5月2・3日の「日野祭」は、この神社の春の例祭です。
日野に生まれた戦国の武将 蒲生氏郷公は後の天正18年(1590)に会津黒川城主となった時、縁起をかついだ氏郷公は黒川の名前を変えようと考え、故郷日野町で蒲生 氏の氏神と崇めた綿向神社参道の「若松の杜(森)」からその名をとり、「会津若松」と改称した。古文書によれば、江戸時代中期の明和年間に松が枯れ、伐り除かれてその後人家が建ったようである が、「会津若松」の呼び名は今も用いられ、その名ごりを残している。
勧請縄勧請縄社務所
境内正面
本殿
夏越し大祓・・大祓の神人形
石橋の手前の狛犬
江戸時代に日野商人が寄進したという立派な石灯籠(いしどうろう)や石橋があります。
拝殿
【御 由 緒】
当神社の起りは、 近江国の東方に連なる鈴鹿山脈の南端に、気高く聳える霊峰『綿向山』の頂上に、神武天皇の御宇、出雲国の開拓の祖神を迎え祀り、欽明天皇6年(西暦545年)その頂上に祠を建てたのが始りと伝える。
その後、平安時代の初期延暦15年(796年)に里宮として現在の地に遷し祀られたという。以来、延喜式神名帳にもその名が見え、蒲生上郡の総社、日野の大宮として、何時の時代も当地の産土神と、人々の信仰の中心となってきた。殊に鎌倉時代から安土桃山時代にかけて、この地の領主であった蒲生氏一族は、氏神として尊び庇護し、更に江戸時代に全国に名をはせた近江商人の内の日野商人達の巨万の財力に支えられ、出世開運の神として崇敬が集められ、明冶 9年郷社に、同42年県社に列せられた。そして今の世も氏子人等の心の拠り処と崇め親しまれている。
その始めを嘉応2年(1,170年)とする春季例大祭(5月2・3・4日)は日野祭と称し、3人の神稚児や3社の神輿、16基の曳山車を中心に、古式ゆかしく絢爛豪華に繰り広げられる祭礼は県下にも有名で、県の無形文化財に指定されている。
なほ、綿向山山頂(標高1,110米)に祀る奥之宮(大嵩神社)は古来より 20年毎に社殿を建て替える式年遷宮の祭事が、今も絶えることなく続けられている。
本殿と狛犬
境内には形の異なる大小多くの石灯籠がある。最古のものは、鎌倉時代の様式を伝え、重要美術品にも指定された価値あるものである。御本殿前に据えられた石灯籠は、元禄11年(1698)日野出身で上州で商いをしていた商人中で 奉納したものであ り、また御手洗川岸にある大灯籠は文化9年(1812)建立されたが、地震で倒壊した為、文政2年(1819)に123名の篤志者によって再建されている。このほかにも日野商人などの名が刻まれたものが沢山あ り、日野商人の信仰の歴史を見ることができる。
石灯籠 国指定重要美術品 (鎌倉時代) 当神社の最古の現存品とも云うべきものが、この石灯籠である。年代は刻まれていないが、鎌倉時代の様式をよく残している。
猪と綿向神社
絵馬殿
絵馬殿に掲げられた多くの絵馬の中に、畳4枚分程とひときわ大きな絵馬には、天正年間の祭礼のお渡りの様子が細やかに描かれている。
蒲生氏郷公が生まれられたお祝いとして殊に盛大に行われた祭礼を、後の世の文化9年(1812)に日野の代表的か画家である谷田輔長が描いたものである。奉納者は全国にその名をはせた日野の豪商中井家であり、この絵馬を奉納せんが為に、絵馬殿を寄進したと伝えられている。このほか境内にある拝殿・馬舎・水舎など中井家の一建立である。
千両松 江戸時代の後期、日野商人の豪商の中で、伊豆の三島で醸造業を営んでいた辻惣兵衛は、儲けたお金を故郷の日野に持ち帰る為に、度々と三島と日野の間を行き来していたが、この頃街道を大金を持って往来することは、山賊などの危険にさらされ、至難のわざであった。そこで惣兵衛は考えた末、この大金を松の盆栽の鉢の中に隠し、故郷日野の本宅に無事帰ることができた。これは氏神様である綿向大神のご加護のお陰と感謝して、神社の境内にこの五葉松の木を植えた。現在も境内にその木が残っており、『千両松』と呼んでいる
もとは、綿向山(1110m)の頂上に鎮座していましたが、蒲生氏が城下町を開いてから現在地に移され、湖東の大宮として信仰を集めました。
昔、山頂から2羽の雁が飛んできて消えたのを見て、村人たちが神が降りてきたと思って、山麓に社を建てたという話が残っており、このことから「二羽雁」が神紋(しんもん)となっています。
壮大な境内には、拝殿や本殿をはじめ、
本殿右前には、六角形で火袋(かたい)に散蓮華(さんれんげ)を刻む鎌倉時代の石灯籠があります。また、境内の正面右側に「千両松」と書かれた石碑があり、1本の松が植えられています。この松は、江戸時代に遠方で商売して儲けた辻惣兵衛(つじそうべえ)という人が、大金を日野に持ち帰るために、植木鉢の中に小判を隠してその上に松の木を植えました。その結果、無事に日野まで帰れたのでそのお礼に、この境内に松を植えたといわれています。
参考資料:パンフレット各種・現地説明板・専門員のガイド説明・PCホームページ・blog 等々
本日も、訪問ありがとう御座いました!