天台寺門修験

修験道の教義は如何に

山伏問答9

2011年05月10日 20時51分56秒 | 山伏問答

問者

「肩にかけたる結袈裟の義は。」

かたにかけたるゆいげさのぎは。

答者

「是れ即ち修験専用の袈裟にして、九條袈裟を折畳みたるものなり。九條は九界を表じ、行者は佛界なるが故に十界一如慈悲忍辱、佛性不変の表示なり。又その形ち山の字を結びたる三股は三身即一の深義にして、六総なるは六波羅密の聖位を顕わすものなり。」

これすなわちしゅげんせんようのけさにして、くじょうげさをおりたたみたるものなり。くじょうはくかいをひょうじ、ぎょうじゃはぶっかいなるがゆえにじゅっかいいちにょ、じひにんにく、ぶっしょうふへんのひょうじなり。またそのかたちやまのじをむすびたるみつまたはさんじんそくいちのしんぎにして、むつぶさなるはろっぱらみつのしょういをあらわすものなり。


山伏問答8

2011年05月10日 19時10分17秒 | 山伏問答

 

問者

「して鈴懸の義は如何に。」

してすずかけのぎはいかに。

答者

「入峰修行の法衣にして上衣は金剛九會、袴は胎蔵八葉を顕わす、是れ即ち金胎不二、自性法身の説法を表するなり。鈴とは行者六大ファイル:Siddham a.svg字宝珠の義にして一切衆生普くファイル:Siddham a.svg字門に悟入せしめんが為め鈴懸とは名づけたり。」

にゅうぶしゅぎょうのほうえにしてじょうえはこんごうくえ、はかまはたいぞうはちようをあらわす、これすなわちこんたいふじ、じしょうほっしんのせっぽうをひょうするなり。すずとはぎょうじゃろくだいじほうしゅのぎにしていっさいしゅじょうあまねくじもんにごにゅうせしめんがためすずかけとはなづけたり。


山伏問答7

2011年05月10日 15時05分13秒 | 山伏問答

問者

「頭に戴く頭襟は如何に。」

こうべにいただくときんはいかに。

答者

「大日如来五智円満の宝冠にして化他利物の被甲なり十二の襞は十二因縁を顕わし、前八分に之を着するは不動頂上八葉を示し、其色黒色なるはクリックすると新しいウィンドウで開きます字黒色の義にして眞に是れ凡聖不二の表相明暗一体の極意なり。」

だいにちにょらいごちえんまんのほうかんにしてけたりもつのひこうなりじゅうにのひだはじゅうにいんねんをあらわし、まえはちぶんにこれをちゃくするはふどうちょうじょうはちようをしめし、そのいろこくしょくなるはカンじこくしょくのぎにしてまことにこれぼんじょうふじのひょうそうみょうあんいったいのごくいなり。


山伏問答6

2011年05月10日 12時51分34秒 | 山伏問答

問者

「採燈大護摩供の義は。」

さいとうだいごまくのぎは。

答者

「採燈大護摩供とは古来入峰に先だち四方を結界し不動明王の三昧に住し毒龍悪鬼を退治し入峰円満を祈願したるに始まり、東方阿閦の木、西方弥陀の金を以って中央大日の大地に切り積み南方宝生菩提の智火を放って煩悩の薪を焼き盡し北方釋迦の水を酒いで之を消滅し諸佛諸天を供養し以って各願円満を祈願するの義にて候。」

さいとうだいごまくとはこらいにゅうぶにさきだちしほうをけっかいしふどうみょうおうのさんまいにじゅうしどくりゅうあっきをたいじしにゅうぶえんまんをきがんしたるにはじまり、とうぼうあしゅくのき、さいほうみだのかねをもってちゅうわうだいにちのだいちにきりつみなんぽうほうしょうぼだいのちかをはなってぼんのうのたきぎをやきつくしほっぽうしゃかのみずをそそいでこれをしょうめつししょぶつしょてんをくようしもってかくがんえんまんをきがんするのぎにてそうろう。