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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

腎機能低下の本当の指標は

2021-07-26 10:23:10 | 健康・医療
日本人の色々な病気の患者の推定値が発表されていますが、あまりにも多く信頼度が下がっているような気もします。

例えば高血圧は設定値にもよりますが、多く見積もると2000万人から4000万人という数値が報告され、糖尿病も400万人(予備軍も含めて1000万人)、認知症が500万人、慢性腎臓病が2100万人などとなっています。

もちろん重複している人もいますが、これでは日本人の半数近くが何らかの病気にかかっていることになります。今回は腎臓病について取り上げてみます。

腎臓も沈黙の臓器で、なかなか症状が出ず、健康診断でも悪い数値が出ないことが多いとしています。慢性腎臓病は腎臓の働きが徐々に落ちて行く病気で、糖尿病や高血圧など生活習慣病が引き金となり、発症することが多いといわれています。

また日本は人工透析を必要とする重篤な腎臓病患者も多く、約37万人もいます。人口当たりの透析患者数は台湾についで第2位(2017年)で、毎年4万人のペースで増え続けています。

私の友人にも人工透析を受けているのが2人いますし、知人の関係で透析患者の話はよく聞くくらい多い気がします。こういった事態になっている理由は、腎臓病の前段階である慢性腎臓病を早期発見できていないためという説もあります。

健康診断では「血清クレアチニン」や「尿素体窒素」などの腎機能の数値を測定していますが、初期の不調は測れず、数値に異常が現れるのは相当深刻な状態になってからのようです。腎機能の早期発見には、「尿アルブミン」検査が不可欠としています。

これは尿の中にアルブミンというタンパク質がどの程度出ているかを調べるもので、腎臓が弱ってきた初期の段階でも変化を示します。アルブミンは加熱によって固まるタンパク質で、肝臓で作られます。血液中のタンパク質の60%を占めていますが、尿ではほとんど検出されません。

通常の健康診断では尿中のタンパク質の検査をしていますが、多分これで陽性となるよりはるかに少ない量を検出する必要があるのかもしれません。

ここで推奨している「尿中微量アルブミン」の検査にはどんな機器が必要か分かりませんが、まだ簡易検査ができないのかもしれません。腎臓が悪化して人工透析を受けるようになると、約5時間の治療を週3回行わなければならず、生活の質を大きく低下させます。

また血管が痛み動脈硬化が著しく進むなど、心不全や心筋梗塞、脳卒中といった血管系の病気のリスクも高まるようです。そこで尿中微量アルブミン検査を推奨しているわけですが、私は本当に腎機能を改善するような治療法があるのかやや疑問に思っています。

それでも早期発見をすれば、食事療法など慢性腎臓病を改善できるのかもしれません。

オリンピックついに開幕 開会式

2021-07-25 10:26:22 | 時事
国民の多くが開催に反対していたオリンピックがついに始まりました。

聖火リレーもほとんどなく、しかも無観客という異例の開催になりましたが、やるからには成功してほしいものです。

昼にブルーインパルスが描く5輪マークを見ていたのですが、残念ながら雲が多くしかも風が強かったため、すぐに消えてしまいうまく描けたようですが、全体を確認することはできませんでした。

さて開会式ですが、無観客というのはあまり違和感を感じませんでしたが、非常に静かなパフォーマンスから始まりました。私の感じとしてはやや暗く地味すぎる印象がありましたが、どうもこの感じはその後も続いたような気がします。

日本らしさを出すとあまり派手な演出にならないのかもしれませんが、いわゆるサプライズ的なこともなく終わってしまいました。あまりにも真面目過ぎた演出だった気がします。

続いて選手入場となりましたが、このBGMがゲーム音楽というのは良かったのかもしれません。私はゲームをしませんが、どこかで聞いたことのあるような音楽でした。

入場順は国名を日本語表記にしたときのあいうえお順という日本以外分からないものでしたが、少しは日本らしさを出したのかもしれません。このプラカードの文字も漫画の吹き出しをモチーフにしたといっていましたが、あまり感心するものではありませんでした。

イギリスは「い」で入って来るのではなく、英国として「え」になっているのはややおかしな感じもしました。しかし当然全員マスクをしていますので、各国の選手で知った顔を見たかったのですが、全く分からないというのもつまらないところでした。

