毎日新聞 2020年08月30日
カニ密漁 後絶たず EEZに外国船 「裏付け」難しく/北海道
北海道沖の排他的経済水域(EEZ)で、外国船によるカニの密漁が後を絶たない。当局の監視の目を盗んで設置された漁具が海中から多数押収されているが、密漁の現場を押さえて立件するまでのハードルは高く、外国船と当局による「いたちごっこ」が続いている。
「外国の貨物船が、何もない沖合に停泊しているんだ。巡視艇で近づくと逃げるが、こちらが離れるとまた元の場所に戻っている」。取り締まりに関わったことがある海上保安関係者が振り返る。
紋別市の北方約90キロのオホーツク海沖合。使用が認められていない「カニかご」が海底から見つかっており、水産庁北海道漁業調整事務所は昨年だけでも1259個を回収した。今年も周辺では停泊している船が目撃されており、第1管区海上保安本部(小樽)などは密漁船とみて警戒している。
北海道沖の排他的経済水域(EEZ)で、外国船によるカニの密漁が後を絶たない。
当局の監視の目を盗んで設置された漁具が海中から多数押収されているが、密漁の現場を押さえて立件するまでのハードルは高く、外国船と当局による「いたちごっこ」が続いている。
「外国の貨物船が、何もない沖合に停泊しているんだ。巡視艇で近づくと逃げるが、こちらが離れるとまた元の場所に戻っている」。
取り締まりに関わったことがある海上保安関係者が振り返る。
北海道紋別市の北方約90キロのオホーツク海沖合。
使用が認められていない「カニかご」が海底から見つかっており、水産庁北海道漁業調整事務所は昨年だけでも1259個を回収した。
今年も周辺では停泊している船が目撃されており、第1管区海上保安本部(小樽)などは密漁船とみて警戒している。
だが、立件は簡単ではない。
海保関係者は「怪しい船に立ち入り検査をしてカニを見つけても、どこで誰が取ったものかは分からない」と指摘。
密漁を裏付けるためには、かごを引き揚げて中からカニを取り出す現場を確認しなければならず、途中で気づかれて逃げられてしまうケースも多いという。
1管によると、稚内や紋別沖のEEZでカニ漁の無許可操業を行ったとして昨年までの10年間で、漁業主権法違反容疑で外国船12隻の船長を摘発。
船籍はカンボジアやシェラレオネなどだが、船長は全員ロシア国籍だった。
ロシアの漁業に詳しい北海道機船漁業協同組合連合会の原口聖二常務理事によると、北海道沖に密漁船が頻繁に出没するようになったのは、ロシア側で密漁の取り締まりが厳しくなった2000年代後半以降。
ロシア人が漁場を変え現在まで居着いているとみている。
原口氏は「資源量を守るためにも、今後も徹底的に取り締まりを続けてほしい」と訴えている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます