密教法具は、平安時代に、最澄(天台)、空海(真言)によって日本にはいってきた。平安時代以降、各宗派には独自の法具を伝えるものがある。
金剛杵(こんごしょ)は、杵(きね)の形をして、その両端に鋭い刃をつけるのが基本形である。初期の金剛杵、ことに独鈷杵(とっこしょ)や三鈷杵(さんこしょ)の鋭いことは武器であったことを示すが、これが象徴になり、精神的に煩悩をやぶり、本来の仏性の顕現に資せんとするための法具である。その両端の鋭い鋒のかずによって、独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵、九鈷杵とあり、特殊な形のものに宝珠杵(ほうじゅしょ)・塔杵(とうしょ)とある。
『日本の美術 仏具 蔵田 蔵編 至文堂』
独鈷杵
三鈷杵
五鈷杵
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