北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

映画『波止場』についてPartⅡ

2010年01月13日 | 日記
…昨日の続きで映画『波止場」について。
組合幹部であるギャングの悪事を告発したブランドは、当初は港湾労働者や不良少年の仲間から、「仲間を売った」「裏切り者」とつまはじきされます。しかし最後に港湾労働者は、こうした組合幹部=ギャングの暴力支配をはねのけてみずからの判断で就労することになります。この部分の展開なんですよ、ひっかかるのは。確かにブランドは議会か司法機関(?)の調査委員会で証言するので、国家権力に組合幹部=ギャングを告発するという形になっています。国家権力に“救済”を求めたことになります。ただ、これまで自分たちから搾り取り、反抗するを仲間を殺しさえしてきた組合幹部=ギャングを弾劾することが、なぜ「裏切り者」とされるのか?
この映画の監督であるエリア・カザンは、マッカーシズム(赤狩り)の嵐がハリウッドを襲った時、アメリカ共産党の関係者やシンパの氏名を非米活動調査委員会で証言しており、文字どおり「仲間を売った裏切り者」の烙印を押され、アカデミー賞の受賞対象から外されてきました。いったんは「裏切り者」とされても、その権威の悪を見抜くことができれば賛同をえられる…映画では組合、カザンの体験では共産党というアナロジーをしているのではないか?そう思えて仕方がないのです。どうなんだろう?

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