私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

21世紀に入り、世界に広がる不信感、民衆の悲憤、格差社会と絶望感、地球の自然環境は地球生物の終末を示しています。

2017年01月07日 | 地球の大変動

 

 関日本刀鍛冶打ち初め式

人間の英知は、どんな困難が生じようとも戦争を繰り返しても新しい社会制度、高度な技術の開発、宗教対立の融和、自然保護の確立で19世紀には考えられない豊かな生活をエンジョイするようになりました。

ところが20世紀に獲得した制度は、21世紀に入って共産主義も資本主義も王政においても理想とする経済力の安定的成長による富の再分配システム確立が、経済競争の激化で市場原理主義が台頭して新興国が経済力と競争力をつけて来て、先進国の経済力は低下を始めました。

世界はグローバル化により、どこの国においても格差社会が常態化し、社会保障を軸とした再分配システムが機能不全に陥りました。

超大国の米国においてさえ、中下流層から金持ちや支配層への怒りが爆発して、大統領選挙では移民や難民問題から中年の白人労働者の不満を吸収したトランプ氏が大統領に当選しました。

米国では富裕層の上位1%が全国民の収入の22%を占めています。日本の倍以上です。貧富の格差は、平等・公平という社会の根幹を揺るがして、中間層が貧困化して階層の固定化が進み活力を失っています。展望が開けない生活苦は欧州や日本でも同様です。

英国では、グローバル化により移民や難民問題が重なり、経済的弱者の救済が問題になっています。

英国は、増えすぎた移民によって失業率が高くなった労働者階級と都市の中上流階級50歳以上が、住民投票で欧州連合離脱を選びました。

欧州連合離脱に賛成した地域別では、ロンドンを中心とするイングランドが53.4%にのぼりました。

この反既成政治の流れは、17年選挙イヤーで欧州全体に広がっています。3月のオランダでは極右派の自由党が第1党を伺い、フランス大統領選も中道右派共和党と極右・国民戦線の一騎打ちに、秋のドイツ総選挙で反難民・移民の「ドイツのための選択肢」の躍進が予想されています。

欧州の極右政党の進出は、先進国の経済力の低下により、中上流階級が貧困化しています。収入での借金返済難ができず、貧困化しているからです。

米国は、変化を期待して危険な賭けに出ました。支配層への怒りが爆発してトランプ氏に舵取りを任せました。米国民は、金持ちと権力者から白人労働者が国を取り戻そうとしたのです。

政策論争よりも中傷合戦が前面に出た選挙でした。トランプ氏の演説から見えるのは、自国第1主義、ポピュリズム、ファシスト、過激リーダーです。女性や障碍者をさげすみ移民を排斥する暴言があります。

トランプ氏を支持した白人労働者は技術革新が招いた産業の空洞化により、失業を免れた人も収入が伸びていない人たちです。

貧富の格差は拡大し、米国の上位10パーセントの占める富豪が、全体の資産のほぼ半分を保有しています。トランプ氏支持者は、グローバル化の恩恵を受けられず、いつの間にか取り残されて階層の固定化が進み、展望の開けない生活苦が投票の背景にあります。

所得階層の間の分断は極めて深刻です。日本では国際的にみて税負担は軽い国です。軽い分は、教育や医療費などが自己負担として跳ね返って来ます。中間層が減りワーキングプアが増えて来て、生活する上でのリスクは個人が背負うには重くなり過ぎています。

安倍内閣は2度にわたり消費税引き上げを伸ばして来ましたが、貧困者の個人の負担を社会全体で負担し合う仕組みが必要になって来ました。

「アベノミクス」が生活をどれだけ豊かにしたでしょうか。国の借金である赤字国債を増やし、その付けを若者に残しただけです。

英国の欧州連合離脱、米国の大統領選の弱者批判、ポピュリスト、過激リーダー当選には呆れて言葉がありません。

両国は20世紀には世界中の国々を自由、平等、博愛主義で誘導して、争いを解決に導いて来た国です。フランスとドイツは今も何とか欧州連合を守っていますが、今年の選挙では右翼の反乱で、どうなるか分かりません。

現在の国家は、国民に信任されているのでしょうか。国民は、国家自体を信任する必要を感じていないように思われてなりません。選挙での政策目標は、どの党も同じようで区別がつきません。

投票率が低くなるのも仕方がありません。だから大きな声で、激しく、格好いい言葉を繰り返していれば当選します。

戦争が刻々と近づいていても、今が平和、自由、平等であるとして国民一般は差別や人権に反応がないのです。

20世紀の高度成長期に企業と労働者は好景気による資産を蓄えるとともに、生活は向上して消費は厳選することなくゴミを増やし石油、石炭を無制限に消費して二酸化炭素を排出して来ました。

森林伐採、内陸部の乾燥、田畑の住宅開発を繰り返して来ました。

その結果、21世紀は、世界中で年間気温及び海水の温度上昇をにより、巨大台風、豪雨、洪水、干ばつの自然災害、海面上昇、海岸浸食、南極の棚氷の亀裂18キロメートは、千葉県に相当する面積の氷を溶かす自然破壊をもたらしました。