入場が終わり組織委員会の会長挨拶がずいぶん長いなと思っていましたが、続いたバッハ会長はもっと長く、興味をそぐものと言えます。

その後の競技を表すピクトグラムをパントマイムで表すというのは面白かったのですが、これはテレビ向けのパフォーマンスと言えそうです。

その後空中にロゴや地球を表すのはどうやっているのかと思っていましたが、これが多数のドローンで描いているというのは、最近の技術を見た気がしました。

最後の聖火ランナーに期待していましたが、長嶋さんが王と松井に支えられて出てきたのは良かった気がします。そして最終ランナーがなんと大坂なおみが出てきました。ファンとしては嬉しかったのですが、現役アスリートでこの大会にも出場する選手というのは、ややおかしな人選という気もしました。

聖火台もそれほど素晴らしいものではなく、全体として本当に地味な開会式だったという印象です。結局やや物足りなさを感じましたが、コロナ禍での無難な開会式を目指したのかもしれません。

コロナ治療の抗体カクテル療法を承認

2021-07-24 10:25:04 | 
新型コロナの治療薬はすでに3種類が承認されていますが、これらの薬がどの程度有効なのかなどの情報は全く入ってきません。

まだこういった治療薬のデータが集まっていないのかもしれませんが、ワクチンだけでなく治療薬の存在は重要と思われます。

ここにきて厚生労働省は、中外製薬が申請していた新型コロナウイルスの感染症の「抗体カクテル療法」に使う新薬の製造販売を特例許可しました。2つのモノクローナル抗体医薬品を組み合わせ、重症化リスクがある中等症患者の他、軽度の患者が対象となる国内初の治療薬となります。

この抗体カクテル療法は、アメリカのトランプ大統領がコロナに感染した際に、未承認ではあったが使用したとされていますが、真偽のほどは明らかになっていません。トランプ大統領は感染後非常に短期間で回復しましたが、それがこの抗体医薬のおかげであれば面白い気がします。

今回承認された抗体カクテル療法は、「カシリビマブ」と「イムデビマブ」と呼ばれる2つの抗体医薬品を使用します。アメリカの製薬企業が創薬し、2020年8月に同社とスイス製薬大手ロッシュが開発、製造、販売を共同で実施すると発表しました。

両社は11月に米食品医薬品局(FDA)から治療薬として緊急使用許可を取得しました。中外製薬は、2020年12月に日本国内での開発と販売権を取得しました。今年6月に米国での臨床試験(第3相)データや国内での初期段階治験(第1相)データを厚労省に提出し、審査を簡略化する特例承認を申請していました。

ロッシュ社が3月に公表したデータによると、4000人以上を対象にした治験では、1200mgおよび2400mgの静脈内投与ともに、偽薬投与群と比べて入院または死亡リスクをそれぞれ70%、71%低下させました。投与から169日までのデータでは安全性に問題はありませんでした。

また800人を対象にした別の治験では、偽薬と比べて有意にウイルス量が減少していたようです。厚生労働省によると、政府が中外製薬と供給契約を結んでおり、準備が整い次第医療機関への配送を始める予定です。

国が責任をもって管理し、患者の費用負担は発生しないということになっているようです。私はこういった抗体医薬については、その製造の難しさとそのために出る価格が高くなる、投与方法が注射しかできないといった点であまり好きではありません。

この国の管理ということでどの程度一般に使用されるのか分かりませんが、無料供給であればよいのかもしれません。どちらにせよ治療薬が増加することで、治療の選択肢が増えればコロナの重症化や死者を減らせることは確かでしょう。

老化研究者が指摘する老化を遅らせる方法

2021-07-23 10:25:24 | 健康・医療
最近多くのメディアが老化を取り上げるようになり、タンパク質の老化産物と言われるAGEを頻繁に見かけるようになってきました。

私はこの「AGE」が本当に老化に関わっているのかは、まだ疑っていますが、これだけいろいろ取り上げられているとある程度の科学的根拠があるのかもしれません。

終末糖化産物と言われるAGEを調べてみると、予想外に多くの低分子化合物が出てきます。高分子であるタンパク質と糖が結合してできるものですので、当然高分子になると思っていたのですが、AGEも代謝され低分子化していくのかもしれません。

こういった低分子AGEがどんな生理作用を持っているのか分かりませんが、一般的には高分子の糖化されたタンパク質が悪さをしているようです。ここでは昭和大学医学部の老化に関する仮説を紹介します。

老化とは体の主要な構成因子であるタンパク質の劣化であり、タンパク質の品質が維持されれば、老化のプロセスが抑えられることは研究でも明らかとしています。このタンパク質の品質を劣化させる引き金が、糖化と酸化です。

