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「普通の風邪」の免疫が新型コロナを撃退

2020-06-17 10:27:44 | 健康・医療
新型コロナに感染したことがない人たちでも、このウイルスに反応する免疫細胞をすでに持っている可能性があるという研究結果が明らかになりました。

過去に風邪の原因となるコロナウイルスに感染していたことで、新型コロナに対しても「交差反応」する免疫が作られたと考えられる例が、2つの研究グループから発表されました。

新型コロナは、まったくの無症状から急性呼吸不全による死亡まで、非常に幅広い症状を引き起こします。このような幅広い変動性を説明できる遺伝的・生理的条件やメカニズムについては、いまだに解明されていません。

新型コロナを排除するための宿主の免疫システムにおける役割も、その大部分は未解明のままとなっています。ほとんどの急性ウイルス感染の場合、宿主の体内で獲得免疫が発達します。

ところが「普通の風邪」を引き起こすヒトコロナでは、あまり強い獲得免疫応答が起こらないことが知られています。このため同じコロナの一種である新型コロナに対しても、強い保護免疫が発達しない可能性が疑われています。

そこで新型コロナに人間の免疫細胞がどのように応答するのか理解することが急務となっています。カリフォルニア州のラホヤ免疫研究所の研究チームは、新型コロナの断片が最も強力な「T細胞応答」を引き起こすかを予測しました。

新型コロナ感染症から回復した軽症患者20人の免疫細胞を、これらのウイルスの断片に暴露して検証しました。その結果新型コロナの表面にある突起であるスパイクタンパク質を認識する「ヘルパーT細胞」が、全ての患者から検出されました。

そして70%の患者からは、新型コロナに特異的な「キラーT細胞」も見つかりました。この結果はベルリンのシャリテ大学病院の報告とも一致しています。コロナウイルスには、ヒトに日常的に感染する4種類があることが知られています。

これらは一般的な風邪の10〜15%(流行期には35%)を占めるとさていますが、ほとんどの場合は症状が軽く、重症化する患者はまれとなっています。

この米国の研究チームは、風邪のコロナウイルスに感染した経験をT細胞が記憶しており、新型コロナに対しても反応することが報告しています。ある病原体に対して起きる免疫反応が、別の似た病原体でも起こり得る「交差反応」と呼ばれる現象です。

研究チームは、パンデミックが始まる前の2015年から2018年の間採取されて過去の保存血液サンプルを新型コロナにさらし、T細胞反応を調べました。すると新型コロナに感染したことのない約50%からこの交差反応が検出されました。

詳細は省略しますが、新型コロナに反応を示したT細胞は、別なコロナによる過去の感染によって生成された可能性が高いと考えられています。

つまり過去に風邪にかかっていれば、新型コロナにも少しは免疫があるというのは、なかなか面白い説といえるような気がします。


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