国連は、2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」を昨年196か国が署名して批准しました。

異常気象の増加など温暖化がもたらす影響を最小限に食い止めるのが狙いです。

この協定は、既に93か国が批准して11月に発効しました。

石炭や石油を燃やすことで発生する二酸化炭素のなど温暖化に影響を及ぼす温室効果ガスの排出量をゼロにすることを各国が守ることを約束したのです。

「パリ協定」は、産業革命前からの気温上昇幅を2度未満、出来れば1.5度に抑えることを目指しています。

昨年の日本近海の水温は3度上昇したとも言われています。世界中が「パリ協定」に初めて一丸になりましたが、実現はかなり難しいと思いますが、人類生存の維持可能性脅かされています。

日本が優先すべき温室効果ガス削減策を、世論調査では「風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーの拡大」を1位に挙げています。

世論調査の2位には、電気自動車の普及を挙げています。この効果が出てくるのはまだ先です。

第3位に、温室効果ガス削減策には石油、石炭による火力発電に頼らないで、運転が止まっている原子力発電も選択肢に入れて、安全性を確保の上で稼働すべきだとしています。

原子力発電の危険性については、世界に現在稼働中の原子力発電所は440基ありますが、今日までに炉心溶融事故を起こしたのは、世界で3発電所だけです。

福島原発事故は、マグニチュード9、津波は7.5メートルの防波堤を超えたもので、計測結果はないのですが再現計算では13メートルだったとされます。

この様な1000年間に記録がない天災による事故を、人災として日本の原発52基全てに危険性を当てはめて運転差し止めの処置を6年間続けています。

この原子力行政は、資源に乏しい国の在り方ではありません。

世界には日本の8倍の原発があります。天災で原発をすべて止めることに妥当性があるならば、原発を持っている全ての国が運転差し止めにするはずです。

福島原発事故以来、いつ来るかわからない天才に世界のどの国が運転差し止めをしましたか。

日本の原発アレルギー反応は異常だと思わざるを得ません。安全性は必要ですが、何であれ絶対的安全はありません。

1966年に初の原発の営業運転を開始し「ついに太陽をとらえた」と資源のない日本では原発を小型の太陽と呼び驚喜した国民が居ました。

それから島国日本は、原爆放射能汚染を心配しながら63基原発を建設して来ました。

以後、福島原発事故までの45年間に原子力発電により10億2,915万KWを発電して、一般事業用全発電設備容量に対する比率は19.6%を分担して来ました。

日本のスモッグ対策には大きな貢献をしています。小資源国日本はこの小型太陽の活用により、九州と北海道の炭鉱を閉山にして炭酸ガスを出す石炭火力発電を最小限に抑えました。

東日本大震災から今日までの6年間、原発事故の恐怖から、全原発運転差し止めを続けて、再び火力発電所を増設して化石燃料から二酸化炭素の排出して来ました。

世界の方向である「パリ協定」温室効果ガス削減策とは逆になっています。

天災はいつ来るかもしれませんが、島国日本は、いつもその被害対策を取っておけば被害は最小限になります。

いつ起きるか分らない天災「地震・津波・噴火・台風」の大きさによりますが原発被害ゼロ対策はありません。

運転差し止めも原発がある限り被害ゼロ対策にはなりません。

原発稼働継続して、廃炉計画を確実に進めていくことが原発被害国の残された道です。

欧州連合は、30年には発電量の45%を風力や太陽電池でエネルギーを賄う計画です。

日本では再生可能電力を26%を目標にしていますが、具体策がありません。

原発稼働反対を叫んでいるメデアと原発被害者支援会には、反対を続けるのであれば税金や電気量に付加するのではなく、原発を廃炉にする手立てを考えて欲しいと思います。

蘇生

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


日本人の平均寿命80.67歳を超えました。中高大学校同級生はまだ半数以上います。戦争を知る老人は、日本について語る場が無くなりました。

憲法は、アメリカのマッカーサーに準備してもらったかもしれませんが、一院制を二院制に、土地を国有から私有に替えたのは帝国議会草案でした。 議会の審議では自衛戦争の放棄は草案の中にあり、吉田首相も正当防衛や、国の防衛権による戦争もしないと壇上で明確に述べていました。 草案は、衆議院は反対八票の絶対多数で、貴族院の満場一致で可決しました。 ただし、衆議院では九条二項に「前項の目的を達するため」を加えて修正しました。二項は戦力を保持しないとしており、後に、自衛のための戦力が議論されることになりました。 憲法改正から68年の昨年は、安保法改正で国会や、法律家、若者、お母さんが、戦争を意識させるとして、議論されるようになりました。 平和は、日本だけでなく、世界中が戦争をしない国にしないと続きません。しっかりと政治を見て行きたいと思います。