糖化とは体内で過剰になった糖がタンパク質に結合し、これが長年続くとタンパク質が変性して劣化した物質AGEになり、その蓄積が老化を促進させます。

これは非常によく出るAGEの一般的な説明ですが、タンパク質は常に代謝されており、この蓄積するタンパク質がどういうものなのかの説明はありません。

また酸化は物質が酸素と結合して変化することで、酸素の一部が「活性酸素」に変わり、過剰になると慢性炎症を起こしタンパク質を傷つけます。

活性酸素は生体内にある抗酸化酵素などにより速やかに除去されますが、酵素もタンパク質なので、糖化でAGEが増えれば活性酸素の除去を十分に行われなくなります。

すべての細胞の表面にはAGEと結合する鍵穴(RAGE)が存在し、AGEがRAGEと結びつくと細胞に慢性炎症が起こるとしています。このカギ穴であるRAGEというのは新しい概念のようです。

AGEの増加による老化は、見た目の変化はもちろん、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病など多くの病気の発症リスクを上昇させます。オランダで7万人以上を追跡した研究では、開始時は健康であってもAGEの体内量が多い人は、4年後の死亡率が5倍高いとの結果も出ているようです。

このAGEを蓄積させない様な食事が出ていましたが、白米のようにGI(糖化インデックス)が高いものは控え、加熱調理した食品を減らすといったよく言われていることだけでした。

結局ここでもAGEというのはどんなものなのかは曖昧なままで、それが代謝分解されるのかなど全く触れていませんでした。AGE研究は盛んに行われているようですが、あまりAGEの本質に触れるようなものはないような気がしています。

鳥や虫はカラフルなのになぜ哺乳類は地味なのか

2021-07-22 10:25:02 | 自然
家には猫がいますが、白黒茶の3色しかなくある意味非常に地味な色合いをしています。

今私の膝には猫が寝ていますが、これもキジトラという茶褐色に黒の縞という目立たない色です。一般的に鮮やか色彩を持つ鳥や蝶などと比べて哺乳類は全般的に地味な色となっています。

これには進化の過程での保護色と色覚が大きな意味を持っているようです。哺乳類が現れたころの地球は恐竜に支配されていました。恐竜たちは昼行性でしたので、今日の鳥類と同じように優れた色覚を備えており、おそらく派手な色合いだったのかもしれません。

恐竜の多くは捕食者で、当時はまだ小さくて弱かった哺乳類の命を脅かす存在でした。そこで哺乳類が選んだ道が、保護色化、夜行性化、そして地下にもぐることでした。

地下の暗い環境において優先されたのは嗅覚と聴覚で、暗闇であまり役に立たない色覚は次第に失われていったのです。現在地球上で暮らしている哺乳類のほとんどは、青と赤という二つの光受容体だけで色を知覚しているため、繊細な色合いを識別できないのです。

一方鳥類の色覚は、紫外・青・緑・赤の四つに対応する光受容体で構成されていて、色をとても細かく見分けることができるので、求愛したり敵を威嚇するのに色を使っています。このなかでヒトはいわば例外で、3色の色覚を持っています。

このように哺乳類が現れてから、恐竜の脅威がなくなるまで10億年という長い進化の過程で、暗い地下で暮らしたため哺乳類は地味な色合いになったとも考えられます。この進化で哺乳類が保有する色素の数にも制限をかけてしまったかもしれません。

鳥類、昆虫類、爬虫類などは皆多彩な色素でカラフルな体色を作り出していますが、哺乳類の毛髪や毛皮に含まれる色素はメラニンのみで、作り出せるのは黒、茶、赤褐色に限られています。

メラニン自体は複雑な工学ナノ構造体に取り込むことにより、鳥の羽や爬虫類のウロコなどにみられる玉虫色を作り出すことも可能なのですが、そういた例は哺乳類には見られません。

複雑で繊細な色覚と同じように、繊細な色を作りだすメカニズムも哺乳類が地下に潜ってから徐々に失われていったと考えられます。基本的に色はコミュニケーションの手段となっていますが、哺乳類は色覚に代わるコミュニケーションの方法を進化させてきたのです。

以上がなぜ哺乳類は地味な色合いになってしまったかの理由ですが、ヒトを除く哺乳類の多くが夜行性になったのも同じような理由のようです。

家の猫たちは地味な色合いで、夜行性が失われてしまったような気がしますが、適度なかかわりをもって癒されていますのでペットとしての役割を十分果たしています。