金剛鈴は、金剛杵の一方の把(は)に近く鈴をつらねたものをいう。その妙(たえ)なる音を発して、仏を歓喜せんとしたものである。
『日本の美術 仏具 蔵田 蔵編 至文堂』
その鋒のかずによって、独鈷鈴、三鈷鈴、四鈷鈴、五鈷鈴、九鈷鈴、宝珠鈴、塔鈴あり。
金剛鈴は、金剛杵の一方の把(は)に近く鈴をつらねたものをいう。その妙(たえ)なる音を発して、仏を歓喜せんとしたものである。
『日本の美術 仏具 蔵田 蔵編 至文堂』
その鋒のかずによって、独鈷鈴、三鈷鈴、四鈷鈴、五鈷鈴、九鈷鈴、宝珠鈴、塔鈴あり。
密教法具は、平安時代に、最澄(天台)、空海(真言)によって日本にはいってきた。平安時代以降、各宗派には独自の法具を伝えるものがある。
金剛杵(こんごしょ)は、杵(きね)の形をして、その両端に鋭い刃をつけるのが基本形である。初期の金剛杵、ことに独鈷杵(とっこしょ)や三鈷杵(さんこしょ)の鋭いことは武器であったことを示すが、これが象徴になり、精神的に煩悩をやぶり、本来の仏性の顕現に資せんとするための法具である。その両端の鋭い鋒のかずによって、独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵、九鈷杵とあり、特殊な形のものに宝珠杵(ほうじゅしょ)・塔杵(とうしょ)とある。
『日本の美術 仏具 蔵田 蔵編 至文堂』
独鈷杵
三鈷杵
五鈷杵
地下足袋
手甲
脚半
問者
「さて八つ目の草鞋とは。」
さてやつめのわらじとは。
答者
「八葉の蓮台を踏むの心なり。」
はちようのれんだいをふむのこころなり。
問者
「先程よりのお答へ一一疑ひなし、然らばお通り候へ。」
さきほどよりのおこたへいちいちうたがひなし、しからばおとうりそうらへ。
問者
「斑蓋の義如何。」
はんがいのぎいかん。
答者
「是れ佛頂荘厳の天蓋にして慈悲覆護の形相なり、周圍の五尺は五智円満、大日法身の義、頂上の八葉は母胎八分の肉蓮即ち生佛一如の理を顕すなり。」
これぶっちょうしょうごんのてんがいにしてじひふくごのきょうそうなり、しゅういのごしゃくはごちえんまん、だいにちほっしんのぎ、ちょうじょうのはちようはぼたいはちぶんのにくれんすなわちしょうぶついちにょのりをあらわすなり。
問者
「左手にもちたる最多角念珠の義は如何に。」
ひだりてにもちたるいらたかねんじゅのぎはいかに。
答者
「最多角念珠とは修験専用のものにして、是れ實相眞如の宝珠なり、百八の珠は百八煩悩を表はし、之れを磨転するときは百八尊の佛となる、是れ即ち煩悩即菩提の義にして角多きが故に最多角と名づく。」
いらたかねんじゅとはしゅげんせんようのものにして、これじっそうしんにょのほうしゅなり、ひゃくはちのたまはひゃくはちぼんのうをあらはし、これをまてんするときはひゃくはちそんのほとけとなる、これすなわちぼんのうそくぼだいのぎにしてかどおおきがゆえにいらたかとなずく。