漆黒の中、蝉が鳴く。
夜明けの蝉
森はなく、コンクリートストリートが並ぶ。
壁に貼りついているのだろうか
ひと夏の命
精一杯
鳴いて。
昨日は、日中の激陽の下
350度の高熱で鉛を溶かしハンダ付け。
水分発汗の身体は重かった。
寝床に横たわるが
夜気の暑さは残っていた。
カーテンを手探りで開ける。
夜明けの蝉2
時は4時34分。
蝉は夜明けを知らせる。
朝陽を浴びて幾万年前のティラノザウルス
現代に蘇りコンクリートブロックを食いつぶす。
静かに待っている。
若者とび職が、リュックを背負い、
若者とび職が、リュックを背負い、
現場事務所に次々と入る。
逞しい青年に幸あれと願う。
老いたる私だが
働く意欲は、若者に負けない。
【BS日本・こころの歌】青春時代 − FORESTA