ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

突然発症することが多い「顔面神経麻痺」

2023-09-01 10:34:42 | 健康・医療
もう10年以上前ですが、スーパーの駐車場でお茶を飲んだら何か違和感がありました。その時は特に何もせず普通に買い物をして帰り、家でタバコを吸おうとしたところ、左側ではうまく咥えることができませんでした。

次の日が会社に医師が来る健康相談の日でしたので、見てもらったところ「顔面神経麻痺」だろうという診断でした。神経内科の受診を勧められたので、かみさんが行っているクリニックが神経内科でしたので、そこを受診しました。

そこで簡単な検査をした結果、やはり顔面神経麻痺でした。その医師によると「突発性」という突然発症し、自然に治ることが多いようですが、稀に脳の障害が原因のこともあるためMRI検診を受けることにしました。

ところが非常に混んでおり予約が1か月以上に先になりました。この時はビタミン剤のような薬を飲んでいましたが、1か月かからず治ってしまいました。一応MRIは測定しましたが、当然何の異常もありませんでした。

治るまでつらかったのが、左目がまばたきができないため、眼が乾いてしまう事でした。そのため左は眼帯を付けていました。

さて顔面神経は脳から耳の周囲の側頭骨の中にある顔面神経管を通り、枝分かれして顔に分岐しています。どこかで障害が起こると表情筋を動かせなくなり、麻痺が生じます。その結果口から水が漏れる、眼が閉じられない、眉が下がるといった症状が出ます。

顔面神経麻痺の原因として外傷や中耳炎もありますが、多いのはウイルス性の疾患である「ベル麻痺」と「ラムゼイ・ハント症候群」です。それぞれが全体の6割、3割を占めます。ベル麻痺は単純ヘルペスウイルス、ラムゼイ・ハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスが関与していると考えられています。

いずれもヘルペスウイルスの一種で、最初は飛沫によって感染し、皮膚に水ぶくれなどが生じ、症状が治まっても身体のあちこちにある神経節に潜み続けます。顔面神経で潜むのは、側頭骨の中にある膝神経節です。

ウイルスが何らかのきっかけで再び活動し始めると、顔面神経で炎症が起き、顔の動きが悪くなります。顔面神経麻痺は、1年に10万人当り約40人が発症するといわれています。ストレスなどが引き金になるとされてきましたが、関連は低いとみられています。

顔面神経管の中で虚血状態が長引くと、障害が重症化し回復しにくくなる恐れがあります。治療は時間との勝負で、顔面神経の炎症を抑えむくみを取り除くためには主にステロイドを使います。内服も可能ですが、入院して点滴投与した方がより高い効果が見込めます。

ウイルスの増殖を防ぐために抗ウイルス薬も同時投与します。こうしてみると顔面神経麻痺はかなり難しい病気のようですが、私の場合はその後再発することもなく過ごしていますので、運が良かったと言えるのかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