真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

子持ち様批判

2024年05月13日 | Weblog
今の日本では、少子化が進み、現在の子育て世帯はたった18%と少数派だ。子どもを育てたことのない大人が激増していることは子持ち様批判を加熱させる一つの要因となっている。

「子持ち様」とは、子どもを持つことを理由にマナー違反があったり、周囲との軋轢を生みだしてしまう親のことを指すネットスラングだ。確かに経験したことがないと、さまざまな事情や状況を理解し難いことは事実だ。

「子持ち様」批判の背景にある社会変化とぢては、

一つ目は、SNSの発達だ。テクノロジーの変化によって、みんなが薄々思っていたことが簡単に共有・拡散されるような社会がに変化したこと。

二つ目は、子どもを育てた経験のない大人が増えているため、子育ての苦労を経験しなくなっており、寛容になれなくなっている。数の上で子育て世帯と非子育て世帯の差が深まって、子育ての苦労を「お互い様」と割り切れなくなってきている。

3つ目の変化は、子育て負担の外部化・社会化の影響だ。出産後も女性が就業するようになると、これまで家庭で抱えてきた子育て負担を別なところで対応する必要が出てきた。

企業の中では女性の子育て負担をさまざまな方法で対処し、安定的に労働時間が確保できる子どものいない働き手(未婚者等)に負担が偏る。

異次元の少子化対策では児童手当の拡充を含め、子育て世帯への支援を強化する予定だが、この財源は、公的医療保険を通じた支援金制度を用いて、子どもの有無に関わらず幅広い世帯から徴収する。このため、非子育て世帯からすれば、金銭的負担が増えるだけと感じてしまい、不満がたまる。

増加する非子育て世帯が子育て負担の外部化により、SNS等でその意見を共有しやすくなったことが「子持ち様批判」につながった。

現在の「子持ち様批判」の背景には、社会環境の変化によって「子どもを持つ人々」と「子どもを持たない人々」の経験や価値観が共有されづらい点が影響している。

「子どもを持つ人々」には、子どもを持たなかった場合の人生の経験や価値観、そして「子どもを持たない人々」には、子どもを持った場合の人生の経験や価値観が相互理解されづらい環境にある。 

人にはそれぞれの事情があり、自分が選択しなかった人生への理解を深め、その環境に自分がならないと理解はできないということだ。

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