天台寺門修験

修験道の教義は如何に

修験第百十三号 新編寺門天台宗学読本(3) ―第一編 ―

2015年06月01日 18時52分57秒 | 新編寺門天台宗学読本

    故 直林敬煩 監修

  吉田光俊   編

  第二章 宗学の組織

  第三節 五箇法門と三道

   五箇法門と菩提生活

  今家(こんげ)は一向大乗(いつかうだいじよ)の菩薩教団(ぼさつけうだん)であります故(ゆへ)、宗徒(しうと)は自(みづか)ら菩薩(ぼさつ)たるの自覚(じかく)のもとに一乗菩薩道(いちじよぼさつだう)を解行(げげう)するのであつて、この菩薩の知識向上(ちしきかうじよ)と価値(かち)ある生活が即(すなは)ち如上(によじよう)の五箇法門(ごかのほうもん)に外(ほか)なりません。

  

  生活規矩(せいかつきく)

  その生活は、自律的標準規矩(じりつてきへうじゆんきく)と実質的内容(じづしつてきないやう)とに区分(くわけ)し得(う)れば、前者は圓頓戒(ゑんどんかい) がこれにあたり、これは宗教生活(しうけうせいかつ)の内容をして価値(かち)あらしむべく、菩薩生活(ぼさつせいかつ)の當相(たうそう)を佛意(ぶつち)に契合(けいがう)して律(りつ)する様式(やうしき)であります。戒(かい)は総(すべ)ての教学実践(けうがくじつせん)の基本となるもので、圓三学(ゑんさんがく)の中(うち)、圓恵圓定(ゑんえゑんぜう)は圓戒(ゑんかい)の行(おこな)はるゝによつて愈々(いよゝ)その価値が昂揚(かうやう)され、圓戒為本(ゑんかいゐほん)を高調(かうてう)する所以亦(ゆゑんまた)こゝに存(そん)するのであります。


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