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日本人が新型コロナに強い「ファクターX」は?

2021-07-30 10:25:07 | 時事
オリンピックが開催されているのに、新型コロナの感染者数が急増してくるという最悪の展開となっています。

観客のいないオリンピックを皆がテレビで見ていれば、人流が抑えられ感染者も減少するかもしれません。

昨年パンデミックが始まったころからいわれていたことですが、日本を含むアジアは欧米に比べて圧倒的に感染者、重傷者、死者数が少なく、この要因を山中先生が「ファクターX」と名付けました。

これについてはこのブログでも昨年何回か取り上げましたが、1年以上経過して少し変わってきたような気がします。昨年はファクターXのひとつがBCGではないかという説がありましたが、ここでは最新のファクターX仮説を紹介します。

今年に入ってから、日本人の多くは新型コロナに感染しており、既に集団免疫が成立しているという仮説が出てきました。しかしPCR検査の陽性率は10%以下と低く、免疫学的にもこの仮説は無理があるようです。

そこで出てきたのが「交差免疫」という概念です。新型コロナではないがそれに近いウイルスにかかった経験があり、それにより新型コロナがあまり重症化せずに済んでいるという可能性です。

何か似たウイルスが自然免疫(生まれつき自然に備わっている免疫機構)を訓練してくれて、感染しにくい・重症化しにくい状況を作り出している可能性があるという説です。私もこの説は納得性が高いような気がします。

現在コロナウイルスの中で(新型ではありません)、風邪を引き起こすタイプが4種あるとされています。風邪の10〜15%(流行期では35%)はこういった4種のコロナウイルスが原因とされています。

コロナウイルスはインフルエンザウイルスほどではないものの、かなり変異が生じやすいウイルスとされており(新型コロナでも出ていますが)、無数の変異株によって風邪が流行っていると考えられます。

こういった変異は現在問題となっているように、国、地域によって変異が変わることが多いようです。日本やアジアにはこういったコロナ風邪変異株に、現在の新型コロナにも交差免疫が生じるような型が流行したことがあるというのは、大いにあり得ることのような気がします。

その他生活習慣や血液型、HLA型(白血球の型)の違いがファクターXではないかという説もありました。キスやハグをあまりしない、家の中には土足で上がらないなどの生活習慣の違いは重要なポイントかもしれません。

しかしアジアの国で一様に同じ生活習慣ではないことから、ファクターXとするにはやや弱い気がします。現在のところでは、ここに紹介した交差免疫説が、ファクターXに最も近いような気がしています。



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