天台寺門修験

修験道の教義は如何に

山伏問答14

2011年05月11日 18時59分13秒 | 山伏問答

問者

「法螺の義は如何に。」

ほうらのぎはいかに。

答者

「是れ金界、 字の智体、法身説法の内證なり、三界の天衆を驚かし、六道の妄夢を覺し皆悉く中道不生の覺位に歸せしむるなり。」

これこんかいバンじのちたい、ほっしんせっぽうのないしょうなり、さんがいのてんじゅうをおどろかし、ろくどうのもうむをさましみなことごとくちゅうどうふしょうのかくいにきせしむるなり。


山伏問答13

2011年05月11日 17時46分00秒 | 山伏問答

問者

「引敷の義如何。」

ひっしきのぎいかん。

答者

「引敷とは修験所用の座具にして獅子乗を顕し、無明を断じて法性直道に歸せしむ、これ即ち明暗一体の標示にして、凡聖不二の内證なり。」

ひっしきとはしゅげんしょようのざぐにしてししじょうをあらわし、むみょうをだんじてほっしょうじきどうにきせしむ、これすなわちみょうあんいったいのひょうじにしてぼんじょうふじのないしょうなり。 


山伏問答12

2011年05月11日 16時53分33秒 | 山伏問答

問者

「腰に帯たる螺緒の義は如何に。」

こしにおびたるかいのをのぎはいかに。

答者

「是れ山駈の索條にして、  二水和合根源の姿なりこれに三種の別あり、即ち十六尺は十六大菩薩、二十一尺は二十一尊、三十七尺は三十七尊を顕し、左右の両緒は因果円満理知法身の義なり。」

これやまがけのさくじょうにして、ランバンにすいわごうこんげんのすがたなりこれにさんしゅのべつあり、すなわちじゅうろくしゃくはじゅうろくだいぼさつ、にじゅういちしゃくはにじゅういちそん、さんじゅうしちしゃくはさんじゅうしちそんをあらわし、さゆうのりょうをはいんがえんまん、りちほっしんのぎなり。


山伏問答11

2011年05月11日 08時59分14秒 | 山伏問答

問者

「金剛杖の義は如何に。」

こんごうずえのぎはいかに。

答者

「金剛杖とは度衆の所持する杖にして、独鈷杵の義なり、度衆は金剛を持つが故に金剛杖と名づく、これ即ち、金胎不二の塔婆にして神變大菩薩の三味形なり。」

こんごうずえとはどしゅうのしょじするつえにして、とっこいしょのぎなり、どしゅうはこんごうをもつがゆえにこんごうずえとなづく。これすなわちこんたいふじのとうばにしてじんべんだいぼさつのさまやぎょうなり。


山伏問答10

2011年05月11日 08時36分43秒 | 山伏問答

問者

「錫杖の義は如何に。」

しゃくじょうのぎはいかに。

答者

「錫杖とは一法界の総体、衆生覺道の智杖なり、これに三種の別あり、四輪は四諦を表する聲聞の錫杖、十二輪は十二因縁を表する縁覺の錫杖、六輪は六度を表する菩薩の錫杖なり、然れば即ち錫杖の妙音により三界六道、受苦衆生の迷夢を覺し、罪障を消滅して速かに菩提の妙果を得せしむるの義なり。」

しゃくじょうとはいちほうかいのそうたい、しゅじょうかくどうのちじょうなり、これにさんしゅのべつあり、しりんはしたいをひょうするしょうもんのしゃくじょう、じゅうにりんはじゅうにいんねんをひょうするえんがくのしゃくじょう、ろくりんはろくどをひょうするぼさつのしゃくじょうなり、しかればすなわちしゃくじょうのみょうおんによりさんがいろくどう、じゅくしゅじょうのめいむをさまし、ざいしょうをしょうめつしてすみやかにぼだいのみょうかをえせしむるのぎなり。