北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

「つくる会」歴史教科書のねらい

2011年06月30日 | 日記
「つくる会」歴史教科書の最大の特徴は、その戦争認識(戦争観)にあります。結論的に言えば、彼らの認識には「帝国主義」の概念がまったくなく、したがって帝国主義の侵略戦争も帝国主義間戦争も民族解放革命戦争もすべて同じ「戦争」です。だから「かつての戦争は日本の自存自衛のためのやむをえない正しい戦争だった」という侵略戦争肯定の記述が出てきます。そのうえで興味深いのは、沖縄・広島・長崎についての記述がきわめて無味乾燥で、「8月6日広島、8月9日長崎に原子爆弾が投下された」というだけの記述になっています。一瞬にして命を奪われた30万人の労働者人民の怒りや無念さ、そして今なお被爆者やその子孫の身体を蝕み続ける放射能被爆の惨さについて、きわめて無感覚です。「自存自衛の防衛戦争」だったのだから、それに対して「こうした非人道的な原爆投下は許せない!」となるのかと思いきや、このアッサリズムは何なのでしょう?日本国憲法よりも日米安保体制を重視する“右翼”(親米右翼ってなんだよ!)学者たちですから、アメリカの戦争犯罪について免罪してしまおうとする心情の表現ともとらえることはできます。しかしそのねらいは、「戦争は正しいのだから今度もやろう!」しかもその戦争は「核戦争としてやろう!」という戦争教育を子どもたちに押しつけることにあるのだとハッキリさせた方がいい。「つくる会」歴史教科書が戦争のための教科書であることが、この1点だけからでもよくわかります。こんな教科書を絶対に採択させてはなりません。

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