Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

小ギア外しを作る 厚歯用

2021-08-09 20:12:00 | 製作・加工
トラックレーサーの固定ギアの脱着に使う専用工具を小ギア外しと呼びます
ロードレーサーにも同様の物を使いますが今回は自分が使い易い物を自作する事にしました





以前にも紹介をさせて頂きましたがこれらが小ギア外しと呼ばれる自転車専用工具です
最近はスプロケットリームーバーと呼ぶ事も有ります これらは自分の自転車小屋で
使う分には全く問題は無いのですが 試合会場へ持って行く時、その環境で自分にとって
より使い易い物を自作します




試合会場へはこのチェーンの付いた小振りな物を
持って行きますが やはりこの寸法では固く締まった
小ギアではかなり苦労します そんなホイールにも
対処出来る様にもう少し長いハンドルの物を作ります






鉄板を切断する為にサンダーを使います それ程多く切断
しないので気を付けて作業すればこれでも大丈夫です
事前に罫書いた墨に合わせて切断しました






今回使ったのは車用のタイヤレバーです 持ち易い太さと
強度も有りそうなので倉庫に有った物を使う事にしました







切断した後で 形を整えチェーン取り付け用の穴も開け
透明の錆止めをスプレーし乾燥させます これの形状に
ついては以前に自作した時の経験を生かしました




チェーンを取り付ける為の用意をしました






ハンドルにピンを打ち込む為のアンビル=金床に チェーンピンの
逃げ用の穴を開けています ピンを打ち込む時に使うハンマーと
ピン打ち用の道具です






チェーン切りを使い 必要な長さに切りました
ピンは抜いてしまわずアウタープレートに残します






ハンドルを用意します チェーンを取り付ける部分は
この様に加工しています チェーンピンを刺す部分の
穴は 3.8mm にしています






短い方のチェーンはこの部分に使います 小ギアを
当ててみるとこんな感じです




ギアの外周に沿う様にハンドルの一部を凹ませて
チェーンの逃げを作っています






ではチェーンを取り付けます ピンを叩き込みます






ハンマーだけでは上手く叩けないのでピン打ちを使います




チェーンピンを打ち込む時 ピンの頭がアウタープレートから
少し飛び出します その頭を逃がす為に開けたアンビルの穴です






チェーンを取り付けました しかし・・




ハンドルの凹み部分とチェーンの間に隙間が出来ました
これでは少し不安が有ります 赤丸部分の黄色く印を入れた
部分をもう少し削りましょう






打ち込んだチェーンピンを抜きチェーンを外します
使うのは 3mm のポンチです これでピンを打ち抜きます






チェーンピンを打ち抜きました この時もアンビルの
穴が活躍します






では削りましょう これが無ければもう製作作業は
終わっていましたね 仕方が無いですもう少し作業を
楽しみます




手直しの切削後、再度錆止めを施し 乾燥させました
塗料が乾いたので作業を再開です








まずはチェーン切りを使いチェーンを切ります 下記は大切な事です
多段用ナロータイプのブッシュレスチェーンはピンを抜いてしまいます
しかし今回の厚歯 1/8 や 薄歯 3/32 のブッシュチェーンはピンは抜いて
しまわずアウタープレートに残します






それはこの様な状態にする事で チェーンピンを再利用します
自転車整備をする上では大切な基本です



しかし・・

しかし 新たにチェーンを装着すると削り過ぎていました
それに依りチェーンがルーズになり上手く小ギアを銜えられ
ません・・ 
削った所を溶接で肉盛りをして再度整形しました 流石に写真を
撮る余裕は無かったです






再度錆止めをスプレーし乾燥させました 黒い色が剥げているのは
溶接の熱でそうなります これはこれで良い雰囲気が出て良いです




わずか溶接の肉盛りの後が見えます 色が剥げたので
ついでに研磨用のフラップホイールで磨いておきました






さて3度目のチェーン取り付けです






このハンドルの端が太くなっています そこが有る為に
ピンの打ち込みが結構難しいです




短い方のチェーンが取り付きました 今度は大丈夫です






長い方のチェーンを用意しました 小ギアに巻き付く方です
こちらは単発なのでそれ程難しく無く取り付けられます






これで完成です 随分遠回りをしましたがやってみない事には
解らない事も有ります 今回の失敗は凄く良い勉強になりました
失敗して物は覚える 自転車整備もその通りでとても大切な事です




ここだけでは有りませんが 要となる部分の工作部分です






実際に使う時はこの方向で使います これは正ネジの小ギアを
緩める方向です ハンドルは下に力を入れます 充分、体重も
掛ける事が出来るので少々締まったギアでも大丈夫です




これは小ギアを締める方向です




13~16T までの小ギアで試してみましたが問題は無さそうです








先日の JBCF 西日本トラックでは 持って行った小ギア外しでは
外れないギアが有り人の工具を借りる事が有りました これは決して
良い事では無いので、自分が使い易く確実に使える工具を作りました
これからはこの工具箱に入れて行きます サイズは箱に合せた 34.5cm
で作っています





工具一つ作るのに随分長い記事にお付き合い頂きました この太さのハンドルは
私の手の大きさに丁度良かったです ハンドル周囲に盛り上がったリブが剛性を
高めてくれている様で強度的にも安心して使えそうです




 
これだけの工具を揃えていても 使う場面に依ってはもっと使い易い物を・・と欲望が衰えません
そう言う感覚がある間はまだ選手の自転車を触らせてもらえるかな もう少し頑張ります

コメント
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