯だとのことです。
残念ながら探し当てることはできませんでしたが、次回は用意を周到にして探索したいと思います。

暗くなってきたので“秀吉号”といつもの“ゴマ豆腐”を土産に買って家路につきました。
1年、2年ってほんとうに早いですね。