スヴィドリガイロフは門番の息子にリズムだ、と言った
リズムの喚起、躍動。
世界のゴム状の広がり。生命の薄いMAKU。
牛乳の表面の薄いMAKUだ。
混乱の中の秩序。開幕に秘められた終末の端。
木を知り、森を知らぬ。思考タンクの構造上、止むを得ぬ。
文字の乱れ。情報と、その収まる花束の消滅。
行く先、真っ暗。チャンネルは無数に。
右手で空を、つかみ、左手で地を。
大地が頭の中で広がる夢。
全て、生あるものの凄まじき悪臭を、じっとこらえ、こっそりと、世界の片隅で丸くなり、青い内面界の結集のような孤独に瞳を正面に注ぐ者。
それは門番のせがれ。
頬はナイフで抉られたように、首は踏みつけられた指のように、鼻と口は存在せぬかのように、唯、自己の微かな理想と、生命の細い鎖だけを意識し、氷のように茶色く濁ったボロ椅子の上に端座している。
彼は門番の息子だ。捨てられた無為の人だ。さようなら、彼は私生児さ。彼の母は無、彼の父も無。無の集結が門番の息子さ。
モジリアニ、ユトリロ。胸の中には石油ストーブの、あの青い火が、いつもチロチロ。いつしか蛇の舌と間違えそう。
白い指が、空気の隙間から、たくさんのびてきて、僕を掴む。僕は白い綺麗な無臭の指を、いつまでも、なめていたい。
暗闇の向こうには、いつも赤い電波が、不規則に気の狂いそうな、やり方で跳ねまわっている。
願え、願え、灰色の固い空は、いつも彼を、あざけり笑う。
いつしか、彼の足元へ、我ら、こぞって降り立つことだろう。
待っていろ。
しかし、待っていては、いけないのだ。全ての相克が、彼への侮蔑を、生み出す要素となるのだ。 僕のディテールを。僕のを、そして、彼のディテールを。
めんどうくさいのは分かっている。気分が邪魔するのは分かっている。でも知るのがいいんだよ。 ガラスの壁を作りたいんだね。かごの中の自由を欲する。自分の心の1ヶ所を、かごに閉じ込めておきたいんだよ。 そうしないとね、まとまりが、つかなくてね。すぐ、バラバラで、方向が全てに溶かされていって、時間と空気だけが全てに変わるからさ。
通過するのさ、加減を持ってね、意欲を通過し、反自己を通過し、過剰なる意識を通過し、リズムで通り、底の方には、とうとうと、一般原則とやらを、放っておけばよいのだよ。
机上の空論だと。それが、真理を引っ張り出す、唯一の方式じゃなかったかい?
しかし全て、超固なる壁に、ぶちあたり、バラバラに砕けて、地の底に沈み、深く静かに絶望は始まる。通過は行き詰まり、Deadend。
全ては霧中であり、決して晴れる事は無い。皆が、皆、志向する。
低き暗き闇の中の真理よりも、我は尊ぶ、高き偽りを、とね。ありがとうよ、プーシキン。
あの素晴らしき未来の時代は絶対にやって来ることは無い!
全てが、ある限り、全ては霧の中で、争いを繰り返さにゃならんのだ。
簡単なのは全てが消えて、見えるものが見える、という事実だよ。
だって見る者が、いないんだから。
僕は黒いキャップとマフラーが欲しいよ。
灯台守の近くで、自殺してやる。
kipple
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