天台寺門修験

修験道の教義は如何に

修験第百十三号 新編寺門天台宗学読本(3) ―第一編 ―

2015年05月27日 20時02分02秒 | 新編寺門天台宗学読本

   故 直林敬煩 監修

  吉田光俊   編

 第二章 宗学の組織

 第三節 五箇法門と三道

  圓頓戒

 次に戒(かい)とは梵語(ぼんご)のし羅(しら)のことで、身心(しんじん)の過(あやまち)を防禁(ぼうきん)する意味でありまして、三学(さんがく)の中(うち)の戒学(かいがく)はこれであります。今家(こんげ)の戒(かい)は法華(ほつけ)・梵網(ほんもう)の両経(りよぎやう)に基(もとづ)いた大乗戒(だいじうかい)であつて、圓戒(ゑんかい)または圓頓戒(ゑんどんかい)、圓頓菩薩戒(ゑんどんぼさつかい)と称(せう)せられ、所依(しよえ)の経(きやう)に約(やく)して梵網戒(ぼんもうかい)とも申します。即(すなは)ち私共(わたくしども)の先天的(せんてんてき)に備(そな)へた覚性(かくせう)【性具眞如佛性(ぜうぐしんによぶつせう)の戒体(かいたい)】を受戒宣誓(じうかいせんせい)することによつて顕現(けんげん)し、三聚浄戒(さんじうぜうかい)を実践錬成(じつせんれんせい)することにより、積極的救済行為(せつきよくてききふさいかうい)として自利利他二行(じりりたにげう)を圓満(えんまん)に成就(せうじゆ)して、佛意(ぶつい)に契合(けいがう)した菩薩生活(ぼさつせいかつ)を営(いとな)む標準規矩(へうじゆんきく)となすものであります。


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