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タラソテラピー (2)



『海水効用論 付 海浜療法』・・・
自然療法を研究する私たちの領域です。

エンジェルファームの自然療法では、死海(イスラエルの湖・デッドシー)の原水、塩、海泥を活用します。

そういうこともあって日本のタラソセラピー(海洋療法)を知るため
これを読みたい。アマゾンで買おう! と思ったら無いです。
無理もありません、明治13年(1881)の著作です。

著者の後藤新平は当時、愛知県病院長だったそうです。
愛知県常滑市に治療目的の海水浴場を開いたのが1881年。
浴衣姿で海水に漬かるだけで泳いだりはしなかった。
つまり温泉湯治するのと同じだったんです。
「塩湯治」と言われた。

司馬遼太郎の「坂の上の雲」の時代です。
著者・後藤新平は医師出身ですが、台湾総督府民政長官。満鉄初代総裁。逓信大臣、内務大臣、外務大臣。東京市第7代市長、ボーイスカウト日本連盟初代総長。東京放送局(のちの日本放送協会)初代総裁。拓殖大学第3代学長を務めた、あの時代らしい怪物です。

『海水効用論 付 海浜療法』は後藤新平の若い医師時代の著作です。
ネットに目次がありました。

海水浴及ビ海浜療法
 波動
 温度
 化機的成分
 空気
 海水浴ノ直達作用
 海水浴ノ治療上一般ノ功用
 海水浴ノ応用症ヲ論ス
 海水浴ノ禁忌
 海水浴ノ用法
 海浴
 温浴
 灌漑法
 膣内注入法
 灌腸法
 内用法
 浜砂浴
公私衛生上ノ注意
 浴場ノ選択
 浴ヲ行フニ適セル季候
 浴地ニ赴ク旅中ノ注意
 飲食摂生及ヒ浴場医士
 運動遊戯
 浴場及ビ療養地ニ係ル衛生警察的主催ノ権限及ビ「モール」氏ノ所説

何としても読みたいです。
明治維新後の日本の海水浴はこうして西洋医学の医療として始まったんです。 何か「膣内注入法」とか「浣腸法」という内容もあります。

この時代の医療としての海水浴についてWikipediaが列記しています。

1880年 - 沙美海岸(岡山県倉敷市玉島)に医師=坂田侍園の薦めで、海水浴による療養施設の為の仮小屋が建設される。
1881年 - 兵庫県須磨海岸にオランダ人医師W・ハイデンによって医療目的の海水浴場が設置される。
1881年 - 医師だった後藤新平が愛知県常滑市大野海岸 千鳥ヶ浜に海水浴場を開く。
1882年 - 沙美海岸に本格的な海浜病院を建て、村営海水浴場開設。
1882年10月9日 - 三重県伊勢市二見町の立石浜、オランダ人の医師ポンペからオランダ医学を学んだ初代軍医総監の松本順によって日本最古の海水浴場として国に指定。
1884年 - 三重県二見の旧二見館前に海水浴場が移設され、二見館に海水温浴設備が設けられる。
1885年 - 内務省初代衛生局長=長与専齋のすすめにより鎌倉由比ヶ浜の三橋旅館が海水浴場を開設したことを東京横浜毎日新聞で広告。
1885年 - 軍医総監の松本順が、健康法の一つとして神奈川県の大磯海岸照ヶ崎海岸を海水浴場に認定。当時は「湯治」のように、ただ海水につかったりあがったりを繰り返すだけだったようだ。しかし、まもなくレジャーとして発展し、1898年に発表された『鐵道唱歌』には、「海水浴に名を得たる、大磯見えて波涼し」の歌詞が見られる。

明治維新後、医療として始まった海水浴がレジャーになっていき
塩湯治は医療でなくなるわけですね。
それはおしいことだと思います。
医療として復活させましょう。
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