故 直林敬煩 監修
吉田光俊 編
第二章 宗学の組織
第三節 五箇法門と三道
禅(ぜん)
禅(ぜん)は禅那(ぜんな)の略で、思惟修(しゆゐしゆ)または静慮(ぜうりよ)の意味であります。即(すなは)ち実践(じつせん)を遊離(いうり)した概念的(がいねんてき)な文字言語等(もんじげんごとう)に偏依(へんい)せず座禅観法(ざぜんかんぽう)により端的(たんてき)に見性成佛(けんせうぜうぶつ)して、涅槃妙心(ねはんめうしん)なる天眞独朗(てんしんどくらう)の境(けう)を悟(さと)る法門(ほうもん)であります。禅(ぜん)は別に教相(けうそう)を立(りつ)する必要を認めないのであるが、その本義(ほんぎ)とするところは是心是佛(ぜしんぜぶつ)を宗要(しうよう)として無所得空(むしよとくぐう)に立脚(りつきやく)してゐる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます