天台寺門修験

修験道の教義は如何に

修験第九號(大正十三年十一月一日發行)

2011年05月14日 17時10分11秒 | 『修験』 拾い読み記事

「修験」を見つけたので、拾い読みをしています。

釈迦嶽頂上の釈迦尊銅像(大阪仏立会建立)

 釈迦嶽頂上には、以前お堂があって釈迦三尊の尊像が安置されていたが、堂は焼失し尊像は前鬼山に祭られたため、ここ釈迦嶽に尊像建立を発願し、8月20日を以って建立開眼を見るに至った。非常な困難をしいて運搬建立された尊像は、高さ一丈五尺の大銅像で、はるかに縁の鼻や柏の木阪の頂上より拝することができると記されている。

釈迦嶽 釈迦尊像

大正15年7月1日発行「修験」  大日如来開眼供養

大峰奥駈大日嶽頂上に安置さるゝ、総丈蓮台まで八尺あまり、貫量一百余貫という、大日如来大銅像及び同峰内「エンノハナ」の岩窟内に安置せらるゝ、総丈四尺余の蔵王権現の二大銅像は鋳作家大谷秀一氏丹精により美事竣成し、6月上旬大日嶽に運搬のうえ完全に安置されたと記されている。

   大日嶽  

 大日如来尊像                  


密教法具9  護摩炉(ごまろ)

2011年05月14日 12時16分13秒 | 密教仏具

 

護摩釜 

 護摩とは古くインドのバラモン教の祭法で、梵焼・火法の意である。すなわち火中に供物を投じて供養することである。インドの梨倶吠陀(りぐべーだ)にも記載があるが、火神阿耆尼を供養するとき、火焔が昇って天にある神の口に達し神はこれによって力を得て悪魔を降し、人類に福祉をあたえるとある。これが仏教に混入して密教修法のおもな行事となっった。息災・増益・延命・調伏などを祈るのである。護摩炉は、この護摩を焚く火炉のことである。 

   『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』 

 

 修験道の秘法、柱源護摩(ちゅうげん・はしらもとごま)。


密教法具8  洒水器(しゃすいき)

2011年05月14日 11時24分39秒 | 密教仏具

 

洒水(香水)を撒いて、道場や供具を清浄にすることが行われるが、洒水器はこの香水を納める器で、六器より大形の鋺(わん)に宝珠鈕(ほうしゅちゅ)の蓋を備え、台皿にのせる。鋺の外側に帯をめぐらせるところが六器と異なる。

  『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』  


密教法具6  六器(ろっき)

2011年05月14日 08時52分00秒 | 密教仏具

 

六器の名称は古来なく、いつごろからの名か不明である。火舎の左右に三個ずつおいて六個あるところからくるものであろうか。六器には火舎から、閼伽(あか)・塗香(ずこう)・華鬘(けまん)の順に盛って供養する。

 『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』 

閼伽(あか)とは、価値あるもので、水、また閼伽水・閼伽香水・功徳水とも。(1)インドの習俗では客を歓待するに水を供する風習を密教に取り入れて、六種供養の一とし、前供養には洗足水の意、後供養は漱口水の意。閼伽井から汲んだ清浄水に香を煮沸した妙華、または香末を加えた香花水を修法に用いる。閼伽桶に入れて閼伽棚に置き、供養には六器の閼伽器に盛る。

塗香(ずこう)とは、インドでは招客を迎える際のエチケットとして暑熱の土地で体臭を消す為に用いて来たもの。密教の塗香には2種類の用法がある。(1)真言行者自身の身に縫っていわゆる五分法身を磨宝する塗香で、塗香器に入れた塗香を、作法に従って身体に縫って身体を浄めてから護身を結ぶもの。(2)本尊に供養する塗香で、大日経具縁品に説く六種供養(閼伽・塗香・華鬘・焼香・飯食・燈明)の一である。塗香の典拠は、修法の種類に応じて栴檀香(せんだんこう)・沈香(じんこう)・龍脳(りゅうのう)・伽羅(きゃら)・安息香・鬱金香(うつこんこう)などを材料にして、粉末にしたものを用いる。但し、わが国では、どれかの香木を粉末にした抹香(まっこう)を普通に用いる。

華鬘(けまん)とは、花を糸に綴った鬘で、もとインドの風習で上下を問わず装身具にし、芳香のある生花を用いるが、比丘・比丘尼は身に着けられず、専ら室内の装飾に用いた。密教では、金剛界内四供の金剛鬘菩薩、金剛食天、胎蔵五供養の華鬘菩薩の三昧耶とする。今は生花ではなく、糸(組糸)・金属板などで作り、道場内の柱や長押に懸けて荘厳具として仏菩薩の供養に当てる。種子鬘は蓮華座に金剛鬘菩薩の種子を現わす。

『密教辞典 佐和隆研編 法蔵館』


密教法具4  火舎(かしゃ)

2011年05月14日 07時15分55秒 | 密教仏具

 香炉の一種で、四面器(火舎一・六器六・花瓶二)中の焼香器(しょうこうき)である。鍔(つば)のある縁をもった浅い火炉で、短い三脚をつけ、蓋を具す。火舎のことはインドになく、中国唐時代に発達したものらしい。

 『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』