STOPとENDとFINの物語
セフィは並外れて虚弱であり、そのため、小ずるいのだ。
コンプレックスは数えきれぬ程あるし、
そのため侮蔑に対しては鋭敏で執念深い。
小ずるいため、内側で、こっそりと憎しみをこめて、
侮蔑につかみかかってゆくのだが、それは、
虚弱であるために外側に発散されるすべを知らない。
そして月日と、ともにズタズタに全てが滅びてゆくのが分かる。
そして、それと並行して、ある一つの貧弱なものが、
いっそう不明瞭に拡散していき、セフィを苦しめる。
ある一つの貧弱なものとは誇りである。
セフィには断言できる。
セフィは一つの虚弱で、あるがため外側に対して、
よりいっそう反発の強い-貧弱な誇り-を持っているのだ。
貧弱というのは、セフィの誇りが、あまりにも他人を恐怖し、
びくびくと、いつも、いまにも見破られはしまいか、
いまにも、叩き潰されまいかと、こそこそ、こそこそと、
隠れ、逃げ回っているからなのである。
いかにも、みじめな奴だ。
しかし、セフィには、その誇りが重大なのだ。
セフィの誇りは防衛を知らぬため、
数々の悲惨な大敗、滅亡、の苦汁をなめさせられた。
その時、誇りは地に落ちる。
地に落ちて、ガラガラに、くだけ、ふるえている。
そしてセフィを、震撼させ、屈辱のどん底に落とし、
泣かせる。
身体は、唯、白痴のようにふるえる。
何も考えれず、まっ白のまま、屈辱だけを背負わせられる。
セフィの誇りとは何だろう?
確かに執念深く、貧弱なため、頑強にへばりつく、
その存在は、いやになる。でも確かに支え、ある。
セフィには具体的に誇るものは何一つない。
何の特技も才能もない。
たんれんによって身につけたものもない。
処世的に役立つものは何ひとつないのだ。
ただ、ばくぜんと、煙のように心の海原に漂っているのだ。
魂はセフィだけのものであり他人とは全く隔絶している。
世渡りに役立つ意味の誇りは無いのだ。
では何が誇りか?
内面が孤立している事が、唯一の誇りなのだ。
太陽が滅びゆく不安に、人々は、たわむれ、
おのが終末を感じる。
どうかな?効果あったかな?セフィ。
ホホホホホホ。
果たして、セフィは何を待っているのだろう・・・いったい。
kipple
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