私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

「毎月勤労統計」不正は人事院、会計検査院、総務省行政評価局によっても内閣・官僚統制が出来ていないことが明確になり政権の腐敗が深刻です。

2019年02月27日 | 政権の隠蔽体質

 

蘇原自然公園へカワセミ 

私はこの2か月間、安倍政権の森友問題や、集団的自衛権による自衛隊強化、憲法改正問題をテーマにしたブログを書き換えることをしませんでした。

森友問題での公文書隠蔽、改ざんが大蔵省、文部省の国家公務員と官僚による犯罪であることがはっきりしてくると、政府と行政機関はこの疑惑隠し逃げの答弁に時間をかけて国会審議を続け、政権に近い官僚や閣僚は忖度により口を閉じています。

安倍内閣の各疑惑を隠したまま臨時国会を終結としました。

昨年暮れから今年にかけ3か月間、今度は統計不正疑惑を通常国会で審議を続け、不適切調査処理を指摘されながら、その統計調査の変更を誰が始動・指示したか明らかにしないで、各担当大臣が深々と野党に頭を下げて、時間を稼いでいるだけです。

基幹統計は正確性が確保されなければなりません。

政府内の国家機関が業務の実施状況を大企業と中小企業の調査の対象にするとき、国民の生活や賃金に影響する調査の一部を勝手に変えたり除外しました。

その結果が、雇用保険料、育児休業中の給付金、けがや病気に対する労災保険給付金等に影響が出て、組織的統計不正を見逃して来ました。

どうして全数調査でない不当な一部調査が許されるのですか。大問題です。

この統計不正は大きな行政上の問題で、法に基づかない違法な調査により、何千万人の労働者・家族に多大な損害を出したときは行政処分を科したり被害の保障をしなければなりません。

政府はこの不正により明らかになった未支給分は直ちに追加支給を、生じた損害について保障が出来なければ法改正で、損害金を追加支給をする必要があります。

統計不正に違法行為があれば、警察又は監督行政機関は強行手続きによる捜査を行うべきです。

行政監視法規を見てみましょう。

 1.人事院について、国家公務員法17条では「人事院又はその指名する者は、院の所管する人事行政に関する事項に関し調査することができます。」

 2.行政監視機能について、総務省設置法4条では「各行政機関の業務の実施状況の評価及び監視を行うことと、その業務の実施状況に関し必要な調査を行うこと」を規定しています。

 3.会計検査院については、同法20条で「法律に定める会計の検査を行う」と定め、通常会計検査は「会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」としいます。

   会計検査は「正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点その他会計監査上必要な観点から検査を行う。」としています。

行政機関の保有する情報の公開法

   第1条には、「国民主権の理念に則り、行政文書の開示を請求する権利につき定めることから、情報の一層の公開を図り、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務を全う図ることする。」として公正で民主的な行政を推進しています。

 国または地方公務員の行使に基ずく損害賠償責任

    国家賠償法第1条には、「その職務について、故意過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国・公共団体はこれを賠償する責に任ずる。」とあります。

安倍政権では、森友問題や自衛隊の日報隠蔽などの不祥事に加えて、今年に入り毎月勤労統計の問題が出て来ました。

政権の体質に大きな問題があって、腐敗が相当に進んで来たからだと考えます。

2014年に安倍政権は内閣人事局を発足させて、各省庁の幹部人事を首相一人が握ったことで、キャリアを目指す人たちが官邸に集まり官庁の公務員や官僚が首相に忖度し始めたのです。

安倍首相は4期目に入り、在任期間は歴代最高を記録し、歴代内閣が禁じて来た集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈を変更をし、自衛隊を憲法に明記する憲法を改正を目指しています。

麻生財務相、根本厚生労働相、柴山文科相など責任を果たせない大臣を抱える政府の腐敗が急速に進んでいます。

安倍一強内閣は、これほど酷い勤労統計不正を続けながら、国会で責任ある答弁をせず、証人隠しで言い逃れで済ませています。

毎月勤労統計不正で厚生労働省の特別監査委員会は先月、追加再調査報告書を纏め結果を公表しました。

追加再調査報告書では、先に1月に行った調査結果報告書と同様に組織的隠ぺいを否定し不正の上塗りをました。

追加報告書でも監査員の独立性が疑問視されます。

行政監査機能が働かないのは、幹部候補の官僚がトップの次官を目指す中、零れ落ちる人が天下りしてくるシステムになっているからです。

行政監視を担う組織も、各省庁と結びつく法人への再就職と各省庁とつながり、行政監視を担う会計検査院、人事院、総務省が繋がってしまい独立性を失うのです。

隠蔽否定の理由として、報告書は、鈴木事務次官ら幹部は不正を認識せず、隠蔽の指示をしていなかったうえ、担当課レベルでも綿密な打ち合わせや周到な準備の形跡がなかったことを挙げています。

追加再調査報告書認定には大きな疑問があります。

隠蔽行為を「違法行為を認識しながら意図的に隠そうとする行為」と定義して判断していますが、担当者が大企業が抽出された調査であることを知っていながら有識者検討会の場で全数調査だと説明していたり、別の担当者が抽出調査が不正だと認識していたため総務省に説明できなかった事実があっては、違法行為を認識することは有り得ません。

追加再調査も公平な第三者による調査と言うからには委員構成から疑問があります。

樋口委員長は、厚労省の外郭団体理事長であり、前回調査では厚労省職員が対象者を聴取してたり、報告書の原案も職員が作成していて監査員の第三者性に疑問符がついています。

日本弁護士連合会の第三者委員会のガイドラインは、企業から独立した委員のみで構成されると定めています。

政府与党は、国会審議でも第三者機関による原因究明にはアベノミクスの成果を強調したい時期で、政権関与があったと疑われたくなかったからです。

国民の代表である国会には、行政監視の役割があります。その責任は与野党共に持つべきです。

3月1日予算の衆院審理が終わります。

政権の改革が望めず、政権の腐敗は留まることなく深まり、公務員の不祥事はさらに拡大するでしょう。

まだ参院が残っていますが、与党は行政監視の役割を忘れて、長々と言い逃ればかリ続け、疑惑を晴らすことなく会期を閉じるでしょう。

蘇生

 


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