ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

原子と元素は何が違うのか

2024-05-04 10:33:55 | 化学
物質を徹底的に細かくしていくと、原子に到達します。この原子というのはいわば私の専門であり非常に身近なものですが、一般的にはあまり考えることもないでしょう。

この原子を大きさ順に並べた周期律表を見ると、いろいろ思い出して非常に懐かしくなります。原子に現われる性質によって分子が作られ、化学反応を起こすようになり体や身の回りのものになっていきます。

ですから原子がものの基本的な単位であるというのは確かなことです。私たちに馴染みのある性質が現れるのが原子という単位からで、眼に触れるすべての物は118種類の原子の組み合せなのです。

118種類の原子は、性質が似ているいくつかのグループに分けることができ、原子をグループ別にまとめたものが「周期律表」です。この周期を生み出すもとになっているのが、それぞれの原子を作っている電子の配置です。

原子の中では原子核を中心にして、いくつかの電子が何重にも取り囲んで回っています。一番外側の輪(最外郭)を回っている電子の数が、原子の科学的な性質に大きく関わっています。

一番外側の輪を回っている電子を「価電子」と呼び、その数が同じ原子同士は似たような化学的な性質をもつようになります。周期律表では縦の列に似ているものが並ぶように配置されているので、縦のグループにどのような原子があるかが重要です。

周期律表の縦の列を「族」と呼んでいます。周期律表の一番左の列に位置する水素やナトリウムなどが属する第1族は、価電子が1個しかなく電子は他の原子に移りたがります(プラスになりやすい)。

逆に右の方の列に位置するフッ素や塩素が属する第17族の原子は、電子があと1個入ってくれば一番外側の輪を満員にできるので、他の原子から電子を引っ張り込もうとします(マイナスになりやすい)。この様な原子たちが出会い、電子をやり取りすることで化学反応が起きます。

そのため周期律表を見るだけで、その原子がどのような化学的性質をもつかが分かるのです。ここまでずっと「原子」という言葉を使ってきましたが、周期律表では「元素」という言葉を使います。同じ水素や酸素の中にも兄弟のような原子がいる場合があります。

兄弟の関係にある原子は、陽子と電子の数は同じですが、中性子の数が異なります。原子といった場合、その兄弟は厳密に分けて考えるのですが、元素という場合には同じ家族の一員とみなします。

これが原子と元素の違いですが、実は私も本当には分かっていないのかもしれません。まあどちらを使っても構わない程度の違いといえるのかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