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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

#26 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 当局者は洋上風力発電所がハリケーンに耐えると明言せず

2023-04-30 03:28:07 | 日記

 

2023年04月30日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#22 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 当局者は洋上風力発電所がハリケーンに耐えると明言せず]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

米国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)局長リズ・クラインは、2023年4月26日、予算公聴会で、北東部での設置が計画されている洋上風力発電所が、カテゴリー2、3級のハリケーンに耐えることができるかどうかについて、米国下院議員クリストファー・スミス(共和党:ニュージャージー州第4選挙区)から質問を受け、明確に回答することが出来なかった。

予算公聴会においてクラインはBOEMが2024年予算に2億6,820万ドルを要求していると語った。

科学者は、建設段階において、海底に数千フィートの柱を打ち込むことで破壊的レヴェルの騒音が発生すると指摘している。

“クライスラー”ビルディング(最上階: 274メートル)ほどの大きさの巨大構造物の、ハリケーン、スーパー・ストーム、そしてノーイースター(米国東部やカナダの大西洋沿岸を襲う発達した温帯低気圧による嵐のこと)に対する耐久性等は、十分に調査分析がされていない。

2012年にカーネギー・メロン大学が行った調査では、カテゴリー3以上のハリケーンによって、場所によってはタービンの半分以上が破壊される可能性があり、非常に大きなリスクがあることがわかっている。

先に、ブルームバーグは、“自由の女神よりも高い風力タービンが倒壊する”と題し、タワーとブレードの故障により、米国とヨーロッパの製造業者が悩まされていることを伝えた。

デンマーク沖ではタービンの1つからブレードが落下した際、当該海域周辺を対象に海上交通の停止要請が出されたとの情報もある。

しかし、これらのタービンの破損、故障に関する公開されている業界全体のデータは存在していない。

また、米国海軍の船舶、商船、沿岸警備隊による捜索救助活動を含む船舶の航行は、レーダー干渉により著しく妨げられる可能性がある。

米国科学・工学・医学アカデミーは、2022年に“風力タービン発電が船舶レーダーに与える影響”というタイトルのリポートを発表し、風力タービン発電機が、船舶レーダーのマグネトロンとソリッドステートの両仕様を不明瞭にし、重大な干渉とシャドーイングを引き起こすと報告している。

地元の米国北東部沿岸地域は、洋上風力発電の開発が水棲生物などの生態系を破壊し、漁業や観光産業を荒廃させ、タービンを配置するための準備作業への懸念を表明する抗議団体を組織している。

 

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