木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

チーズ入りハンバーガー

2011-08-06 18:09:16 | 憲法学 判例評釈
周知の通り、パンにハンバーグを挟んだ食べ物は
ハンバーガーと呼ばれる。

私は、このハンバーガーという食べ物について
若干の思い出があり、
ハンバーガーショップを見るたびに、それを思い出してしまう。

周知の通り、ハンバーガーショップは、
日本のいたるところにあり、この結果、
私は、しょっちゅうその思い出を想起させられることになる。

さて、若干の思い出というのは、次のようなものである。

私の友人に、トミナガ(仮名)という人物がいる。

ここで、この人物がどのような人物か、若干説明をしておこう。

彼は、非常に理論的な男であり、その才能は小学生にして既に開花していた。

小学生といえば遠足。
遠足といえば疲労。
そして、遠足における疲労といえば
「はーい。疲れたっていわない。
 みんな疲れてんだから。」という先生のお小言である。

トミナガは、このお小言がたいそう気に入らなかった。

トミナガの言い分は、
「自分は、クラスでも特別に疲れやすい体質なのであり、
 ゆえに、自分は他人とは比較にならないほど疲れている。
 よって、自分には疲れたとほざく権利がある。」
というもので、この発言は非常に論理的である。

そして、このトミナガ理論は、論理的である上に、
「特別に疲れやすい体質であるかどうか」について、
客観的立証が困難を極めるため、
「この判決は通常判断能力を有する一般人の観点から見たとき相当だ」
という裁判官の発言並みに反駁困難である。

ただ、一つだけ確かなのは、
この発言に触れた担任の先生の疲労こそ、関係者随一だったであろう、
ということだけである。


・・・。

さて、時代流れて、トミナガの高校では、次のような問題がおこっていたという。

トミナガのクラスでは、文化祭の模擬店でハンバーガーをやろうということになったのだが、
そこで、チーズバーガーをメニューに加えるかどうかが、論点になった。

それが論点になる、という時点でかなりいかがなものかと思われるが、
それは次のような論点であった。

実は、その高校の文化祭実行委員会では、
牛乳や生クリームなどの乳製品が内包する食中毒の問題があり、
「乳製品」の使用を規制することとなっていた。

そして、実行委員会からクラス代表に対し、
「チーズ入りハンバーガー自粛してください」という通達が発せられたという。

・・・。

これだけなら、論点は生じない。
単に、チーズバーガーをメニューに加えなければよいだけである。

ところが、実行委員会は、クラス代表に次のような通達も発していた。

「校長先生は、チーズバーガーが好物のようなので、
 ぜひ、メニューに加えるようにしてください。」

・・・。

要するに、実行委員会は、
チーズ入りハンバーガーはメニューに加えるなといいつつ、
チーズバーガーをメニューに加えろという、
冗談もたいがいにせい、という通達を送ってきたのである。

トミナガのクラスでは、この二通の通達をめぐり、大変な混乱が生じることになった。




・・・というのが、私のチーズバーガーの思い出である。

なお、このトミナガの話は、小学校の遠足の話の部分を除き
ある最高裁判決の判旨をもとに創造したフィクションである。
(フィクションかい!)

次回は、この最高裁判決について語ることにしたい。


PS
ピンクのクラゲのブログテンプレートにかえようとしたのですが、
残念ながらクラゲがなかったので、おさかなにしました。

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