2023年05月04日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ウクライナ情勢をビジネスチャンスと捉え悪乗りするカナダ漁業 日本へのズワイガニ輸出拡大要求]
カナダは、日本がロシア産カニの輸入を継続しており、G7の制裁を弱体化させていると主張、日本政府がこれを拒否していることを批判している。
現地、カナダ・プレスが伝えている。
カナダ漁業者は、日本がカナダ産ではなくロシア産カニを輸入しているため、産業が崩壊しかけていると主張し、同国の首脳レヴェルが日本当局に圧力をかけている。
日本は既に、ロシア産カニに対し、輸入にかかる特恵関税の撤廃措置を行っているが、これを不満としている。
カナダ漁業は、米国のアラスカの資源的問題によるカニの禁漁措置とロシア産水産物輸入禁止を、米国へのカニの輸出拡大へのビジネスチャンスと捉え、先に、これを歓迎する旨を表明していた。
カナダによる同様の要求は韓国へも向けられているとしている。
これらに対し、カナダの日本在外公館は、ロシアに対する制裁措置、複数の貿易禁止に取り組んでいる事情を説明、カナダ漁業の経営困難と貿易の鈍化の理由を、燃料費、その他要因による製品価格の高騰にあると指摘している。