天台寺門修験

修験道の教義は如何に

密教法具9  護摩炉(ごまろ)

2011年05月14日 12時16分13秒 | 密教仏具

 

護摩釜 

 護摩とは古くインドのバラモン教の祭法で、梵焼・火法の意である。すなわち火中に供物を投じて供養することである。インドの梨倶吠陀(りぐべーだ)にも記載があるが、火神阿耆尼を供養するとき、火焔が昇って天にある神の口に達し神はこれによって力を得て悪魔を降し、人類に福祉をあたえるとある。これが仏教に混入して密教修法のおもな行事となっった。息災・増益・延命・調伏などを祈るのである。護摩炉は、この護摩を焚く火炉のことである。 

   『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』 

 

 修験道の秘法、柱源護摩(ちゅうげん・はしらもとごま)。


密教法具8  洒水器(しゃすいき)

2011年05月14日 11時24分39秒 | 密教仏具

 

洒水(香水)を撒いて、道場や供具を清浄にすることが行われるが、洒水器はこの香水を納める器で、六器より大形の鋺(わん)に宝珠鈕(ほうしゅちゅ)の蓋を備え、台皿にのせる。鋺の外側に帯をめぐらせるところが六器と異なる。

  『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』  


密教法具6  六器(ろっき)

2011年05月14日 08時52分00秒 | 密教仏具

 

六器の名称は古来なく、いつごろからの名か不明である。火舎の左右に三個ずつおいて六個あるところからくるものであろうか。六器には火舎から、閼伽(あか)・塗香(ずこう)・華鬘(けまん)の順に盛って供養する。

 『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』 

閼伽(あか)とは、価値あるもので、水、また閼伽水・閼伽香水・功徳水とも。(1)インドの習俗では客を歓待するに水を供する風習を密教に取り入れて、六種供養の一とし、前供養には洗足水の意、後供養は漱口水の意。閼伽井から汲んだ清浄水に香を煮沸した妙華、または香末を加えた香花水を修法に用いる。閼伽桶に入れて閼伽棚に置き、供養には六器の閼伽器に盛る。

塗香(ずこう)とは、インドでは招客を迎える際のエチケットとして暑熱の土地で体臭を消す為に用いて来たもの。密教の塗香には2種類の用法がある。(1)真言行者自身の身に縫っていわゆる五分法身を磨宝する塗香で、塗香器に入れた塗香を、作法に従って身体に縫って身体を浄めてから護身を結ぶもの。(2)本尊に供養する塗香で、大日経具縁品に説く六種供養(閼伽・塗香・華鬘・焼香・飯食・燈明)の一である。塗香の典拠は、修法の種類に応じて栴檀香(せんだんこう)・沈香(じんこう)・龍脳(りゅうのう)・伽羅(きゃら)・安息香・鬱金香(うつこんこう)などを材料にして、粉末にしたものを用いる。但し、わが国では、どれかの香木を粉末にした抹香(まっこう)を普通に用いる。

華鬘(けまん)とは、花を糸に綴った鬘で、もとインドの風習で上下を問わず装身具にし、芳香のある生花を用いるが、比丘・比丘尼は身に着けられず、専ら室内の装飾に用いた。密教では、金剛界内四供の金剛鬘菩薩、金剛食天、胎蔵五供養の華鬘菩薩の三昧耶とする。今は生花ではなく、糸(組糸)・金属板などで作り、道場内の柱や長押に懸けて荘厳具として仏菩薩の供養に当てる。種子鬘は蓮華座に金剛鬘菩薩の種子を現わす。

『密教辞典 佐和隆研編 法蔵館』


密教法具4  火舎(かしゃ)

2011年05月14日 07時15分55秒 | 密教仏具

 香炉の一種で、四面器(火舎一・六器六・花瓶二)中の焼香器(しょうこうき)である。鍔(つば)のある縁をもった浅い火炉で、短い三脚をつけ、蓋を具す。火舎のことはインドになく、中国唐時代に発達したものらしい。

 『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』 


密教法具3  金剛盤(こんごうばん)

2011年05月13日 08時40分48秒 | 密教仏具

 

金剛盤は、金剛杵と金剛鈴を置く台である。その形は鋳銅板の輪廓を底辺の広い三角形にし、その縁に切れ込みとふくらみを加えて均一でない四葉形にして、四葉蓮華にかたどる。四葉形の切れ込みに猪目(いのめ)を透かすものと透かさないものとある。この盤面に輪宝や三鈷杵を毛彫(けぼり)するものもある。

 『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』

  

 前に五鈷杵、右側斜めに三鈷杵、左側斜めに独鈷杵をのせて大壇の中央、行者の前に置く。

『密教辞典 法蔵館 より』


密教法具2  金剛鈴(こんごうれい)

2011年05月12日 18時38分30秒 | 密教仏具

金剛鈴は、金剛杵の一方の把(は)に近く鈴をつらねたものをいう。その妙(たえ)なる音を発して、仏を歓喜せんとしたものである。

『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』 

その鋒のかずによって、独鈷鈴、三鈷鈴、四鈷鈴、五鈷鈴、九鈷鈴、宝珠鈴、塔鈴あり。


密教法具1  金剛杵(こんごうしょ)

2011年05月12日 17時30分14秒 | 密教仏具

密教法具は、平安時代に、最澄(天台)、空海(真言)によって日本にはいってきた。平安時代以降、各宗派には独自の法具を伝えるものがある。

金剛杵(こんごしょ)は、杵(きね)の形をして、その両端に鋭い刃をつけるのが基本形である。初期の金剛杵、ことに独鈷杵(とっこしょ)や三鈷杵(さんこしょ)の鋭いことは武器であったことを示すが、これが象徴になり、精神的に煩悩をやぶり、本来の仏性の顕現に資せんとするための法具である。その両端の鋭い鋒のかずによって、独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵、九鈷杵とあり、特殊な形のものに宝珠杵(ほうじゅしょ)・塔杵(とうしょ)とある。

『日本の美術  仏具   蔵田 蔵編 至文堂』

独鈷杵

三鈷杵

五鈷杵