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認知症診療に新たな知見・検査法の進歩

2022-10-01 10:32:24 | 健康・医療
古くからの友人の一人に認知症の症状が出てから数年たち、あまり連絡もできないのですがやはり進行しているようです。

病態が解明されるにつれて根本治療となるはずの薬の開発が進んでいますが、未だ対症療法に留まっているのが現状です。カギとなるのが検査による早期発見ですが、発見できても進行を止めることができるのかやや怪しい感じもしています。

それでも近年の技術の進歩によって、検査方法が進化しているようです。認知症は後天的な脳の障害や病気が原因で少しずつ認知機能が低下していき、日常生活に支障をきたしてしまう状態です。

主にアルツハイマー型認知症やレビー小帯型認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症などがあります。認知症の中で最も多いのがアルツハイマー病で、脳内でアミロイドβタンパク質が凝集・蓄積し、その後リン酸化タウタンパク質が蓄積することが原因とされています。

アミロイドβの蓄積は発症の20年以上も前から始まるといわれています。その間に脳の神経細胞が徐々に衰えて死んでいき、海馬を中心に脳全体が委縮してしまうことで多様な症状を引き起こすとされています。

認知機能の低下はビタミンB1欠乏症やビタミンB12欠乏症、甲状腺機能低下症などの内科的な病気、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫といった脳に起こる病気でも見られます。これらは治療によって改善することから「治療可能な認知症」と呼ばれています。

さて認知症の検査方法には、頭部MRIや頭部CT、脳血流シンチグラフィー(SPECT)、神経心理検査などがあります。神経心理検査としてよく行われるのは、MMSE(ミニメンタルステート検査)や長谷川式簡易知能検査スケールなどがあります。

神経心理検査は知能や記憶、言語障害の程度を点数によって評価する検査ですが、昔に比べて「異常なし」とされる点数が厳しくなっています。これは軽度認知障害(MCI)を捉えて、なるべく早期に治療介入するためです。

従来は「海馬の萎縮=アルツハイマー病」とみなされることが多かったのですが、海馬の萎縮は他の病気もあり、アルツハイマー病と誤診されることも多かったようです。そこで新たな検査方法として期待されるのが、「アミロイドPET検査」です。

この検査ではアミロイドβが脳内に蓄積している様子を画像化することができます。MRIでは海馬が委縮していないような患者でも蓄積が確認されることがあり、発症前の超早期から将来の認知症リスクを検知することができるようです。

その他血液検査でもアルツハイマー病を発見する方法などが研究されており、認知症検査法は格段の進歩を遂げているようです。現在期待するのは、認知症の進行を確実に止める治療薬の開発かもしれません。


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