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木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

りんごアップルジュースについて

2011-07-17 18:00:36 | 憲法学 判例評釈
一般に、二重否定は肯定の意味になるが、二重肯定は否定の意味にならない。

たとえば、「わたしはウソつきではない、わけではない」という二重否定。

これは、わたしはウソつきだという肯定の文章になる。

(クレタ島のパラドクスを例文にしたため、話がややこしくなった。
 どうやら、わたしには、正しい例を挙げる才能がないようだ。)


他方、「わたしには夢がある、と断言できる」と二重肯定。
別に否定にならない。


しかし、二重肯定は否定にならない、というのは本当なのだろうか?

ここで次のような例を考えて頂きたい。

あなたは、いま、ジュースを買おうとして、自販機の前にいるとする。
そこに、このような商品があった。

 「リンゴあっぷるジュース」
リンゴの上にアップル。

リンゴであることを痛いほど強調しているが、
なぜか、これは少なくともリンゴではない、という空気が漂わないだろうか。


さらに、このジュースに次のような()を付け加えてみよう。

 「リンゴあっぷるジュース(リンゴ味)」

リンゴジュースがリンゴ味なのは、当たり前なのに、
もはやこのジュースは、絶対にリンゴジュースではない。


このように、二重肯定というのは、否定にならないとされているが、
相当に怪しい空気を醸し出すのである。

もちろん、このような一例だけをもって、二重肯定一般を貶めるのは妥当ではないかもしれない。

しかし、次のような一文を見てほしい。
大学説明文の案内文である。


 「ハーバード大学(教育水準は大学並みです)」

・・・。

大学が大学並みの教育を行うのは当たり前である。

しかし、どうだろう。
あのハーバード大学ですら、二重肯定の()一つで、台無しである。




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