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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア・中国の陸路国境を渡れず取り残されるロシア産活カニ製品 ”行列のできる検問所”クラスキノ

2022-09-21 16:57:15 | 日記

 

2022年09月21日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロ中陸路国境を渡れず取り残されるロシア産活カニ製品]

ロシアのカニ生産業界は、一連の制裁措置により問題がより複雑化することを危惧している。

ロシア経済紙“カメルサント”が伝えた。

米国とEUのロシア産水産物輸入規制により、ロシアの極東地方ばかりでなく、北部地方のカニ生産者も中国市場への供給拡大を検討することを求められているが、ロシアから中国への陸路による水産物輸出の要所、ロシア沿海地方クラスキノ検問所が、活製品の輸出を滞らせる恐れがある。

市場関係者は活製品の場合、通過が1日遅れるだけで、商品価値が急落すると警告している。

極東地方のカニの盛漁期は9月に始まり、活製品の中国への輸出は、主に陸路により沿海地方クラスキノ検問所で手続検査が行われているが、同検問所の前に最悪10日間、通関をきることが出来ず輸送トラックが渋滞する等、これまでも、その処理能力の低さが再三にわたり指摘されてきた。

クラスキノ検問所には、検査レーンが4本しかなく、しかも、老朽化と絶え間ない修理のために、安定して作業が行われるのは1本だけだと関係者が明かした。

今年2022年7月の情報では、渋滞は110台(通関待ち5日間)で、カニの輸出が活発化した場合150台にまで拡大する可能性がある。

北西漁業コンソーシアムによると、一連の制裁措置により、北部地方のカニの生産者も中国市場への供給拡大を検討していると語り、米国とEUの輸入規制以後、消費と支払い能力の面で比較対象となる市場として残ったのは、韓国、日本、そして中国だけだと説明し、地元の製品も当然、東南アジアに流れ、市場での競争も激しくなるだろうと加えた。

極東地方の業界大手の代表者は、クラスキノについて、製品陸揚げが可能な海洋港に近く、通関後の中国側の受け入れポイントもいち早く新鮮な海水を取水できる地理的条件のメリットを指摘している。

活カニは、魚種や水温条件により1日あたり市場価値を50%低下させる可能性がある。

ロシアカニ漁業者協会会長ドウプリャコフによると、昨年2021年、ロシア産の活と冷凍のカニの輸出量は7万5,000トンで、この内、クラスキノ検問所を通過した活カニは1万3,600トンだった。

ドウプリャコフは、現在の貨物量へのその場しのぎの対応ではなく、潜在的な成長も保証できるような新しい国境施設を建設し、インフラ整備をもって解決にあたるべきだと語った。

 

 

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