私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

選挙に負けた野党四党は、安倍政権の暴走を止められません。死をかけて書き残した巨泉の遺書は無視されました。

2016年07月21日 | 平和憲法

 

 

 愛知県犬山市 木曽川河畔

野球では、西武フアンの私は、巨人フアンの大橋巨泉は好きでありませんでしたが、11年間のがんとの闘い後、82歳で亡くなりました。

巨泉さんは私より2歳年長で、同世代で戦争を直に知る体験者であることが、安保政策や、平和憲法を守る強い意志は変わらず残っていたのだと思われます。

巨泉さんは「週刊現代」に20年以上連載してきた「今週の遺言」をがんとの闘病中も続けていました。4月には体調不良で休載していました。

しかし、参院選投票日を迎えて、巨泉さんは死んでも死にきれない「最後の遺言として書いておきたい。」として、「安倍首相の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい。」と参院選では野党に投票を呼びかけました。

巨泉さんは、永六輔さん83歳など戦争を知る世代が次々と亡くなって行く中で、今の世代に危機感を持ったのではないでしょうか。

巨泉さんは、参院選の結果を知らないで亡くなったことと思いますが、選挙での安倍政権与党の議席獲得数三分の二の実現で、時代は大きく改憲に進んで行くことが明確になりました。

野党四党側は改憲阻止にむけて共闘を組みました。一人区では善戦し、共闘の効果を発揮したものの、六年前の議席獲得数には届かず、自民党単独過半数の阻止はできませんでした。

与党が三分の二議席を占めたことは、選挙において、改憲は争点外しが的中したことで、国民の警戒心を外した結果です。

選挙での野党の憲法違反、違憲法制、違法審議の主張は、空振りに終わり、次回の国会でこの主張を繰り返すことはできません。裁判所に訴訟を提起する他ありません。

しかし、憲法学者らが訴訟を提起しても、最高裁が違憲の判断をすると思えません。

厳密な法解釈からは、違憲判断が最高裁で可能であるとしても、参院選で何時でも憲法改正の発議をすることが可能になった今国会では、安倍政権の1億総活躍社会・アベノミクス・積極的平和主義によって、戦前のような好戦的国家になることは容易に想像できます。

一泡吹かせかった安倍政権の野望は、夏以降に恐ろしい姿を見せてくれます。

安全保障関連法の施行に伴い南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された自衛隊350人の武器使用範囲が広がっています。

今月上旬、自衛隊員のいる首都ジュバで大統領派と副大統領派との間で戦闘が発生、自衛隊は外での活動は中止しているものの、宿営地にこもっています。英国やドイツは一部隊員を首都から退避させていますが、自衛隊は首都ジュバのままです。

安倍政権は春の国会において、安保関連法のPKO法改正で外国の宿営地の囲いの中に一緒に居る多国籍軍を守るための武器使用ができるようにしました。

宿営地の共同防衛であっても、海外での外国軍に対する自衛隊の武力攻撃を、憲法が認めないことは明らかです。

憲法では、自衛隊には専守防衛しか認めていません。戦争や紛争地が外国である集団的自衛権の行使を、憲法は認めていません。安倍政権は、憲法改正をしないで外国に自衛隊を派遣しているのです。

今年の夏からは日本はどうなるのか。好戦的国家を選択した国民は、後世の人々に対する責任を感じなくてはなりません。

日本が、現行憲法を制定したのには、太平洋戦争で320万人の日本の戦没者を出し、中国350万人、インドネシア400万人、米・比人民120万人以上を犠牲にして結んだ関係国との講和条約によることを国民一人一人が肝に銘じておくべきです。

日本は、ポツダム宣言を受託し、国民のすべてが太平洋戦争による犠牲と、大きな損害を対戦国に与えた責任を果たすため、誓約したのが憲法です。これを押し付け憲法と主張する自民党は以ての外です。

憲法の作成に当たった政府の関係者は、国民に代って、全力を尽くしたのです。押し付けだとは当時の政府関係者は誰もいません。

グローバル化した今、世界全体に政治状況が流動的になっています。欧州連合、米国、トルコ、スペイン等、刹那的な共感や反発によって、政治は動いています。

インターネットの発達が影響しているのです。グローバル化した時代には欧州連合のように、国境を取り除いて、多種多様な国民を束ねていくには、表現風刺の自由、宗教の自由、政教分離の原則、移民入出国の自由を認めて行くことが必要です。

イラク戦争の結果生まれたのは、同時テロを世界中で引き起こす「イスラム国」です。テロを非難するのでなく、戦争は、仕掛けた国とそれを受けた国で、その損害についてきちんと清算を付けておかなければなりません。

国連などの機関が、当事国の間に入りイラク戦争の総括を急ぎ、各国に責任を取らせるべきです。最近の国際紛争は、その解決を殆どなされていません。

国連が無力化して、放置しているから、無秩序な戦争や、紛争が止まらないのです。

今や、G7や20Gの各先進国には、ナショナリズムがはびこっていて解決できる力はありません。

テロ行為が頻発するから、善良な市民が犠牲になる。イスラム国は悪魔だ。世界から抹殺すべきだ。

こんなことを、各国は何時まで続けたいのです。イスラム国の敵は、白人、キリスト教徒その他、有志連合国の人なら誰であってもよいのです。

イスラム国が生きていく道は、何処にもありません。20世紀のユダヤ人と同じです。

哲学者内山節は「ゆがんだ関係を正す努力を」求めています。6月5日中日新聞[座視]引用

「日本の伝統的な道徳観や倫理観は、ゆがんだ関係を自然な関係に戻そうとする意志とともにあったのである。」「自然と人間の関係のあり方や、人間同士の関係、一人一人と社会の関係のあり方を見つけ出そうとしてきた。」

世界に向かって、経済成長と軍事力(有志連合)で解決をする好戦的な安倍政権では世界を纏める力はなく、国連を中心に国連平和維持活動で難民対策、イラク戦争の関係国会議、イスラム国との対話を急ぐべきです。 6月5日中日新聞[座視]引用

国連は、5常任理事国の拒否権によって、機能しなくなっています。5大国は最早、解決するための強力な財力も軍事力も自国を纏める力もありません。

その5か国から、拒否権を返上させ、停止をして、常任理事国を排し、逆に、G5やG20国でない中小50か国を安全保障理事国に選定すべきです。

世界に生じているゆがんだ関係を、正していく精神を持っている日本人が、政治や経済、国際社会と向き合っていくことが大切でないでしょうか。

蘇生

 



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3 コメント

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Unknown (S)
2018-09-30 14:13:05
専守防衛を決めたのは中曾根内閣の時の閣議決定です。だからもう一度閣議決定やれば専守防衛なんてあっさり否定できます。
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Unknown (S)
2018-09-30 15:59:08
大橋泉なんてただの一タレントではないですか。べつにいじんでもないし世論に大きな影響を残したわけでもないもう死んじゃってるし若い人は知らないそんなにタレントが偉いのだろうか。あんたみたいな人が自分のパフォーマンスのためだけに北朝鮮へ行って北朝鮮のスポークスマンとして利用される、アントニオ猪木みたいな仕事のできないタレント議員を増やすのだね。
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Unknown (S)
2018-10-29 01:11:50
専守防衛は憲法に書いてあるわけではありません。
中曽根内閣の時のただの閣議決定です。だから改めて別の閣議決定をし直せばよいだけです。
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