南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

日本人の勤労観

2009-10-09 17:18:10 | ユニオン

経済成長著しい国々(中国やインドなど)の労働者の実態をみなさんは聞いたことがありますか。
このブログを愛読してくれる「印度の与助さん」から時々寄せられるコメントにも、インド駐在員の苦労が語られてきます。
多くの日本企業が海外展開していますので、駐在員の口から信じられないような話をみなさんも聞くと思います。

日本人の勤労観はどこから生まれてきたのでしょうか。
愛社精神や忠誠心はどこから生まれてきたのでしょうか。
それは儒教の影響だという方もいますが、東アジアの儒教国がすべてそうであるとは言えません。
その日本人の誇るべき勤労観が廃れてきたと、みなさんは感じませんか。
私は心配でなりません。
日本的経営の変質とともに、働く人たちの勤労観も変質してきたように、私には思えてなりません。

一昔前は、企業の存在目的が単に利益を上げることであってはならないと、経営者も言っておりました。
利益を上げ、それを糧にしてよりよい、あるいはより豊かな“何か”を行なうことが目的であるべきだとも考えられてきました。
企業の存在意義は、まさしくこの“何か”にかかっているのだと財界トップは力説していました。
(この“何か”とは、社会に貢献することだと私は思っていますが・・)
また「企業は人々の共同体」であるという組織の本質を忘れてはいけないとも説きました。
だから“従業員を大事にする”風土が日本企業に育っていきました。

経営者が組織の本質(人々の共同体)や目的(社会に貢献すること)を忘れずに企業経営を実践していけば、必ずそこに働く労働者には世界に冠たる“日本人の勤労観”が育っていきます。
親の背中を見て子どもが育つように、社長の背中を見て部下は育ちます。
ここでも“1にリーダー 2にリーダー 3にリーダー”ですね。

ところが日本的経営の変質によって、現在の労働界には資本主義に対する疑念が強まっています。
それは「企業の倫理観が欠けており、みずからの存在や利益だけを目的化しているのではないか」という不信に根ざしたものだと考えられます。
労働界が“マルクスの亡霊たち”にとりつかれないうちに健全な資本主義を取り戻してください。

どうぞ明るい未来のために・・・。